滋賀心理カウンセリングです。
今は米原での面談をしていますが、米原に来る以前のカウンセリング実例なんですが
約9ヶ月前でしょうか。
彦根くん(仮)24歳がお母さんに連れられて来てくれました。
内容としては
『彦根くんは彼女と結婚したい。子供も欲しい。でも知人/友人/身内の全員が反対している。なので説得してほしい』というものでした。
私「納得させるとは、誰を?」
彦根くん「お母さんを。みんなを説得して祝福してもらえるようになりたいんです」
お母さん「彦根を説得してください。違う相手を探してほしいんです」
※ふふふ。まさか彦根くんの名前が名字じゃなく下の名前とはビックリですね。まぁ便宜上だけのことでどっちでもいいので進めます。
私「あー、なるほど。お互いを納得させたいんですね。それでみんなの代表でお母さんが来たと」
お母さん「そうなんです」
私「なんでそんなに反対なんでしょう?24歳ならもういい大人だし好きにさせてあげてもいいような気もしますけど」
彦根くん「そうでしょ!?」
お母さん「いや、それはそうなんですけれども・・・」
私「大丈夫、なんとなくわかります。お母さんだけがなんとなく反対ってことならともかく、知人/友人/身内の全員が反対ってことは余程でしょうから想像がつきますよ」
お母さん「そ、そうですか」
私「じゃあ、頭ごなしに意見もできないので、彦根くんに彼女の紹介をしてもらいます?どんな彼女ですか?」
彦根くん「はい。えーっと、年は26歳で2つ上です。仕事は今してなくて、実家に住んでます。僕も彼女もすぐにでも結婚したいって考えてて、なので生活も変わるだろうからって仕事は探してない状態です」
私「ふむふむ。彼女が仕事をしてないのはいつから?」
彦根くん「たぶん、1年ぐらいかな?あ、付き合って今で4ヶ月です」
私「えっ、じゃあ付き合いだした時から仕事してないってことやんね?なのに『結婚して生活が変わるだろうから』って?」
彦根くん「はい」
私「???」
お母さん「・・・・・」
私「知り合ったのはいつですか?どういう知り合い方?」
彦根くん「マッチングアプリです。4ヶ月前ですね」
私「4ヶ月前に知り合って、付き合って4ヶ月で、彼女は働いてなくて実家に住んでるけど、もう結婚を考えてる?」
彦根くん「はい!」
お母さん「・・・・・」
私「じゃあ、安心材料が欲しいので聞くね。彼女は26歳ってことは、例えば一番早い高校一年生でバイトできるようになってからで言うと長いよね。この1年間は働いてないにしても今までにじゅうぶん貯金できるだけの期間があったと思うんやけど、彼女の貯金額は聞いた?」
彦根くん「はい!聞いて知ってます!」
私「その金額、聞いてもいい?知ったらお母さんも納得しやすいと思うんよ」
彦根くん「はい。あー、えっと、ゼロですね」
私「えっ、ゼロ?あー、そっか。それ貯金あるって言わんけどね」
彦根くん「でもそれって、正直に言ってくれてるってことじゃないですか?」
私「あー、うーん」
お母さん「先生ちょっといいですか?」
私「はい、お母さんどうぞ」
お母さん「貯金ゼロなのは私も知ってたんですけどね、そうじゃないんですよ」
私「そうじゃないとは?」
お母さん「この子、彼女に15万円ぐらい貸してるんですよ」
私「あ、そうなんですか」
彦根くん「15万じゃなくて25万な」
私「え、24歳の彦根くんが2つ年上の彼女に25万も貸してるん?ほんで彼女は実家に住んでて少なくとも1年間は働いてないん?マジで?」
彦根くん「いや、実は昨日また5万円貸したんで、30万円ですね」
お母さん「アンタ・・・・・!」
私「30万円って、24歳が貸す金額じゃないよ。しかも彼女に。それホンマに彼女?」
彦根くん「彼女ですよ!子供も欲しいし、長浜で一緒に住もうって話もしてて、いつ引っ越す?って感じなんですよ」
私「長浜で一緒に住むの?彼女は今どこ?」
彦根くん「長浜です」
私「彦根くんは?」
彦根くん「近江八幡です」
私「じゃあ彼女の地元で実家の近くに部屋を借りるってことやね?それ全部、彦根くんが合わせてるね」
彦根くん「まぁ、そういえばそうですね」
私「いつから一緒に住もうと思ってるん?」
彦根くん「いつでもいいと思ってます」
私「仕事は?」
彦根くん「辞めて長浜で探します」
私「部屋を借りる費用は?引っ越し費用は?家具も揃えようと思ったら50万とか要るよね?」
彦根くん「あ、僕が出します」
私「えっ、彼女は?まぁ貯金ないって状態にしても」
