【猫の神様と商売の神様 上下巻2冊発売記念】
プロローグ〜第一章までを特別無料公開‼︎
【猫の神様と商売の神様 上の巻】
猫の神様からの御挨拶
なぁなぁ、お前さん、お前さん。お前さんに神の声の聞き方を教えてやろうか?
あ、ワシは猫の神なんじゃがな、幸せ之助ちゃんというマブダチがおってなぁ、幸せ之助ちゃんは商売の神の声をちゃんと聞けるようになって、商売の神を味方に付け楽しく幸せに商売をしておるんじゃ。
商売の神の声をちゃんと聞けるようになるまでは、幸せ之助ちゃんも苦労しておった。
2年近く車で寝泊まりしながら1人で毎日12時間営業して年間でも5日程度しか休みを取らず働き続けにゃならん状況で、いつ店が潰れてもおかしくないドン底じゃった。
幸せ之助ちゃんもそんな状況を経験しておるんじゃが、そんな中でも神に味方される行いをコツコツ続け、神の声をちゃんと聞けるようになり、事業を軌道に乗せられたんじゃ。
幸せ之助ちゃんの店はクレープ屋さんをやっておるんじゃが、ここ10年くらいは年間200日以上ピークタイムは1時間待ち以上になっておって、過去最長8時間待ちを記録、週末ともなれば営業時間中は注文が途切れずたくさんの良いお客さんに囲まれた幸せな商売をしておる。
幸せ之助ちゃんにはお弟子さん達もおるんじゃが、お弟子さん達のお店も同じく過去最長8時間待ちの店なんじゃよ。
そういう店になる為に必要な【心の在り方】というものがある。
その心の在り方をどうやって作っていくのか、これから幸せ之助ちゃんのある1人のお弟子さんの物語として話してやろうと思っておる。
今の世の中、新型コロナに始まり、円安による物価高、人件費の高騰、キャッシュレス決済の普及による手数料の負担増など、飲食店経営にとっては厳しい環境じゃろ?
そんな中でも、長く楽しく幸せに商売を続けられる店が増えれば、世の中もっと明るくなるじゃろう。
そうなる事をワシは願っておる。
じゃからのぉ、商売をする人間皆に、開業10年以内の廃業率90%と言われる飲食業界で生き残る為の1つの方法と考え方、そして、神の声を聞いて神を味方に付ける方法を伝え、世の中に商売を通じて幸せに生きられる者が増えたら良いと思ったわけじゃ。
あ、そうそう、本当は普通の人間にはワシの声はニャーニャー猫の鳴き声にしか聞こえんのじゃが、今は特別に人間の言葉で挨拶しておる。
そういう訳で、本当はルール違反じゃから秘密じゃぞ。
では、物語を始めるとしよう。
目次
猫の神様からの御挨拶 2
プロローグ 6
第一章 弟子入りの条件 13
1、弟子をとらない理由 14
2、商売とお金のお話 18
3、背中を押してくれた恩人 21
4、正直なマスターの想い 25
5、師匠の教え 30
6、師匠からの条件 35
第二章 商売の6つの基本 39
1、修行の始まり 40
2、話題性よりももっと大事な事 45
3、じ〜ちゃんの名にかけて! 49
4、個性の見つけ方と磨き方 52
5、ハニ丸埋蔵金 55
6、ボクの中にあるハニ丸埋蔵金の探知機 58
7、脳内物質アセチルコリン 63
8、未熟者のプロとしてあるべき姿 69
9、良い子は真似しちゃダメだよ! 74
10、商売の6つの基本の大切さ 78
11、心のアンテナとワクワク探知機 83
12、本当のスタートライン 86
第三章 スタートライン 90
1、野良猫のクレープ、オープン‼︎ 91
2、初日の振り返りミーティング 98
3、初日の振り返りミーティングその2 101
4、初日の営業からのお勉強1限目、心の余裕 104
5、初日の営業からのお勉強2限目、笑顔 107
6、初日の営業からのお勉強3限目、客観視 110
7、初日の営業からのお勉強4限目、心のアンテナ 113
8、突然の別れ 117
9、宿題 121
第四章 ピッカピカの個性探しへの旅立ち 123
1、師匠たちとの再会 124
