そして恋が降ってきた【後編】
<第九章>報告 その2
「お父さん、どうだった?」
健太が聞いてくる。
「ヒロさんが、お母さんに会いに博多に向かった。
飛行機で、明日の八時過ぎには着くらしい。」
「・・・・何だか騙してるみたいで、悪いな。」
健太はうつむきながら言った。
「お母ちゃん、悲しんでるよね?」
彼の顔を見て、トオルの胸が痛む。
が、優しい子に育ったと思い、誇らしかった。
トオルは健太を抱きしめた。
「絶対、ハッピーエンドになるから
お母ちゃんと、ヒロさんを信じような。」
「うん。」
頷く健太を
優しい顔でトオルは見つめていた。