目から鱗がぼろぼろと落ちてくるこの本。今日はいろいろなものの名前について。
イスラム教もユダヤ教というか、一神教の中から生まれてきた宗教であることから、その旧約聖書に出てくるイブラヒームと妻のハージャルの子どもであるイスマイール(イシュマエル)の子孫だと、アラブ人は思っている。当然この3つの名前は良く名付けられている。また、世界史の教科書に「イブン」という名前がやたらと出てくるが、イブンとは息子、とかその家の男子、といった意味があるイブン・バトゥータとは、バトゥータ家の男子、という意味になる。さらにイブンはアラビア語で「ビン」と今は発音されているようで、例のウサマ・ビン・ラディンという暗殺されたイスラム過激派のビンはラディン一族の男子、といった意味になるという。
日本人が「コーラン」と呼ぶイスラム教の聖典は「クルアーン」と発音するのが正確らしい。この書物では「クルアーン」で統一されている。
ムハンマドがハーシム家出身の商人で、ユダヤ教やゾロアスター教、キリスト教について熟知していたのは私の思っていたとおりだった。7世紀当時最も文明が栄えていた唐とビザンツ帝国、ササン朝ペルシャのうち、ササン(ペルシャ)朝とビザンツ(ギリシャ・ローマ)文明は隊商や航海によって知っていた。また場合によっては中国、インド(仏教)についての知見もあったかもしれない。
聖地のメッカは「マッカ」と発音されるらしく、それで統一されている。カアバ(アラビア語で立方体)神殿の巨石は隕石らしく、イブラヒームとイスマーイールが建てたとされている。
そして今回驚いたことのひとつは、「アッラー」という神の名詞は、実はアは英語で言うところのTheにあたり、ラーが神にあたるというのだ。よく、我々がアラーの神、なんていうと、その神の神ということになってしまう。また、ラーのことをアラビア語で神と呼ぶのは、当然エジプトでの呼称、ラー=神と関係があると思われる。一神教が最初に拡大させたモーセはエジプト人だったからだ。
マッカからメディナ(日本の教科書読み)に移った西暦622年がヒジュラ(聖遷)についてだが、まず、メディナは当時ヤスリブと呼ばれていて、ムハンマドがヤスリブの一部の人たちから誘われて移住してからはマディーナと呼ばれるようになったのは、「預言者の町」を短縮して町を意味するマディーナと呼ばれるようになったという。
ただ、イスラム教が誕生したのは西暦622年の10年前のラマダーン(ヒジュラ暦の第9月)にムハンマドに初めて啓示が下されたのである。
ちなみに、日本の元号は覚えにくい。今上陛下も御退位あそばされるとなると新しい元号が作られる。もはや何年前のことかよく分からなくなってしまう。私はやむなく元号ではなく西暦を使うようにしている。紀元節はあまり使われていないし、イスラム暦はもう少し世界の人たちは使っているのだろうが、まだ西暦には及ばない。結局、無念だが西暦2017年を使う。ただ、宇宙戦艦ヤマトみたいに遠い未来の話の時は、必ず「西暦」2650年と何の暦かを記さないといけないのは確かだ。
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