2、再会した夜 128
3、食事中のお話 132
4、宿題の意味 136
5、嫌な事から拾えるニーズ 140
6、自分に合ったニーズを見つけ出す魔法 143
7、魔法の効果 147
8、さらに魔法の効果を高める幸せメガネ 150
9、2年目の課題 153
10、その後の半年間 157
【猫の神様と商売の神様】
ご購入特別特典 162
キッチンカー仲間の紹介 164
プロローグ
「どうかボクを弟子にしてください!お願いします!」
「もうお弟子さんは取らない事にしてるので、全力でお断りします!」
「そこを何とか、お願いします!お願いします!」
「やだやだやだやだぁ〜!」
これがボクとちょっと変な師匠との関係の始まりだった。
ボクはハニ丸。
将来自分のカフェを持つ事を目標に、田舎町の小さなカフェで勉強がてらバイトをしている25歳。
カフェの仕事にも慣れ漠然とこの先どうしようかと考え始めた冬のある日の夜、ディナータイムのラストオーダーの時間の少し前にお店のドアが開き2人組の男女がそこに立っていた。
30台前半〜半ばに見える2人はお揃いの格好で表情もニコニコしていて、とても仲が良さそうなカップルに見える。
ハニ丸「いらっしゃいませ。2名様ですか?」
綺麗でしっかり者な雰囲気の女性が笑顔で答えてくれた。
女性「はい2人です。まだお食事大丈夫ですか?」
ハニ丸「21時ラストオーダーなので間もなくですが、それでもよろしいですか?」
女性「ありがとうございます。それで大丈夫です。いいよね?ん?あれ?」
後ろに立っていたはずの男性に向かって同意を求めようと振り返った女性だったが、いつの間にか男性の姿が見当たらない。
車に忘れ物でも取りに行ったのかと思ったが、それからすぐに戻ってきた2人のやり取りで忘れ物以外の理由だったと判明した。
女性「忘れ物?」
男性「違うよ。視線を感じて外の方を見たら黒猫さんがジ〜って見てたの。だからお話しに外に出てたんだ。」
女性「そう、黒猫さんいたんだ。会えて良かったね。21時オーダーストップでまだ大丈夫だって。いいよね?」
男性「うん。」
声も可愛らしく話し方も幼い感じの男性で、小さな子供じゃあるまいしというような理由だったが、女性の慣れた対応からしていつもの事のようだと感じた。
ハニ丸「それではこちらのお席へどうぞ。」
4人がけの少し広めのテーブルを案内すると、嬉しそうに2人横並びで座った。
時間を気にしながらもメニューを隅々まで2人で楽しそうに見て、料理を運ぶと2人で手を合わせて「いただきます」と言って、運んだ料理も幸せがだだ漏れした至福の表情を浮かべながら食べてくれていた。
食べ終わるとまた2人で手を合わせ「ごちそうさまでした。」と言って、食器も片付けやすいようにまとめて席を立ち、女性が支払いを済ませ「美味しかったです。また来ます。」と2人でペコっと頭を下げて楽しそうに帰って行った。
飲食店側としては、終始感じの良い気持ちの良いお客様だ。
その日から毎晩のように2人で通ってくれるようになり、少しずつ仲良くなって会話をするようになった。
付き合いたてのカップルのような雰囲気に見えたが実は2人は夫婦で、旦那さんは幸せ之助さん、奥さんはリナさん、ボクはハニ丸くんと呼び合うようになった。
ちなみに、幸せ之助さんはリナさんを「リナちゃん」と呼び、リナさんは幸せ之助さんを「ノスケくん」と呼んでいる。
ボクは将来の夢の為にカフェで働いている事を話し、幸せ之助さん夫婦は仕事の都合で最近この町に来た事、仕事終わりに美味しい物を食べるのが夫婦の楽しみである事、2人共40代で10歳くらい若く見られる事、幸せ之助さんは猫が好きである事などを話してくれた。
そして、猫好きの幸せ之助さんは特に野良猫が好きらしく、熱く野良猫愛を語っていた。
