ユリエス風味

 


*  *  *


 様子が変だな、とは思っていた。
 にこにこと笑うエステルと一緒にいると、魔導器しか興味がなかった私でも友達っていいなと柄にもなく思うくらいには、エステルのことをその、好きだな、と思う。
 だから彼女がじっと見つめては、目をそらして思い悩んでいるその元凶に最近は少し苛々していた。
元凶であるあいつは、さっさとエステルに謝るなりして早く彼女の憂いを取りさらってもらいたいもんだと。

「……誕生日プレゼント? ユーリに?」

 でもどうやら、今回謝るべきは自分だったらしいとリタは考えを改める。
 予想していたものとは全く違う展開に、まるで不可思議な言葉を聞いたといわんばかりに目を細めた。
 普段は食事中でも文字を追う目を隣に向け、さてどうしたものかと頭を悩ます。
 正直どうでもいいというのがリタの思う所ではあるが、言っている本人に対してはどうでもいいとあしらうことが出来ないので、本を読む手を止めた次第である。
 きらきらと顔を輝かせたエステルは胸元に作った拳を握りしめて力説した。

 何でも、普段のお礼を込めたいだとか、お返しをしたいだとか、もうすぐ誕生日だとこっそりと独り言を呟いていたのを聞いてしまっただとか。
 そこまでは理解出来るが、誕生日がいかに素晴らしいかとか、誕生日は生まれてきてくれてありがとうと感謝する日だとか、その人がいかに愛されてるかを伝える日だとか、どんどんとスケールが大きくなっていく話にはついていけなかった。
 エステルのそういうとこは、まぁらしいと言えばそうなのだが、誕生日にそこまで思い入れもない私には何とも言えない。取り敢えず物貰ってケーキ食べて過ごすのが俗に言う誕生日なのだと理解はしているけれど。

「……別にいいんじゃない?エステルのしたいようにすれば。誰も止めやしないわよ」

 ただ今は星喰みを倒す前の下準備で皆そこそこに忙しい。
 エステルもそれは分かっているようで、ユーリに気を使わせないよう、取り敢えずプレゼントだけでもあげたいなとラピードと相談しているのだと言う……あの犬っころと、どうやって。
 その状態に陥るまでの経路に些か疑問を覚えるけれど、出来れば消費する物で旅の邪魔にならないものを贈ろうという結論には至ったらしい。
 すごいな、エステル。本当にすごい。

「最初は、アクセサリーとか贈りたいなと思ってたんですけど……必要性がなくなってしまいましたし」

 星喰み打倒!とは言っているが、倒しに行く前にぶっちゃけかなり寄り道している。
 ギガントを倒したり、謎のダンジョンに入ったりしているせいで昨今は忙しいのだが、そのお陰でよりレベルが上がったり、素材や武器を手に入れることも出来るため存外に無駄ともいえない。
 店では買えないような高性能のアクセサリーも手に入った。つまりそういうことである。

 今や俗に言う装備品は、店で売っているレベルのものは必要ではなくなっていた。

 しかしエステルから貰えるものなら正直何でも喜ばしいものではないかという親友贔屓な考えが浮かぶ。というか例え戦闘で役に立つからという実用的な理由であれ、エステルからアクセサリーを貰えるなんて正直羨ましいのだけど。


「そうねー、消耗品っていうなら食べ物が無難じゃない?」


 あの甘党にはホールケーキをあげておけば確実に喜ぶと思って提案したが、それはプレゼントとは言い難いのかエステルはうんうんと唸っている。
 というか私は人の誕生日なんてまともに祝ったことがないから、助言できるような引き出しなんて持ち合わせていない。

 エステルには申し訳ないが、相談相手を間違えているように思う。ラピードと同列扱いになるつもりはないが、今回ばかりは聞き手としてか役割を果たせそうにない。

 そうやって自分が意識を飛ばしている間にエステルは自分の中で折り合いをつけたらしい。

 

「でもそうですよね、本人が喜びそうなものを用意するのが一番ですよね……そしたら失敗しないように今から練習しないと、ですね」

 

 相談に乗ってくれてありがとうございました、と微笑む顔は何処となくもの寂しげに見えた。
 

 

