TVドラマ「サンザシの樹の下で」第2話を見ていて、
35話全体から考えて、チェンシンがチンチウに対して「心に残る言葉」を言っています。

贫困是一所最好的大学。
(貧困は最高の大学だ。)



背景
貧しい家庭のチンチウが、妹に何かを買ってあげるため、物ひろいをしていて、偶然にも川端で金物の鍋を拾った。
その近くに偶然いて自転車の点検をしていたチェンシンが、(さっき卓球の試合で見事な勝利をした)チンチウだと気付き、声をかける。
しかし、チンチウは、「見知らぬ男性に対して近づかないように」という母の教えを守り、そっけない態度をとる。それに対して、チェンシンは、自分の自転車の後ろに鍋をのせてあげる。
それに対して、チンチウは拒み、自分で引きずって持っていこうとする。
そこに3人の男が現れ、鍋を足で止めてチンチウに意地悪をする。
そこで、チェンシンが3人の男から鍋を奪い返す。しかし、後ろから男たちのうち一人からたたかれて、チェンシンは血を流して気を失う。
男3人は消えうせる。
チェンシンとチンチウは、その金物鍋を持って質屋に行って、9毛を稼ぐ。
チンチウは、「半分ずつにしましょう」と言うのに対して、チェンシンは、「このお金は、血を流してまで手に入れたものだから僕のものです。」と言ってチンチウに渡さない。
チェンシンは、「どうして、全部欲しいのか理由を言ったら全部あげよう」と言う。
チンチウは、「うちは貧しくて、母は病気がちで、妹を養っているから。」という。


それに対して、「今貧しくても、これからどんどんよくなる。」とチェンシンに言い、その理由が以下の言葉です。

贫困是一所最好的大学。
(貧困は最高の大学だ。)

会話全体
建新 :知道 我 为什么 这么 说 吗?
高尔基 有 一 句 名言。
他 说,贫困 是 最好 的 一 所 大学。
这 所 大学 会 带 给 你 未来 的 希望。
你 相信 这 句 话 吗?
我 问 你 话 呐,你 相信 吗?


(私の解釈)
どうして、こんなこと言うかわかりますか?
ゴーリキーが名言を残しています。
彼は言います、「貧困は最高の大学の一つだ。」と。
この大学は貴女に未来の希望をもたらすでしょう。
この言葉を信じますか?
もう一度、ききます。信じますか?


この一言は、この後の話のチンチウの回想シーンで出てきます。

さらには、
この言葉は、このテレビドラマの原作となっている小説「山楂树之恋」(艾米 作)の序章の以下の部分を喚起していると言えます。(日本語訳が見つからないので、自分で訳してみました。間違ってたら指摘してください。)

... 可惜 的 是,当 老三 的 预言 一个 接 一个 开始 成为 现实 的 时候,老三 的 人 却 成 了 一个 美丽 的 梦想。睹景思人,静秋 开始 写 那个 回忆录,以 纪念 她 跟 老三 一起 度过 的 那 段 时光。 ...


私の訳
惜しいことに、老三(ラオサン 本名チェンシン)の予言が次々と現実になっていく時、老三という人は一つの美しい夢となっていた(=故人となっていた)。残された物(=彼の日記、手紙など)から故人となった老三を思い起こし、チンチウは、老三と一緒に過ごしたあの時期を偲んであの時の回想録を書き始めた。