幸せ之助「ハニ丸くん、ボクは野良猫さんをとってもリスペクトしているんだよ。野良猫さんはさぁ、飼い猫ちゃんと違ってエサもらえないんだよね。お腹が空くとその辺で食べれそうな物を一生懸命に探して、それが生き物だったとしたら物音をよ〜く聞いて、動きをよ〜く見て、シャって捕まえるの。ポケ〜っとしてたらご飯にありつけないんだよ。そんな過酷な自然界の中を生きながら、好きな時に好きな所へ行ってぬくぬく日向ぼっこしたり、お友達とジャレあったり、したい事して猫生を満喫してるの。猫じゃらしとかブンブン振り回してもさぁ、クルクルって身体の向きを合わせて順応に反応するし、凄いよね。何か嫌な事があったって他の猫のせいになんかしてられない。変な先入観を持たずにその場その場で判断して、全部自分の責任で生きてるんだよ。自分の死期が近づいてくると誰にも見られないように姿を消すのも、自分の事を本当によく分かってるんだよね。それから、いつどこに行けば会えるっていう存在じゃないの。この広い世界でたまたま出会う野良猫さんは、野良猫さんがそこに居てくれてこそ会えるんだよ。だからね、野良猫さんとの出会いは奇跡と言っても過言ではない尊いものなんだよ。大切な出会いなんだよ。」
おっしゃる事は素晴らしいとは思うけれども、ちょっと変な人なのは確かだ。
その頃からお店の常連さんたちの間でキッチンカーのクレープ屋さんが話題になっていた。
どうやら仲良し夫婦で日本各地を回っているキッチンカーのクレープ屋さんがボクの町に来ていて人気になっているようだ。
どちらかと言うと甘い物が苦手なボクはクレープにはあまり興味が無かったが、来る人来る人「メチャクチャ美味しい!」と口を揃えて言っていて、「甘いクレープだけじゃなくて、サラダ系のしょっぱい系のクレープもあって、それが特にオススメなんだって。」という常連さんの情報に少し興味が湧き、近くのスーパーに出店しているようなのでランチタイムの後の休憩時間に行ってみる事にした。
スーパーの駐車場に着くと、ボクは目の前の光景に唖然とした。
見た事も無いようなカッコいいディズニーランドで見るようなクラシックカーが停まっていて、キッチンカーの周りに人だかりができている。
人口の少ない田舎と言われるこの町では見た事の無い光景だった。
吸い込まれるようにキッチンカーに近づいていくと、楽しそうにメニューを見ているお客さんの声と共に耳を疑う声が聞こえてきた。
お客さん「今2時間待ちだって、どうする?」
ハニ丸『!?』
そして、キッチンカーの注文口に出ているPOPを見て今度は自分の目を疑った。
「ただいま2時間待ち」
ハニ丸『マジか!?ディズニーランドじゃあるまいし!?でも、それだけ美味しいって事か?今日のティータイムはマスターが任されてくれててディナータイムまでに戻ればいいし、食べてみたいから注文だけして後で取りに来よう。』
とりあえず注文する事にしたボクは、メニューを選ぼうとメニュー表に目を向けてまた目を疑った。
ハニ丸『え?え?メチャクチャいっぱいある!100種類、いやもっとメニューがある!?しかもオススメ人気ランキング1位ハムエッグチーズカレー、2位生ハムと玉子のイタリアンサラダ!?甘いクレープじゃない!こんなクレープ屋さん初めて見た!でも、甘い物が苦手なボクにはありがたい。しかも、写真を見る限りメチャクチャ美味しそう!よし、1位のハムエッグチーズカレーにしてみよう!』
他のお客さん達がメニューを選んでいる中、ちょうど注文口が空いていたのでボクは注文口の前に立ち後ろを向いて作業をしている女性のスタッフさんに声を掛けた。
ハニ丸「すみませーん、注文いいですか?」
すると、中にもう1人いた男性のスタッフさんがチラッと顔を向け声を発した。
男性「あっ、ハニ丸くん。」
その声に反応して振り返った女性のスタッフさん。
女性「あーこんにちはぁ!ハニ丸くん来てくれたんだぁ。ご来店ありがとうございます。」
読者の皆さんが御察しの通り、そこにいたのは幸せ之助さんとリナさんだった。
