黒沢 清 監督
出演 佐藤 健 綾瀬はるか
劇映画への移行。黒沢 清と言ったら、一般には解りにくい映画、ヨーロッパから逆輸入される監督であり、日本やハリウッドでは受け入れられない事で有名だった。 しかし、この映画で一気にその臭気を拭い去っている
全編、ほとんど劇映画であり登場人物に心理描写が入っている。あの「カリスマ」のような、人間をただ、物のように画面に映していた監督の映画術はこの映画には無く、ちゃんと人物同士の対話があり、(心)を通わせ、芝居をさせている。
清監督の原点はゴダール色であり、そもそも、ストーリー性は皆無であり、絵画的な画像、映像には直結しない音や音楽の挿入など、芝居より芸術にこだわっていた。
ホラー的要素は少し、ゴダール臭はあるものの、ゴダールの影響下にあった黒沢清はもういない。 そこには大衆受けするスピルバーグのような映画術に移行している。
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