*  *  *



「……何か、いい匂いするね」

 くんかくんかと鼻を鳴らして、ユーリの隣でその手を覗きこんでいたカロルは首を傾げた。
 今日の料理当番はユーリであり、しかも宿屋でキッチンの使用が許可されたので、カロルは今晩のご飯をとても楽しみにしていた。
 じゃがいもを吹かす音と匂いに、ユーリ曰く愛情満点のコロッケなことを察してその楽しみは倍増である。
 自由時間であることをいいように、手際よく動く姿を飽きもせずじっと眺めていたのだが、その視線に勘違いしたのか、ユーリがカロルに吹かした芋を一口だけその口に放り込んだ。
 マヨネーズをかけたそれは美味しく、にまりと頬が緩む。
 つられたのかユーリも微かに微笑むと、料理の手を再開した。コロッケに添えるのか、キャベツをザクザクと刻んで行く。
 規則正しく鳴るまな板の音にほえーと口を開けて見いられていたら、食べ物の匂いじゃない何かが、鼻を掠めたのである。

「もう少しで出来っから、外で遊んで来いよ」

 つまみ食いされたらたまんねぇ、とからかいを含んだ声に違うよ、とすぐに否定する。

「そうじゃなくて、何か……何だろ?」

 不快ではないのだが、形容しがたい匂いだったのでどう言っていいのか分からなかった。
 何処かで似たようなのを嗅いだような、と思うのだが、その記憶が埋もれてしまい、どうも引っ掛かってこない。
 もう少しで思い出せそうで思い出せないというもやもや感にカロルはまたも鼻を鳴らす。

 

「そういえばさっき買い出しに行った時、魔狩りの剣の連中見かけたぞ」


 くんかくんかと鼻を鳴らしていたが、ユーリの一言を聞いて思いっきり息を吸いこんだ。

 

「え、それ本当!?」

「あぁ。まっ、あんなことがあった手前、和やかに会話とはいかなかったが」

「……ユーリ、まさか喧嘩売ったりしてないよね」

「ひどいなー、カロル先生、俺がそんな見境ない奴に見えっか?」

「ユーリにその気はなくても相手を無意識に煽ったりするでしょ!」

 

 過去の所業を思い返し、全くもう!とため息をつく。

 

「でもそっか、この町に来てるんだ……元気そうだった?」

「おー、元気元気。思わずそのまま町の外に行っちいまいそうなくらい」

「……やっぱりユーリなんかしたでしょ」

 

 目線を向けると、にやりと不敵な笑みを浮かべてまな板と包丁を片付けはじめた。

 どうやら話している間にキャベツの千切りが終わったらしい。

 

「さてね、気になるなら行ってみればいいんじゃねーの」

 

 確かに、運が良ければ会えるかもしれない。

 以前所属したことがあるギルドだ。あの頃と活動スケジュールが変わらないのであれば、一度町に入れば狩りを生業にしているギルドなので消耗品の補充に時間が掛かるし、野宿よりも十分に身体を休めることが出来るのでよっぽどのことがない限り数日間は滞在するはずだ。

 今が何日目なのかは分からないが、買い出しに出ていたということはまだ初日の段階だろう。

 会える可能性が具体性を帯びてくると落ち着かなくなってきた。

 そわそわと身体を揺らし、どうしようか迷っているとこつんと額を押された。

 

「もう一品作ろうろうかと思うんだが、何食べたい?」

「え」

 

 メインはコロッケじゃなかったのかと、衣がついてあとは揚げるだけの状態のものとキャベツを視界に入れる。

 唐突に訊かれたリクエストに首を傾げながら、取り合えず好物のひとつであるハンバーグを口に出す。

 そうか、頷いてキッチンから離れたと思うと、部屋の片隅に置いてあった道具袋を漁って財布を取りだした。

 

「そんじゃお使い頼まれてくれるか、カロル」

 

 手に取った財布をカロルの手に握らせ、またキッチンに向き直るとユーリはコンロに火を点けた。

 

「ハンバーグの材料は知っているよな?まあ間に合わなかったら明日にでも作るからさ」

 

 そこでようやくピンと来た。

 なるほど、名目をくれようとしているらしい、と。

 

「……ユーリって本当に素直じゃないね」

 

 不器用な気遣いに嬉しいような、呆れるような。

 長いようで短い間柄だけども、一緒に過ごした時間は濃密だ。遠まわしな言い方にも昔よりはなんとなく察せられるようになったと思う。

 つい自分も捻くれた物言いをしてしまったが、捻くれ屋ってうつるものなんだろうか。

 

「ありがとうユーリ、いってきます!」

 