ボクにとっては驚きの展開だったが、恐ろしいほど忙しそうなこの状況を察してササっと軽い挨拶と注文を済ませ、ボクは2時間後の仕上がりを待つ事にした。
駐車場に停めた自分の車の中でしばらく様子を見ていても、次から次へと注文をする人とクレープを受け取りに来る人が絶えない。
時間はたっぷりあるのでネットで「幸せのクレープ」と幸せ之助さんのお店を調べてみたところ、過去最長待ち時間8時間、どこへ行っても1時間待ち2時間待ちも珍しくないとんでもない人気店という事が判明し、他にも何台かあるお弟子さんのお店も同じような人気店として各地で話題になっていた。
思いがけない出会いと展開に困惑しつつ、今まで気にもしなかったキッチンカーについて興味が湧いてきたボクだった。
そして、こんな事を考え始めた。
ハニ丸『カフェの仕事もひと通り分かってきたし、最終的な夢がカフェ経営だとしても今のバイト代じゃ開業資金を貯めるのに何年かかるか分からない。これまで貯めたお金もカフェ開業にはまたまだ足りないけど、キッチンカーを買うつもりならもう1年2年のうちには買えそうだし、経営の勉強しながらキッチンカーやって幸せ之助さんのお店みたいに人気が出ればお金も貯まるに違いない。今まで考えた事も無かったから分からない事だらけだけど、また幸せ之助さんとリナさんがカフェに来てくれた時にキッチンカーの事を聞いてみようかな。』
その後も中古車のキッチンカーをネットで見ながら時間まで待ち、仕上がりの時間になったので幸せ之助さんとリナさんのキッチンカーへとクレープを受け取りに行った。
ちょうどリナさんが仕上がったクレープを紙に包んでくれているタイミングだった。
リナ「ハニ丸くん、お待たせしましたぁ。ちょうど今出来上がったところだよ。はい、どうぞ。ありがとうございます。」
幸せ之助「ハニ丸くん、ありがとうございます。また夜お店行くね。」
ハニ丸「幸せ之助さん、リナさん、ありがとうございます。じゃあ、また夜にお店でお待ちしてます。」
受け取ったクレープの仕上がりの美しさと美味しそうな見た目にまたもや目を疑いつつ、ボクは車に戻って早速クレープを食べ始めた。
ハニ丸『!?』
クレープをひと口かじったボクは衝撃を受けた!
ハニ丸『何これ!?メチャクチャ美味しい!こんなクレープ初めて食べた!』
言い方は悪いが所詮クレープと思っていたボクの想像を遙かに超える美味しさで、ボクは夢中でクレープを口に運びあっという間に食べ終わってしまった。
ハニ丸『思ってたより食べ応えはあったけど、もっと食べたいな。』
そんな事を思いつつ、相変わらずお客さんが絶えないみたいなので、さらに2時間待つ余裕はなくバイト先のカフェへと向かった。
カフェに戻ってディナータイムのバイト中も、キッチンカーの事を考えてワクワクニヤニヤが止まらなくなってしまい、マスターに変な人扱いされながら幸せ之助さん夫婦が来るのを待ち侘びるボクだった。
そして、ラストオーダーの時間が迫った頃、ボクの待ち侘びていたお客様が入店してきた。
リナ「こんばんは。」
幸せ之助「こんばん、ニャ〜〜〜!!」
仲良くなって気心が知れてきてから、幸せ之助さんの入店の挨拶は決まってコレだ。
ここ最近のボクはそれに合わせて「はい、こんばんニャ。いらっしゃいませ。」と2人をお迎えするのがお決まりになっていたが、この時ばかりは昼間からのワクワクと興奮が冷めやらず幸せ之助さんの姿を見るなり勢い余って想いが口に出てしまった。
ハニ丸「どうかボクを弟子にしてください!お願いします!」
このボクの勢い任せのひと言が、ちょっと変な師匠との師弟関係と、商売を学ぶ不思議な体験の始まりとなったのである。
第一章 弟子入りの条件
1、弟子をとらない理由
ハニ丸「どうかボクを弟子にしてください!お願いします!」
幸せ之助「もうお弟子さんは取らない事にしてるので、全力でお断りします!」