お母さん「先生ちょっといいですか?」
私「あ、またお母さん、どうぞ」
お母さん「それがね、聞いたらね。彼女は借金があって、もうそれ以上は借りれないって言ったんですって」
私「えっ、彦根くんにだけじゃなくて他にも借金あんの?」
彦根くん「まぁ、そうみたいです」
私「・・・やめといたら?」
彦根くん「えっ、もう?」
お母さん「ほら!」
私「それはさ、一緒に住む方向で考えたら、お金に関しては全部を自分でなんとかするって覚悟してるん?」
彦根くん「いえいえ、彼女も仕事しますよ」
私「・・・・」
お母さん「・・・・」
彦根くん「でも僕からしたら問題はそれじゃないんですよ」
私「なに?」
彦根くん「彼女、浮気してて。それが嫌なんでずっと一緒におろうと思って」
私「・・・・彼女、浮気してんの?なんで知ってんの?」
彦根くん「彼女が寝てる時にスマホ見て、そしたら僕より多くLINEしてる相手がいて」
私「勝手に人のスマホ見たん・・・?」
彦根くん「いや、だって、怪しかったんですよ。なんか男の影っていうか」
お母さん「・・・・」
私「それは、彼女にズバリ聞いてみた?」
彦根くん「はい。そしたら、2年近く前からで、たまに会ったりしてる感じで」
私「えっ?マジで?彼女がそう言うたん?ホンマに?」
彦根くん「えっ?はい・・・」
お母さん「・・・・」
私「まとめるよ?彦根くんと彼女は4ヶ月前にマッチングアプリで知り合って、すぐ付き合うようになって、一緒に住みたい結婚したいねって話す仲になってて、住むなら彼女の地元の長浜で、」
彦根くん「はい」
私「彼女は、わかる範囲だけでも1年前から働いてなくて、実家暮らしで、貯金がないどころか彦根くんから30万円も借りてる上に、他にも借金があって」
彦根くん「はい」
私「なので部屋を借りるお金も、引っ越し費用も彦根くんが出すつもりで、でも2年前から別で男がいるみたい、と。こういうこと?」
彦根くん「そうですね」
私「その、別の男は何なの?」
彦根くん「なんか、会う時はいっつもスロットしてるから浮気じゃないって言ってましたけど」
私「そっか・・・」
お母さん「アンタ・・・」
彦根くん「いや、だから僕がずっと一緒にいるようになれば浮気もやめてくれると思うし、仕事もするようになってくれるんじゃないかなって、もうそういう話もしてますし」
私「いや、うーん。・・・やめといたら?」
彦根くん「えぇっ!?先生まで?なんでですか?彼女、ちゃんと頑張るようになってくれると思うんですよ。働いてた時はめっちゃ頑張ってたみたいやし」
私「いや、そういうことじゃなくてね・・・」
彦根くん「じゃあ何ですか?ハッキリ言ってくださいよ」
私「ハッキリ言っていいの?まぁ先生が言わんでも他の誰かがちゃんと言ってるやろけど」
お母さん「・・・・」
彦根くん「教えてください。納得できたら先生の言うこと聞きます」
私「うん。あのね、彦根くんはね、浮気されてないと思う。というか、」
彦根くん「えっ、浮気されてないですか?笑」
私「いやいや、喜ぶトコじゃないんよ。あのね、ゴメンやで。彦根くんが浮気相手になってるということで、本命じゃないんじゃないかな?」
お母さん「お母さんもそう思う・・・」
私「うん・・・・」
彦根くん「・・・えぇっ!うそぉ!?」
私「初めて言われたん?先生は今はじめて聞いてすぐそうかなーと思ったんやけど」
彦根くん「えっ、そんなん言われたの初めてですよ!」
私「あ、そうなん?」
お母さん「あの、今まで相手の男とか、スロットとか、2年前からとかは誰も聞いたことなかったんです・・・」
私「あ、そうなんですか。でも、それを知らなくてもみんな『やめとけよ』って言ってたんやね」
お母さん「えぇ」
私「彦根くん、先生もみんなと同じ意見で、やめときって思うよ」
彦根くん「・・・・え~、そんな。え~?」
私「うん。その彼女に頑張って惚れさせてみろ、とはならないね・・・」
彦根くん「え、でもどんな家具がいいとか、どんな車にするとか、めっちゃ仲良く話してるんですよ?」
私「うん。たぶんそれ彦根くんがお金を出さされるからやろ」
彦根くん「初めの頃は料理もしてくれたりして、良い思い出とかあるんですよ?」
私「『初めの頃は』って言ってる時点でダメやし、ハズレやろそれ・・・」
彦根くん「いや、そんなことないです、よ・・・」
お母さん「お母さんも先生と同じやで」
彦根くん「お母さんはえぇねん!」
私「・・・・」