 少し照れ臭くなって相手の反応は見ずに預かった財布を大事にカバンに入れて、宿屋を飛び出す。

 お店をはあっちだったな、でも買い出しが終わっているなら武器屋に顔を出しているだろうか。それとも何処かの酒屋で休憩兼夕食をとっているかもしれない。

 ひとまずぐるりと巡って、目途がついたら買い物がいいかもしれない。あまり生ものを持ってうろつくのも食材に悪いだろう。

 会えるかもしれない彼女の顔と、ハンバーグのレシピを頭に思い浮かべながら、夕暮れの町を駆け出した。

 

「……あー、本当、油断ならないなカロル先生」

 

 宿屋に残された青年は、一人顔を覆っていた。

 今この場に他の仲間たちが戻ってきたら不味い。特に察しのいい奴ら。何を言われるもんか分かったもんじゃない。

 ぐっと唇を噛みしめて、この焦りだか羞恥だかよく分からない小っ恥ずかしい気持ちを静めようとするがどうにも難しい。本当に勘弁してくれ。

 一度点けた火を消し、そっと息を吐いた。

 

 

*  *  *

 

 

ああもう、こんなはずじゃなかったのにとエステルは心の中で盛大に頭を抱えて嘆いた。

 

「いつから気付いてたんです?」

 

サプライズしようとあれこれ画策していたのが、本人に筒抜けなんて間抜けにもほどがある。

ユーリは別に悪くないのに、決まりの悪さからつい恨みがましい声をあげてしまう。

視線を向けられた本人も、居心地の悪さから少し目線を外して首を掻いた。

 

「いや、俺も様子がおかしいことぐらいしか思ってなかったんだけどな……」

 

 主に過保護な保護者たちのせいというか。

 ユーリはここ最近の記憶を辿る。

 思い返せば前兆はあったのだ。エステルの露骨な視線には前々から気づいていたが、特に深刻な様子でもなかったので何か話したいけど迷っているといったところだろうかと当たりをつけ、しばらく様子見していた。あまりにも続くようであればこちらからからかい混じりでも訊いてみよう、とも。

 それに耐えきれなかったのは天才魔導士様とお堅い騎士団長様だ。というよりも二人にはおおよその検討がついていたらしい。

 

「いーい、エステルを傷つけたらただじゃおかないわよ」

「君は人の好意を真正面から素直に受け取れない所があるからね、今回ばかりは口を出させてもらうよ」

「「くれぐれも捻くれた物言いはしないこと!」」

 

 お風呂上がりにこれである。

 久々の宿屋でなんとなく長風呂し、寛いだ後の急な来襲にその時は流石に戸惑いを隠せなかった。

 具体的な話は出てこなかったが、ひとまずエステルが何か企てていることは二人の物言いで分かったし、その後おっさんが「せいねーん、誕生日なんだって?そしたら俺様が飲みに連れてってぐはっ」とリタに制裁されているのを目にしたし、「ユーリ!うちの愛が詰まったプレゼんむ?」とフレンに口を塞がれたパティからまあ察しはついた。その場では分からないふりをしておいたがそこまでヒントが出されて気付かないほど鈍くはない。

 なので運良く取れた宿屋の個室にエステルが訪ねて来た時点で、にまにましたエステルの顔を見た時点で、ああ準備出来たのかよかったなと微笑ましくもむず痒い気持ちになってしまいつい口を滑らせた。

 

「んで、お姫様の後ろ手に持っているのは今流行りのバースデーパイ投げか何かか?」

 

 サプライズ終了のお知らせである。

 エステルがきょとんと目を丸くさせ、しばらくすると頬を赤らめて固まった。

 頭の中のリタとフレンが「だからあれほど」と口煩く罵りながら憤慨している。

 悪い、今のは俺でもないわと思う。

 そして冒頭に戻るのである。

 

「うう、まぁしょうがないです。ユーリを出し抜けるなんてそんな簡単にいくわけありませんでした……」

 

 独りでに納得したエステルはそう嘆くと、切り替えたのか居住まいを正した。

 

「ユーリ、お誕生日おめでとうごさいます!」

 

 朗らかに笑って後ろ手に隠していた小さめなホールケーキをずいっと前に差し出した。誕生日ケーキ定番のショートケーキである。流石に年の数だけ蝋燭をさすと悲惨なことになるのか、一本だけさされた小さな火がゆらゆらと揺れた。

 