ハニ丸「そこを何とか、お願いします!お願いします!」
幸せ之助「やだやだやだやだぁ〜!」
ハニ丸「やだくないやだくないやだくな〜い!ね、師匠!」
幸せ之助「チミに師匠と呼ばれる筋合いはな〜い!やだぁ〜!」
ヒートアップしていくボクと幸せ之助さんの間にしっかり者のリナさんが仲裁に入った。
リナ「まぁまぁ2人とも落ち着いて。そんなに大きな声出してたら他のお客様やお店の迷惑よ。ね、マスター。」
マスター「そ、そうだね。他のお客様がいたら、きっと迷惑になってしまうね。お客様、、いないんだけどね。」
最近夜のお客様の引きが早くてマスターが気にしているのをボクは知っていた。
リナ「あ、なんかゴメンナサイ。でも、ほら、オーダーストップの時間になっちゃうし、とりあえず座りましょ。お腹も空いてるし。」
ボクも昼間の興奮の勢いで思いもよらず出てしまった言葉だったのもあり、リナさんの仲裁と思いかけずしょんぼりしたマスターの姿を見て我に返り少し反省した。
ボクが注文を聞きに行ったり料理をテーブルに運ぶたびに、幸せ之助さんは縄張り争いしてる猫みたいにキーキー言って睨みつけて御機嫌ななめだったが、ラテアートで猫を描いてあげたら機嫌を直してくれた。
マスターが気を利かせてくれて、閉店後のお店で少し幸せ之助さん夫婦と3人でお話をさせてもらえる事になった。
ボクは幸せ之助さんとリナさんのキッチンカーに行った時の興奮と感動を伝え、それからキッチンカー経営に興味を持った事を2人に話した。
そして、何より2人の作ってくれたクレープの美味しさに魅了され、ボクも誰かにあの感動を味わってもらえるような食べ物を作れるようになりたいという想いを伝え、それが勢い余って弟子入り懇願のあのひと言に繋がったと説明した。
リナ「なるほどね。私たちのお店に来てそんなふうに思ってくれたなんて、とっても嬉しい。本当にありがとう。ハニ丸くんの将来の夢に対する強い気持ちも伝わったわ。でも、これまで何十人かお弟子さんを取って教えてきたけど、もうお弟子さんは取らないつもりなの。」
幸せ之助「うん、ハニ丸くんの気持ちは伝わったけど、お弟子さんはもう取らないのでゴメンナサイ。」
ハニ丸「お弟子さんを取らないっていうのは、何か理由があるんですか?なんか幸せ之助さんがモーレツに嫌がってたように見えたんですけど。」
ボクは自分が感じた違和感をそのまま伝えてみた。
リナ「それはね、簡単に言ってしまうと自分たちは自分たちのお店に専念して、お客様1人1人とちゃんと向き合ってお店をやってるのが1番楽しいからなの。」
幸せ之助「ボクたちがお弟子さんたちに教えてたのって、お店増やしたいとかお金儲けの為じゃなくて、あちこち各地にいるお客様の為にって始めた事だったんだよ。日本全国回ろうと思ってやってたから、行った先々でたくさんのお客様がまた次いつ来てくれるかって待っててくれるけど、何年も先になっちゃったり1度きりになっちゃう所もある。そういうお客様がいつでも食べれるようにってお弟子さんを取ってお店を残していこうとしてたの。でもね、食べ物ってレシピがあるようで無いの。どれだけ教えても、作る人によって違ってきちゃうものなの。お弟子さんのお店に行ってくれても何か違ったってお客様が必ずいるの。それって、うちのお店のクレープを食べにわざわざ足を運んでくれてお金払ってクレープを食べてくれたお客様に申し訳ないなって感じちゃったんだよ。でも、作る人によって違ってくるっていうのは悪い事でもないよ。それがそのお店の個性になっていく可能性でもあるからね。それに、人の真似じゃなくて、自分らしさを追求していく方が絶対に楽しいと思うの。だから、ボクのお店のやり方そのままを教える為にお弟子さんを取るのはもうしない事にしたんだ。それで、ボクたちと同じ気持ちでお客様の期待に応えられるお弟子さんには看板を貸して、それ以外のお弟子さんたちには自分たちのお店でやってもらう事にしたんだ。それにね、お弟子さんを育てるのってものすごく大変なの。教える為に自分のお店の事を二の次にして時間を取らないといけないし、売れるようにしてあげたいから自分たちの売れる出店先を回したり、お金の問題じゃないんだけど自分たちの利益のうち年間500万円くらいは削る事になるんだよ。」
