今年、初めてたけのこを買いました。


友達のブログで、「たけのこを煮て一晩冷まし皮をむいたらいい香り・・・」というのが頭に残ったまま、

食欲も作る気力もなく立ち寄った八百屋さんでみつけた熊本産タケノコを、つい手にとっていました。


ゆであがったときの香りを想像したら、急に食欲も出てきた(笑)

でも、その日の夕食にすぐにたけのこは使えないので、冷蔵庫にあった材料で親子丼を作りました。


夕食後、さて、たけのこの下ごしらえです。


八百屋さんで下ゆでに必要な糠(ぬか)ももらったので準備オッケーだけれど、

かなり久しぶりのタケノコなので、失敗しないようにちゃんと調べよう・・・いつもの、アノ本で。


渋谷歳時記 渋谷歳時記


いまや、レシピ検索のときにもネットを使うけれど、私はこのSHUN COOKINGを愛用しています。

社会人なりたてのころ、会社の千趣会(ベルメゾン )で毎月購入していた料理本。


渋谷歳時記

1月から12月と月別の冊子、その月に応じた旬の食材と下ごしらえの方法などが特集されています。

あとは、1ヶ月のお献立案とレシピがのっています。なによりも旬の食材がよくわかるので重宝します。



たけのこは、予想通り4月号にちゃんと載ってました。どれどれ・・・。


穂先を切り落とし皮の表面にタテに切り込みを入れ(火の通りを促す)、

糠を入れて1kgあたり1時間程度茹でたら、お湯が冷めるまでそのままにして水洗い。


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下ごしらえ、完了!確かに皮をむくときの香りは、水煮したものを買う比ではなかった~。

たけのこ大好きなダーリンは、大喜びです。たけのこ尽くしの献立、考えよう。


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たけのこといえば、母方の実家を思い出します。

同じ福井県ですが、京都に近く福井市とは文化圏の違うこの場所が私はとても好きでした。


山間部の小さな村で、山から沸き出た水があちこちを流れていて、母屋と離れの間も小川がありました。

庭の池は天然の湧き水が出るためイワナの稚魚を放すと育つし、庭にも沢蟹がいるほど。


手や顔、野菜を洗うのは小川の水だったし、その川のせせらぎが年中子守唄がわりでした。

スイカやトマトは川や池で冷やして食べ、七輪で炙ったサバやシイタケの味はここで覚えました。


そんな田舎へ、父の気が向くと連絡もせず、車で2時間ほどドライブがてら出掛けたものでした。

田舎の祖父母は、たいてい家かたんぼか畑にいて、歓迎してくれました。


そして、急な来訪で私たちに持たせる土産がないということになり、近所に借り出されます。


春はぜんまいや蕗を摘みに、夏は少し離れた山のなかの畑に野菜やスイカを採りに、

秋ならたんぼの中の柿の木にのぼって箱いっぱいの柿の実を採りに(笑)


たけのこも、すぐ裏の山にクワを持って出掛けます。普段はシイタケのほだ木がある場所。

わいわい言いながら掘り出したのを段ボールいっぱい持ち帰ったものです。シイタケ狩りも楽しかった。


たけのこも山菜も、福井へ持ち帰ったあとのことは、母と祖父母がやっていたので、

私は、一人暮らしを始めるまでその下処理方法を知らず、本で覚えたのでした。


祖父母は亡くなり、もう10年は行っていない、田舎の山里(小学校は分校でした!)。

わたしの、たくさんある"心のふるさと"の中のひとつ。今もそのままかしら・・・。


あの頃、めんどうだなあ・・・と思いつつ、祖父母と出掛けた山の中で自ら採ったあれこれ、

山菜、野菜、たけのこ、シイタケ、柿、イワナも何もかも、今やお店で買うしかないんですよね。


都会暮らしで当然なんだけれど・・・今更ながら、あの頃の体験が貴重だったなあと思うのでした。



オマケ


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同じ八百屋さんで、シイタケが3パック30円で投売りされてました。岩手県産です。

買って帰り2パック分は干しシイタケにしようとスライスしたら、身の厚い良質のシイタケでした。


子どもの頃嫌いだったシイタケでしたが、田舎で七輪の火であぶって醤油で食べたらおいしくて!

それ以来、給食のおいしくないシイタケも大丈夫になりました。