「もしかして手作りか?」

「はい!お店のみたいにはいかなかったんですが、味に関しては太鼓判押してもらってるので美味しく出来てるはずです!」

「へぇ」

 

 何処と無く誇らしげな様子を見るに、優秀な講師がついたらしい。この感じを見るに料理上手なジュディあたりだろうか。面白そうだと嬉々として手を貸しそうである。

 少し歪なところもあるが、十分綺麗に飾れている。はじめの頃は料理の基礎も分かっていなさそうだったのに。自分の作ったサンドイッチをうまいうまいと言って城の料理人を打診してきたことを思い出す。随分と遠くに来たもんだ。

 食べてみて下さいと差し出されたフォークを手に取り、少々気恥ずかしいが火を吹き消してから一口含む。

 

「……美味い」

「ほ、本当ですか!」

「あぁ、クリームが普段のよりも濃厚でいいな。あと何かスポンジにも塗ってるか?」

「あ、苺ソースですね。それ、ジュディスが教えてくれたんです」 

 

 嬉しそうに声を弾ませている様子を見てほっとする。どうやら少しは挽回出来たようだ。頭の中のリタとフレンも鳴りを潜めた。

 

 それにしてもまさか自分がこんな風に誕生日を祝われるなんてな。

 以前こそこそと一人言を吐いてしまったが、世界的にも旅路的にも少々忙しいのははじめから分かってたことで、本来自分は祝い事を気にする性質でもない。

 だからといって祝われたら嬉しくないとかそういうわけではなく。下町で馴染みのある連中から祝われるのとはまた違った感じがする。

 ひっそりと呟いたことを丁寧に拾って、優しく思いを寄せてくれているのが伝わってきてなんだか気恥ずかしいというか落ち着かない。自然とケーキを口に運ぶスピードが早くなる。その間も目の前のお姫様はにこにこと笑っていた。

 完食し、お礼を口に出そうとしたが慌てた様子でちょっと待ってて下さいねとエステルは皿を下げて部屋を出ていく。

 

「あの、こちらなんですけど……」

 

 数分もしないうちに戻ってきたかと思えば、また後ろ手に何かを持ってきた。

 先ほどと比べると少し表情が硬い。

 

「良かったら使って下さい」

 

 ついさっきと同じ状況だが、手にもっているものが違う。

 ブルーのリボンが結ばれた包装紙に目を見開く。

 

「……開けていいか?」

 

 尋ねるとこくんと頷いたので、開封する。

 まさかと思いながら、何処か夢心地で手に持ったものを広げた。

 

「……エプロン」

「は、はい。ユーリ、エプロン持ってましたけど、最近解れてきたとフレンから聞いて」

 

 確かにそんな話したな。

 というかフレンがそろそろ見すぼらしいから買い換えたらどうだと苦言してたな。

 確かにまだ資金面が乏しいころ購入したものだったから安物であったし、持ち物が十分になかった頃は他の仲間に貸し借りしてたから使用頻度が高く、更によくお子様たちが汚すから洗濯する回数も多かった。大分よれてはいたけど、使えなくもないと下町根性で使い続けていた。

 それと比べること事態が烏滸がましいが、かなり質の良い品物だろう。パッと見てデザインは似てるが手触りが違う。また黒くシンプルな作りながらも微かに模様が入っていて、服飾について詳しくないがそのさりげなさがセンスが良いというやつなのだろう。

 

「あの、どうでしょうか……?」

 

 不安げに眉を下げてこちらを伺う様子を目に入れて、疑問に思う。

 何でこんなに自信なさげなのかと。

 

「……まさかプレゼントまで貰えるとは思わなかった」

 

 本当に、ケーキをご馳走してもらっただけ十分だと思った。十分、幸せだと。

 気恥ずかしさは、落ち着かないのは、慣れない甘さを受け入れるのに掛かった代償だった。

 なのに無事に消化し終えたと思ったらまた次があるとは。本当にこのお姫様は先が見えない。

 癖でついからかいそうになったが、また脳内の二人がじっとこちらを窺っていたので、唾ごと言葉を飲み込んだ。

 代わりに別の言葉を口に出す。

 

「すっげー嬉しい」

 

 ありがとうな、と照れ臭さが勝つ前に言い切ると、目の前の彼女は不安そうな顔から一変して、まるで幸せを感じ入るかのように目を細めて笑った。

 

 

*  *  *

 

 