ハニ丸「ご、ご、ご、500万円!?」
リナ「うん、まぁ、教え方にもよるけど、うちの場合はうちのお店のやり方を完璧に教えようと1年2年修行してもらうやり方で、その間収入無しで修行を受けれる人なんていないから社員として雇い入れてお給料も出してたんだよね。形だけ似たような物を作れるようにして店舗増やして儲けようっていうなら別だけど、来てくれるお客様を裏切らないクオリティーまで教えるとなるとお金も時間がかかるのは仕方ないと思う。」
ハニ丸「なるほどぉ、そういう訳なんですね。なんか、分かる気がします。レシピはあるようで無いっていうのも、ボクが淹れるコーヒーとマスターの淹れるコーヒーで全然違うし、賄い用に作るオムライスもマスターに教わったお店のレシピ通り作ってもやっぱり違っちゃうんですよね。あんなに美味しいクレープを作るとなれば難しそうですし、お2人があのクオリティーを大切にする気持ちもよく分かります。」
リナ「そうは言っても始めに言ったように、やっぱり1番は自分たちが自分たちのお店に来てくれるお客様と向き合う時間が減っちゃうのが嫌で、お客様とのやり取りが楽しいって事なんだけどね。」
幸せ之助「そうそう。お店を続けていく為にはもちろん利益を出さなきゃダメなんだけど、それもやってる自分たちと楽しみにしてくれているお客様の為。自分たちとお客様たちの幸せが続くだけのお金があれば、それで充分っていうのがボクたちの価値観なんだ。」
幸せ之助さんとリナさんの話の内容と、キッチンカーでのお店の様子、毎日お店に来てくれる時のニコニコ2人で楽しそうにしている様子から、お弟子さんを取らずに2人でキッチンカーをやっている今の状況が2人にとっての幸せなのだとボクは感じ取った。
ハニ丸「お2人の考えがよく分かりました。それから、そうやってお客様の事を考えてる幸せ之助さんとリナさんのお店だから、あんなにお客様が集まるんだなって思いました。お金の為に商売をするみたいな考え方は違うって事ですね。」
なんとなく商売の大切な事を学んだ気がして、ボクなりに感じた事を綺麗にまとめたつもりだった。
ところが。
幸せ之助「ハニ丸くん、それは違うよ。」
ハニ丸「え?」
2、商売とお金のお話
幸せ之助「お金の為に商売をするのは違うなんてボクは言ってないよ。商売ってお金の為にするものだよ。もちろん、お金の為っていうのが最終目的ではないんだけど、お金の為にしないとしたらそれはボランティアで、商売はお金をいただいてなんぼだよ。」
ハニ丸「えっ?でも、さっきお金の為じゃないって言ってませんでしたっけ?」
幸せ之助「きっとハニ丸くんの中でお話がごっちゃになっちゃってるだけで、お弟子さんに教えてた理由はお客様の為であってお金の為じゃないってお話で、商売はお金が全てではないけどお金の為にするものだよってお話。」
ハニ丸「あ、おっしゃってる事が理解できました。ありがとうございます。」
リナ「例えば、うちが儲け関係無しで今よりずっと安くクレープを販売したとして、安く買えるのはお客様にとって嬉しいかもしれないけど、赤字が続けばお店は潰れちゃう。もしそうなったとしたら、今日うちのクレープのファンになってくれたハニ丸くんはどう思う?」
ハニ丸「嫌です!潰れちゃってもう食べられなくなっちゃうくらいなら、安くしてもらうよりちゃんとお金取って欲しいです!だってあんなに美味しいクレープ他じゃ食べられないし、今の値段でも全然高いなんて思わないですもん!」
