今回は、先日、ライフプランを考えるセミナーに出席して、高齢の講師の先生が、紹介してくれた手紙がとても良かったので紹介させてもらいます。



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この手紙は年老いた親から自分の子供へ向けたポルトガル語のメッセージであります。チェーンメールで入手した角智織が感銘を受けて翻訳したものです。そして、その友人の樋口了一も感銘をうけて、CDとして、曲の制作、発売にまで至ったようです。知らなかったのですが、2009年度のレコード大賞の優秀作品賞ももらっているようです。

 

私自身は、講師の先生が、情感豊かに声を出して、読んでくれたので、眼を閉じてゆったりと味わうことができました。

両親が亡くなっている私は、この手紙を聞いて、両親が生存時に耳にしていたらもう少し、親孝行できたんじゃないかと思うとともに自分自身は両親に愛情深く大事に育てられたのだと確信し、いまさらながらですが、感謝の気持ちを強く抱くことが出来ました。

 

人間は、だれでもが赤ちゃんで産まれ、育てられ、成人し、徐々に老いて、体力、知能も衰え、最後には死に至ります。

 

現在、置かれている状況は様々だと思います。親の介護でいろいろとご苦労されている方、ご自分の老後が心配な方、子育てに全力投球中の方、まだ、親の世話になっている方それぞれの世代、立場で、心に感じるものがあるのではないでしょうか?

 

それでは、全文を掲載させてもらいますね。

声に出して読まれるといいかもしれません。

 

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年老いた私が ある日 今までの私と 違っていたとしても

どうかそのままの 私のことを 理解して欲しい

私が服の上に 食べ物をこぼしても 靴ひもを結び忘れても

あなたに色んなことを 教えたように 見守って欲しい

 

あなたと話す時 同じ話を何度も何度も 繰り返しても

その結末を どうかさえぎらずに うなずいて欲しい

あなたにせかまれて 繰り返し読んだ絵本の あたたかな結末は

いつも同じでも 私の心を 平和にしてくれた

 

悲しいことではないんだ 消えて去って行くように 見える私の心へと

励ましの まなざしを 向けてほしい

 

楽しいひと時に 私が思わず下着を濡らしてしまったり

お風呂に入るのを いやがることきには 思い出して欲しい

あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて

いやがるあなたと お風呂に入った 懐かしい日のことを

 

悲しいことではないんだ 旅立ちの前の準備をしている私に

祝福の祈りを捧げて欲しい

 

いずれ歯も弱り 飲み込むことさえ 出来なくなるかも知れない

足も衰えて 立ち上がる事すら 出来なくなったなら

あなたが か弱い足で 立ち上がろうと 私に助けを求めたように

よろめく私に どうかあなたの 手を握らせて欲しい

 

私の姿を見て 悲しんだり 自分が無力だと 思わないで欲しい
あなたを抱きしめる力が ないのを知るのは つらい事だけど
私を理解して支えてくれる心だけを 持っていて欲しい

 

きっとそれだけで それだけで 私には勇気が わいてくるのです

あなたの人生の始まりに 私がしっかりと 付き添ったように

私の人生の終わりに 少しだけ付き添って欲しい

 

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