「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)

漫画やアニメの世界に出てくる悪の組織や悪の統領。

ドラゴンボールのピッコロ大王や

バビル二世のヨミ様などは知っている方も多いはず。


彼らはどうやって、組織運営を行い

そして構成員の生活はどうしているのか。

といった、笑いのネタにしかならなかった

これらを大真面目に検討論じている本です。


そこから透けて見えることは、

悪といえども、経済原理にかならず左右され、

さらに運営方針によっては

組織は強くもモロクもなるということです。


さらに歴史について踏み込んだ考察もあります。

中世から近世にかけて、欧州でも日本でも

王侯貴族による統治から

民主主義と市場経済による自治へと、

時代が大きく変貌しました。

そのことの「必然性」がかなり分かりやすく分析されています。


この本のいいところは、

作者の岡田氏が一から理論を構築しているため

マル経的学説解説はないですし、

政治経済についての素養がなくても

あの有名な漫画・アニメ(バビル二世やドラゴンボール)を

知っていれば夢中になって読めます。


一読をお勧めします!!