リナさんからの質問の状況を想像しただけなのに、必死になってその状況を拒否している自分に気がつきボクはハッとした。
ハニ丸「お店のファンになってくれたようなお客様からしたらお店が潰れちゃう事が1番嫌な事で、そうならない為にはお金が必ず必要です。お店がちゃんと続いていてこそ食べに行く事ができるし、ボクが今日体験したワクワクや感動や興奮するような喜びを感じる事に繋がります。だから、お金の為っていうのが最終的な目標じゃないけどお金の為に商売をする、そして、商売の最終目的はお客様に喜んでもらう事、そういう解釈で合ってますか?」
リナ「だいぶ正解に近いけど、きっとお師匠さんはまだ100点満点はくれないんじゃないかなぁ?ね、ノスケくん。」
幸せ之助「うん、ボク、お師匠さんじゃないけどね。まだ50点だね。」
ハニ丸「まだ50点も足りないなんて、何が足りないんだろ?でも正解にはだいぶ近いんですもんね?正解に近いのにまだ50点て、幸せ之助さん採点間違ってません?」
幸せ之助「ここのくだりで時間取りたくないから正解を教えてあげよう。商売の最終目的はお客様に喜んでもらう事じゃなくて、自分たちとお客様と取引先のみんなの幸せが最終目的なんだよ。お店を続ける為にお金が必要で25点、お客様に喜んでもらう為で25点、ハニ丸くんが獲得したのはこの合計50点。自分たちと取引先の幸せそれぞれ25点ずつを合わせた50点が足りなかった50点。ボクの採点は間違っていない。商売はみんなの幸せの為にするものだよ。」
リナ「ちなみに取引先っていうのは、仕入れ先や私たちだったら出店先だし固定店舗だったらテナントの大家さん、他には金融機関だったり仕事で車を使うならガソリンスタンドだって取引先に入るし、事業で関わる全ての会社やお店が取引先に含まれる。」
幸せ之助「お店が潰れちゃえば終わりだし、お客様の事だけを考えて自分たちや取引先が我慢してたら続かないし、自分たちの事だけ考えてたらお客様も取引先も離れていくし、取引先の事だけ考えてたら経営なんて成り立ちっこない。ちゃんとお店が長く続いて、関わる人みんなが幸せであってこそ商売は本当の意味で成り立つんだ。」
リナ「そうなるには、価値ある商品を販売して、良いサービスを提供して、お客様が喜んでお金を払ってくれるお店でいなきゃね。さっきハニ丸くんがお金払いたいって言ってくれたようなお店であり続ければ、みんなが幸せって事なの。」
そしてボクはここでまた1つ、自分の中の価値観の変化に気がついた。
ハニ丸「なんかこうやってお金の事をちゃんと考えてみたら、ボクの中のお金に対する価値観が少し変わってきました。正直、お金の為お金の為って言うと嫌らしいとか汚いイメージだったんですけど、そうじゃないんだなって。お金の為のその先にちゃんとみんなの幸せがあると思うと、なんだか余計にお金って大切な物なんだなって思えます。」
幸せ之助「お金の話を汚いって感じてる人は多いけど、それって悪い事してお金を得ようとしたりお金をたくさん持って他人を馬鹿にしたり横柄な態度を取ったり、お金そのものじゃなくて人間の問題なんだよね。商売でたくさん利益が出ればたくさん税金を納めるけど、それだって道路作ったり社会保証の為に使われるわけだし、災害があった時に義援金出したり、企業が災害ボランティアの団体に協賛で商品を届けたりするにも儲かっていてこそできる事なんだよ。それに、お金は価値を数値化してくれる便利なもので、ボクたちは普段さんざんお世話になってるんだから悪く言うのは良くない。世の中にお金ができる前は物物交換してたんだから、お金無かったら車買い行く時なんか何千何万kgってお米を車屋さんに運ばなきゃ車買えないんだよ。お金さんて有難い人なんだよ。」
ハニ丸「師匠、お金さんは人ではないですけどね。」
幸せ之助「ハニ丸くん、ボクは師匠ではないですけどね。」
