「は・り・す・の・か・ぜー」。
短いメロディにのったその歌詞で始まるアニメがあった。
続いて、
「この番組はハリス食品の提供でお送りいたします」
と、アナウンスが流れたように思う。遠い記憶で、正確さには自信はないけど。
「ハリスの旋風」は、ちばてつや原作のマンガのアニメ化。
僕の知るかぎり2度、アニメ化されている。
最初は「ハリスの旋風(かぜ)」、二度目は「国松さまのお通りだい!」。
石田国松というはっちゃけた学生が主人公。まっすぐだから問題を起こすけれど、憎めない奴。僕が覚えているのは、国松が音楽の先生にあだ名をつける回。「三拍子」と名付けて、めでたし、めでたし。まっとうな乱暴者の学園ものアニメだ。
「ハリスの旋風」は僕が6歳くらいのときのアニメ、「国松さま~」は、中学生ぐらいのときのリメイクだったと思う。
そして、小学生の頃、僕は、この番組タイトルの「はりすのかぜ」の「かぜ=旋風」と「つむじ風」は同じなのかな、と疑問を持った。
「国松さまのお通りだい!」にリメイクされた頃から、僕はどうしてタイトルが「ハリスの旋風」から変わったのだろう、ずっと不思議だった。
それから数年、世の中のことがわかったような気になっていた僕は、こんなふうに考えていた。
主人公が石田国松だから、「国松さまのお通りだい!」が本来のタイトルなんだろうな、「ハリスの旋風」は「ハリス食品」が提供していたから、大人の事情でタイトルが変更されたのだろう。
ところが! じつは、むしろ逆。子どもの浅知恵だった。
タイトルは、マンガの時点から「ハリスの旋風」。国松が通っている学校名が「ハリス学園」で、その学園の風雲児の物語、という意味のタイトルのようだ。
「ハリス食品」と覚えていた番組の提供社の社名は、wikipedia によると「カネボウハリス」。現在の社名は「クラシエ」。「ハリスの旋風」の名前は、前もって「カネボウハリス」の許可をとっての使用だったらしい。
ちなみに、忘れていたけれど、ハリス学園の理事長の名前は、「カスタード・プリン」だとか。この辺も、カネボウハリスの出していた商品と関係があるのかな。
リメイク版が「国松さまのお通りだい!」になった理由こそ、カネボウがスポンサーから降りて、「ハリス」という言葉をつかえなくなったため、とwikipedia は述べている。
ところで、「旋風」と「つむじ風」は、同じ意味だった。
これだけは、中学時代に自分で。国語辞典だけでも調べられたからね。