 そして翌日。

 まだあの時の照れ臭さの処理が終わらなくて後を引いている。

 今まさに料理している真っ最中なのでエプロンを身につけているのも要因の一つなのだが……エプロンからエステルの匂いがする。

 いや、そこだけ抜粋すると自分が変態になったようなのだがそうではなくて、恐らくエステルが愛用している柔軟剤の香りだろう。移り香なのか、洗って仕舞ったせいなのか定かではないが。

 男性陣はその辺はまとめ買いなのだが、女性陣は洗剤や柔軟剤を個々に好きなものを買っているらしい。リタも男性陣と同じく適当なのだが、女性陣の誰かから指摘されてか随時おこぼれをもらっているらしい。時々リタからジュディの香りがするとおっさんが言っていた。その後リタから鉄槌が下り、ジュディからはしばらく遠巻きに会話をされた。おっさんは泣いた。

 

「やっぱ香りってのは記憶に残りやすいんかね……」

 

 先ほどカロルに感づかれそうなのには焦った。

 いつもなら気付かれたとしても上手くあしらえるし、取り繕えるのだが今はまだ駄目だ。

 どうにも情けない。

 ゆっくりとしゃがみこんだが、エプロンと顔の距離が近付いてより香りを意識するだけになった。

 近々洗う、か?いや何だか意識しているようで逆に抵抗がある。図星なのだが。

 

「全く……」

 

 ユーリが頭を抱えている一方でエステルはエステルですごくご機嫌だ。

 昼頃、リタやジュディスを連れ添って町に出掛けていったから事後報告でもするのだろう。エステルは報告のつもりではないのだろうが、あの二人だ。根掘り葉掘り聞き出すことだろう。こちらもある程度覚悟しておかないとならない。

 一方で情報をリークしたフレンの物言いたげな目を感じつつ宿屋に残ったがお前も共犯だろうが。恐らく今頃詰所に騎士団長閣下としてひっぱりだこになっているだろう。

 

「取り敢えずあいつらが帰って来る前に仕上げるとすっか……」

 

 ゆるくため息を吐いて火を吐けると、ユーリは料理を再開した。

 

 

*  *  *

 

 

はい、お久しぶりです。

何もかもが今更ですが、以前頂いたネタで書き上げて見ました。

久々の創作でめちゃくちゃに筆が重たかったのですが、いかがでしたでしょーか?

 

何故こんなにも今更ながら書き上げてみたかというと、本日がXbox360版でテイルズオブヴェスペリアが発売された日だからです!!

 

本日ネットニュースで上がってて、今でもヴェスペリアはリマスター版やるためにswitch買うくらい大好きですし(それを目的としたせいでswitchのソフト未だにヴェスペリアしか持ってない奴)、スマホゲームのアスタリアもレイズもクレストリアもヴェスペリアのキャラ(特にユーリ)が出たら回しちゃうしって話が逸れた。

 

そうです、ネットニュース見てこれは何かもうどっかの誰がまたヴェスペリア最高!ってなってまた界隈が盛り上がらないかなと思ってですね。

 

んん?じゃあ昔のリクエストでユーリ誕生日おめでとう話もらってたからある意味誕生日おめでとうってことでこの機会に書き上げしまったほうがいいんじゃないかと思いまして。

 

はは、けど裏話まで書く余裕がなくて力尽きた部分もありますけども。

 

実はリタが相談を受けた後に、フレンとジュディスを引っ張ってきて、私じゃ今回役立たないからアドバイザーになりそうなやつ見繕ってきたとか何とかいって、だから、エステル、無理に自分を納得させないで、やりたいことをしよう、今だからこそって、しんみりと諭す場面があったりとか。

 

ケーキで微妙な反応をしていたエステルは、消費物がいいと分かってはいたけど、無意識に形あるものを何か残したいと思ってたとか。今後旅が終わってしまったとして、そしたら自分は何を残せるだろう、忙しくなることは予測がついているので身近なところで日常でどうか思い出して欲しい、離れていても過去に置き去りにされたくない、とか。

 

ジュディスはその辺を察してて、エステルの無意識を言葉にしてあげて、じゃあ、普段使いそうなものにしましょうと案をだして、フレンはエステリーゼ様がそれていいならいいけど相手はユーリか……と幼馴染みなりに面倒な性格を知っているのでこれからの姫様の苦労を思うと複雑だけどお手伝いする的な。

 

でも実際はユーリのほうか振り回されているっていうね!

 

他にも書きたかったことはあるけど力尽きましたのでここまで!