伊坂幸太郎さんの作品のタイトルです。

 

ハードボイルドな作品を多く読んでるせいか、今まで読んだ伊坂作品とは、ずいぶん違う感じがしました。

 

『あらすじ:星野一彦の最後の願いは何者かに<あのバス>で連れていかれる前に、5人の恋人たちに別れを告げること。そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気」「上品」_これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。なんとも不思議な数週間を描くおかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー。』

 

2股どころか5股もかけているうえ、多額の借金を抱えているだらしない男・星野一彦。

 

そのせいで、地獄のような生活を送ることになるらしい<あるバス>に乗せられることになったのですが、結局、最後までバスの正体、行き先は描かれていませんでした。

 

星野は繭美を連れて、一人ずつ恋人を訪ねては別れを告げていくのですが、その別れ方を見ているうちに、なんだか憎めないキャラに思えてくるから不思議。

 

見張り役の繭美も、一彦の結婚相手という設定で別れる手助けをするのですが、女性たちに対して口も態度もとにかく悪い。

それなのに、これまただんだんと愛すべきキャラに思えてくるんです。

 

行動を共にしていくうち、最高、最強のコンビとなった二人。ネタバレになりますが、

果たして繭美は一彦を<あのバス>から救えるのか?

というところで終わってます。

 

さて、この「バイバイ、ブラックバード」は、とある作品がもとになっているそうです。

 

太宰治の遺作となった「グッド・バイ」。


昭和23年(1948年)3月初め、朝日新聞社から連載小説の依頼を受け、その連載小説として太宰が提案したのが、この「グッド・バイ」でした。
が、その直後、「人間失格」の執筆に取りかかってしまい、未完成のまま終わってしまったのだそうです。

 

これを完結させませんか?との依頼を担当編集者から受けて、伊坂さんが筆をとったのが、この作品。

 

もとの「グッド・バイ」が気になって検索してみたら、こちら、主人公の男性はなんと5股を超える10股( ゚Д゚)

そして、繭美にあたる女性は、超美人の、大食い怪力の女性という設定でしたw

 

こういう作品の作り方もあるのですね!

 

今までの伊坂作品とは一味違う~と思ったけど、

やっぱり主人公がどこか憎めないキャラであり、別れた後に優しい気持ちが残るものでした。

 

最後まではっきり描かれてないけど、明るい結末が想像できて、やっぱり伊坂ワールドでした😊

 

次は中山七里さんの「死にゆく者の祈り」を読もうと思います!