記号の差異に血眼になって | 柴犬カン、福の日記

柴犬カン、福の日記

柴犬カンと福、筆者の出来事、想い、政治、経済、文学、旅行、メンタルヘルス、映画、歴史、スポーツ、等について写真を載せながら日記を綴っていきます。柴犬カンは2018年12月に永眠しました。柴犬福が2020年4月7日夕方にわが家にやってきました。その成長記録。

 人間何事も、他人とどう差異を見いだし、そのレーゾンデートル(存在意義)にするか、ということにつきる。

 誰々よりも幸せ。あの人よりマシ。自分はいい方。全く同じ素材で、同じデザインでも、ブランドのタグが付いている方がなんだか気分よく感じてしまう人も多かろう。かくいう私も同様だ。タケオキクチのダウンジャケットをネットで注文してしまった。18000也。もうこれで終わりにします。ハイ。

 そんな時代が、特に大衆化社会になって、容易に他者との差異を見いだせなくなった時代に、僅かな差異に必要以上の価値を、人々が血眼になって見つけ出そうとするようになると、早い段階で予言していた人が、なくなったというニュースが流れた。フランス人のボードリヤールである。

 まだ氏が生きていたとは少しの驚きだし、まだ70代だったのには驚いた。

 平等で、貧富の差が少なく、身分の差もない時代においても、人は他者より優越しているのだ、と思いたい願望を胸の奥底に秘めているし、人によっては露骨にそれを提示してみせる。私も恥ずかしながらその口だ。

 いったいその人間の本性とはどこから発するのだろうか?エゴイズム?個性主義?ナンバーワンよりオンリーワン?生物学的な種族保存本能?その心理構造にもメスを入れたいところだ。

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仏の哲学・社会学者、ジャン・ボードリヤール氏が死去
 【パリ=島崎雅夫】独自の視点で消費社会などを批評したフランスの哲学者で社会学者のジャン・ボードリヤール氏が6日、パリの自宅で死去した。
 77歳。死因は未公表だが、長期間にわたり闘病生活を送っていた。
 1929年、仏北部ランスの農家に生まれた。パリのソルボンヌ大学でドイツ語の教授資格を取得。ドイツ語教師や翻訳家として活躍し、パリ大学ナンテール校で社会学を教えた。マルクス経済学やソシュールの言語学、記号論などをもとに社会記号学を打ち出した。
 「物の体系」(68年)や「消費社会の神話と構造」(70年)などの著作で、ブランドなどの記号に左右されがちな消費者の動向を分析して、消費社会の特質を指摘し、反響を呼んだ。91年の湾岸戦争の際の論文「湾岸戦争は起こらなかった」では、遠隔地で起きている戦争がマスメディアによって同時代の出来事として伝えられたものの、なかなか実態が把握できない「仮想現実」を描き、現代の戦争の特殊性を解説した。
 著作は他に「象徴交換と死」など50点以上。写真家としても活躍、日本でも作品展を開いた。写真論に「消滅の技法」がある。
(2007年3月7日20時34分  読売新聞)