お母さん「・・・・」
彦根くん「・・・・」
私「じゃあさ、彼女がちゃんと彦根くんに恋愛感情なり愛情を持ってくれてるかどうか、確認していったらいいやん」
彦根くん「直接ですか?」
私「いや、彦根くんにお金を出させるつもりでいるなら、直接では都合いいことしか言わんやろから、遠回しにというか。でも騙すとか嘘つくのはよくないけど」
彦根くん「彼女のスマホの浮気相手とのやり取りをもう一回ちゃんと見てみるのは?」
私「それはわかりやすく知れるからいいかもしれへんけど、でも違う。そもそも勝手に人のスマホを見るのはアカンやろ」
彦根くん「今みたいな緊急事態でもダメですか?」
私「アカンよ。論外。そんなことするヤツ、話の内容に関係なく信用できんし人としてアウトよ」
彦根くん「え、浮気してる彼女よりもですか?」
私「いや、勝ち負けじゃないやん。どっちもアカンのよ。浮気も論外やけど、どういう状態でも勝手に人のスマホ見るのはアカンのよ」
彦根くん「・・・・」
お母さん「・・・・」
彦根くん「じゃあ、どうやったら彼女の気持ちを聞けます?」
私「うーん。例えば、彦根くんが仕事でミスして、辞めることになって、収入がなくなる。当分はお金ないかも。『それでもいい?』とかかなぁ」
彦根くん「あー、なるほど」
私「まぁ、そんな確認しようとしてるような信用できない時点でやめとけって思うけどね・・・」
彦根くん「でも、自分で納得できるまで頑張りたいですよ」
-
ということで、
それを試したということで後日また来てくれました。
彦根くん「先生、試しましたよ!僕が仕事を辞めてお金がなくなるって話!」
私「うん、どうなった?」
彦根くん「ほぼフラれました!『お金ないんなら一緒に住むのも無理やんな』って」
私「それはフラれてるん?」
彦根くん「なんか、会うきっかけとか理由がない感じになってしまったというか」
私「ん?会いたいん?」
彦根くん「そりゃ、彼女ですから・・・」
私「いやいや、何を照れてんねん笑。金目当てで遊ばれてたのが確認できたんじゃないん?」
彦根くん「えっ、そうなるんですか?」
私「だって、お金ないって言った途端に『ほなもうえぇわ』みたいに言われたんやろ?」
彦根くん「あ、そうですね。ホンマや。そうですね」
私「・・・・そやろ?」
彦根くん「先生ここからどうやったら結婚できます?」
私「え、なんで?なんで結婚したいん?」
彦根くん「だって、仲良かった時の感じとか、まだそんなに昔の話じゃないし」
私「いやいや、やめとけ言うてんねんで?目を覚ませって言うてるんやで?笑」
彦根くん「いや!先生まだ納得できてないんで僕がんばりますよ!」
私「いや違う違う・・・」
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という話をしたのが9ヶ月ほど前ですね。
それから音沙汰なく、忘れた頃にまた予約があり来てくれました。
先週のことです。
私「久しぶりやね!元気やった?」
彦根くん「それが先生、聞いてくださいよ~」
私「どしたん?」
彦根くん「あれからまだ彼女に頑張ってたんですけどね」
私「うん」
彦根くん「借金できるだけ借金して、合計150万円を貸した状態になって」
私「えぇっ!」
彦根くん「しかも最後には彼氏が出てきて、ボコボコにシバかれたんです・・・」
私「えぇっ!」
彦根くん「それで、病んでしまって仕事も辞めて、この2ヶ月ぐらい実家に引き籠ってて・・・」
私「・・・・」
彦根くん「お父さんに『えぇかげんにせぇよ!』って追い出される状態で、お母さんに先生のトコ行ってこいって言われて、来たんです~」
私「そうなんか~。ほらなぁ、だからやめとけって何回も言うたやろ?」
彦根くん「僕めっちゃかわいそうじゃないですか?」
私「全然やなぁ。まったくかわいそうじゃないなぁ」
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ということで、
また『だから言うたやん』でした。
なんかこういう話が増えてる気がするなーと思った今日この頃でした。
ちなみに今日現在、同じような『その相手はやめとけ』の恋愛話してる状態が2件あります。
心配で心配で、結構ズバズバ言って引き留めようとするんですが、ダメですね。
そういう時期は突っ走るしかできないようで止まりません。
知った時点でなんとかしてあげたいんですが、難しいものです。
滋賀心理カウンセリングでした。