この記事は LARP Advent Calendar 2021 の一環です。

 

はじまり

 

「みんなで目いっぱい衣装着てマダミスしよう」に参加することになりました。

 

で、主催からアンケートが来たんですよ。

「どんなキャラやりたい?」って。

私はこう答えました。

「地位、性別、どれでもやりますよ」って。

 

女性が男性演じるのはわりとハードル低いけど、

男性が女性演じるのはハードル高めですしね。

人数バランスが悪そうなら、その肩代わりくらいはするよ、というつもりでした。

 

結果、主催からの回答。

 

「王妃お願いします!」

 

まさかの大御所ド派手な女性キャラですよ。

でもこの時点ではゆるっと考えてました。

 

「嫁にワンピースとか借りて、パーティ用の金髪カツラかぶればいけんだろ」

 

って。実際それでも問題なかったはずなんですけどね。

試しに友人のけい(LARPer兼女性レイヤー。私と身長は近い)にこぼしてみたんですよ。

 

「今度の役、王妃になったんだけど、なんかドレスとかある?」

 

「あるよ。貸すね」

 

これが始まりでした。

 

不便すぎませんか?

 

借りたドレスを着てみました。

嫁から色々ツッコミ入ります。

 

「ベルトしないとスカートずり落ちるってどういうこと?」

・・・女性と違ってくびれがないからですね。痩せてるとか以前の問題。

 

「骨と皮だけなのに胸元がいっぱいいっぱいなのなんで?」

・・・意外と肋骨はあるんすよ。肉はないけど

 

「全然スカート広がらないんだけど。普通のパニエじゃ足りない」

・・・足細いんすかね?

 

などなど。
とはいえ、この辺りは体形差の話。

ここから私の方も色々考えだすわけですよ。

 

まず、肩が寒い。

下にろくにシャツも着られないので、暖がとれない。

 

次に、腕毛と足毛そらないといけない。

結局ショールとか借りてごまかしましたが、本来なら肌の露出多い分、肌自体のメンテが必須。

 

最後に、スカートのパニエ。

スカートを全体的に膨らませてかっこよく見せるものですが、最初に借りたふわっとしたのでは

私のシルエットに全然足りず。

仕方ないよね~とけいに伝えたら

 

「ワイヤーパニエあるから貸すわ」

 

と心強いお言葉。

いや、私ワイヤーパニエが何者か知らんけど。

 

借りました。なるほど、スカートを膨らませるパニエにワイヤーが入って、

強固に膨らませることが可能なアイテムなのか。

 

つけました。

自分の横幅が3倍になりました。比喩抜きに。

ちょっと狭い道の通り抜けもろくにできなくなるんですよ。

家の中で隣の部屋に行けない、となったのは泣きそうになりました。

重いし。腰全体で支えているとはいえ、ワイヤー自体がめっちゃ重いし。

 

この時点でわりと折れてました。

 

化粧も心もノらない

 

化粧なんて全くする気ありませんでした。

でも嫁は言います。

「そんなドレス着るんだから、最低限の化粧はすべきでしょ!」

 

最低限とは果たしてどこなのか。

嫁との会話は、この一点において全く成立しません。

 

私は全く化粧なんてできないし、する気もなかったので、完全に嫁に身を委ねます。

なのに、嫁はどんどん不機嫌になっていくのです。

 

「眉毛剃れ!

 剃りずらい!

 掘りに眉毛かかっとる!」

「あなたの肌の色も顔の堀りも私と全然違う!

 すべき化粧がまるで違う!

 私のテクニックが使えない!」

「私の化粧品じゃ色が浮く!

 100均で買ってくる!」

「化粧のノリが悪すぎる!

 肌が乾燥しすぎ!

 砂漠か!!」

 

私には何もできません。

しいてできることがあるとすれば、抗議の言葉だけ。

 

「別にこんなんしなくてもいいじゃ「しなきゃダメだろ!!」」

 

だめでした。

 

「キルデスビジネスのヘルスタイリストの気持ちが分かった!!」

 

そんな罵詈雑言必要ですかそうですか。

 

とりあえず、パックと化粧水と乳液を1週間で、砂漠化はわりと解消しました。

反比例で、心の砂漠化は着実に進行しました。

 

立派なマフラーですね

 

最後にウィッグです。

安物で見つけてきたのでボサボサなのはしょうがないのですが、

 

暑いです。

熱がこもって、暑いです。

 

今までずっと短髪で首にも顔にも髪がかかるようなことはなかったのです。

わかったこれ体温調節効かねえな?

 

ポニーテールの重要性が分かりました。

 

「髪をとけ!鏡見ながらいい感じに整えろ!」

 

嫁の監修がありましたが、これはもうあんまり耳に入ってませんでした。

 

面倒・・・超面倒・・・

 

なんやかんやあって本番はうまくやったのですが、それまでにわりと心が折れた私のサマリです。

・女性ロールは歓迎するが、女装する中に私のロマンは詰まっていない

・女性は服も化粧も半端ない努力をしている

・嫁が怖い

 

なお、嫁曰く

「この程度で許してやってるだけ、私はかなり優しい」

とのことです。

大丈夫。化粧してくれたりウィッグ整えたりドレスの介護してくれたり"は"感謝してます。

 

皆さんも女性に優しくしましょう。女性の努力に敬意を持ちましょう。

 

以上、体験談でした。