帰り道で
いつも通り
笑顔がふたつ
何も言わない
何も言えない
あんな事があったのに笑うから
確かにある今日を
確かにある一瞬を
悲しい程
愛しく思う
たまに顔を出す沈黙が
耳元で騒ぎだす
まるで次に出す言葉で
賭けをしている様に
見慣れたはずの横顔が
初めて見た様にきらめいて
傷付いたその時を
近くで見ていた
この目の前でだって
笑おうとするんだね
触れないのが思いやり
そういう場合もあるけど
我ながら卑怯な言い訳だね
痛みを知るのがただ怖いだけ
下校時刻のチャイムが遠く
あの公園の前で
また明日
じゃあね
思い出のそれを横切って
やっぱり振り向いたら
誰もいないベンチに
幸せそうないつかの二人
あなたのあの笑顔が
あなたの心を隠していた
あの瞳の向こう側は
きっとそうだ
悲しい夕立
あなたのその呼吸が
あなたを何度責めただろう
それでも続く今日を
笑う前に
抱きしめて欲しい
太陽のような
あなたの笑顔を
この目に焼き付けたら
消えないように
目を閉じる
開けると消える気がしたよ
消えると離れる気がしたよ
二人の明日が消えないよう
そっと瞳を閉じるんだ
二人が離れてしまわぬよう
そっと瞳を閉じるんだ