灼熱☆バケーション【前編】
〈第十九章〉 ふたりのモヤモヤ その2
夕食はオージービーフ専門のステーキハウスだった。
バイキング形式である。
翔とひろこが席を外した時、
タカヒトがカナに言った。
「こんな言い方失礼だと思うんだけどさ。」
「何よ?」
「翔さんってひろこさんに馴れ馴れしくない?」
「・・・馴れ馴れしいと言われるとムカつくけど、
言わんとしていることは、分かるわよ。」
カナがムッとしながら応えた。
「あの二人、元彼、元カノ感を出しすぎてる。」
「二人の間でしか成立しないやり取りが多い!」
「付き合い長いのは仕方ないけど・・・・」
納得の行かない二人がぶつぶつ言っていたが、
翔たちが戻ってきたので、ストップした。
四人は肉に集中していたが、
カナとタカヒトの二人は、内心穏やかではなかった。