ジャ・ジャンクー監督作品。キネマ旬報ベスト10でよい評価を得るのでこの監督の作品を見るのが3回目だ。「長江哀歌」は長いしつまらなかった。「罪の手ざわり」は話の筋すら忘れてしまっていた。現代中国人の悲哀を描くのが得意な監督だ。
舞台は2000年代初めと2014年、そして2025年の現在、過去、未来を描く。日本とオーストラリアも製作に協力している。はじめにオフィスキタノが製作に携わったと出てくるので、ビートタケシがお金を出したのかもしれない。
主役は女性。やがてその夫と子供の人生も描きながら、故郷の山西省からスタートしていく。ラストの舞台はオーストラリアになる。
山西省は乾いた岩と砂のイメージで、地図を開いたところ、万里の長城のすぐ南で、かつてモンゴル族の契丹族に支配された燕雲十六州のあるところだ。鉱山が多く、夫は高山で財をなす設定になっている。
静かな音楽が全編にわたって奏でられ、日本の演歌のような曲も挿入されている。静かで、時の流れを淡々と描く手法は北野武作品との共通性を感じさせる。「HANABI」とか「キッズ・リターン」と似ているイメージだ。
この映画が今の中国人に知られて、評価されているのかはわからないが、日本のインテリが評価する中国像の描き方がこれなのだろう。
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