「クラシックはこれを聴け」、今回はチャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」です。

バレエ「くるみ割り人形」は「眠れる森の美女」の成功に満足した、マリインスキー劇場の支配人フセヴォロシスキーの依頼により書かれました。初演は１８９２年でしたが主役のバレリーナの見せ場が少なかったことや物語上の欠点により新聞評では不評だったようです。

作品構成は以下の通りですが、演奏時間は約１時間半と他の２作に比べると圧倒的に短くなっています。

・第１幕

　　第１曲：情景

　　第２曲：行進曲

　　第３曲：子供たちの小ギャロップと両親の登場

　　第４番：踊りの情景

　　第５曲：情景と祖父の踊り

　　第６曲：情景（接待客の帰宅、そして夜）

　　第７曲：情景（くるみ割り人形とネズミの王様の戦い）

　　第８曲：情景（松林の踊り）

　　第９曲：雪片のワルツ

・第２幕

　　第１０曲：情景（お菓子の国と魔法の城）

　　第１１曲：情景（クララと王子の登場）

　　第１２曲：ディベルティスマン（登場人物たちの踊り）

　　第１３曲：花のワルツ

　　第１４曲：パ・ド・ドゥ

　　第１５曲：終幕のワルツとアポテオーズ

演奏会用の組曲版は、

　第１曲：小序曲

　第２曲：行進曲

　第３曲：金平糖の精の踊り

　第４曲：ロシアの踊り（トレパック）

　第５曲：アラビアの踊り

　第６曲：中国の踊り

　第７曲：葦笛の踊り

　第８曲：花のワルツ

「金平糖の精の踊り」でチャイコフスキーは発明されたばかりのチェレスタを使っていますが、チャイコフスキーがパリからこの楽器を取り寄せる際、出版会社に「他の作曲家、特にリムスキー・コルサコフとグラズノフには知られないように」という手紙を送っています。そのお陰もあってか、この曲はクラシック史上初めてチェレスタを使った曲になりました。

このバレエ組曲「くるみ割り人形」は本当に良くできた作品だと思います。「花のワルツ」が有名ですが、個人的には「アラビアの踊り」の悲しげなメロディが何とも言えません。

それでは、これも個人的な思い入れのあるカラヤンとウィーン・フィルの演奏でお聴き下さい。

最後までお付き合い、ありがとうございました。

クラシックはこれを聴け〜チャイコフスキー「くるみ割り人形」