リナ「まぁまぁ2人とも。そういうわけで、お金を稼ぐ為に商売をする事は何も間違ってなんかないし、お金の為じゃないなんて言う人は本当はもっと稼ぎたいけど上手くいかないのを自分の中で正当化する為に言ってたり、もしかしたら他に生活の為の収入源は持ってて本当に趣味でやってるのかもしれないわね。本業として商売をするのであればお金の為にやらなきゃダメね。」
関わる人みんなの幸せの為に商売をする、この考え方を聞いてますます商売の道へ進みたい気持ちが強くなり、幸せ之助さんとリナさんからもっと商売の話を聞きたくなってしまった。
ひと息つく為にボクは3人分のカフェラテを淹れることにした。
3、背中を押してくれた恩人
ハニ丸「はい、どうぞ。」
ボクはカフェラテを入れてテーブルに戻った。
幸せ之助「わーい、ボクのまた猫さんいるぅ♪」
リナ「ありがとう、ハニ丸くん。うちの分の伝票に付けといてね。」
ハニ丸「あ、大丈夫です。これはお金いりません。」
リナ「でも、勝手にドリンク出してマスターに後で怒られない?大丈夫?」
ハニ丸「これはボクのおごりです。ちゃんと3杯分お給料から引いてもらうようにマスターにメモ書いておきましたから大丈夫です。」
リナ「それなら遠慮なくいただくわ。いただきます。」
ボクもカフェラテをひと口飲んで語り始めた。
ハニ丸「ボクにとってマスターって第二のお父さんみたいな人なんです。だから迷惑にはなりたくなくて。ボク、本当に勉強できないバカで、ギリギリ入れた高校も中退して将来の事とかも何も考えてなくて。その頃フラッと暇つぶしにここのカフェに来てカウンターに座ってマスターに将来の夢とか聞かれたけど答えられなくて。そしたら、マスターがスッとカフェラテを出してくれたんです。それで、やりたい事見つかるまでここで働かないかって。」
リナ「そんな経緯があったんだね。あ、それでカフェをやりたいってなったってこと?」
ハニ丸「はい。マスターみたいな人になりたいなって憧れちゃって。普段物静かな控えめなマスターですけど、ボクにとっては尊敬する人でもありお父さんみたいな人でもあるんです。」
その時、急に幸せ之助さんが後ろを振り返り、お店の奥のプライベートルームの方を気にし出した。
幸せ之助「ん?なんか向こうでズズズッて音しなかった?このお店、お化けでもいる?」
ハニ丸「マスターがテレビでも見てるんですかね?ちょうどマスターが好きな商売の神様って番組やってる時間ですし。世間で商売の神様と呼ばれる成功者を紹介してる番組で、マスターそういうの好きなんですよね。」
幸せ之助「あ、リナちゃんもいつも録画してるやつだよね?情熱なんちゃらのパクリのやつ。でも、それに出てくるのは商売の神様じゃなくて、商売の神様の声が聞こえてる人なのにね。たぶん。」
リナ「パクリなんて言わないの、ノスケくん!」
幸せ之助さんの言ってる意味は分からなかったが、ボクは話を続けた。
ハニ丸「でも、さっきお話したようにボク資金稼ぎと経営の勉強を兼ねてキッチンカーやってみたいんですよね。今日こうしてお2人にお話伺って、尚更その気持ちが大きくなってきてます。でも、お2人の考えもよく分かったので弟子入りは諦めて、とりあえず自分で・・・」
この時、ボクの話を遮るように「バーン!」と大きな音が店内に響き渡った!
そして、同時に叫ぶようなおぞましい大きな声が聞こえてきた。
「あぎら、、めるなぁ〜っ!!」
続いて幸せ之助さんも叫んだ。
幸せ之助「ぎゃ〜〜〜出たぁ〜〜〜!!リナちゃ〜ん!怖いよぉ〜!」
幸せ之助さんはリナさんにしがみついてプルプルしている。
ボクとリナさんがその声の方を振り返ると、滝のような涙と鼻水をタレ流してグチャグチャになった顔をしたマスターが仁王立ちしてプルプルしていた。
マスター「ハニ丸くん、いや、我が息子みたいなハニ丸よ、簡単に諦めちゃいかん!やっとやりたい事が見つかったんだろ?その人たちから学びながら経営の道を歩み始めたいんだろ?私は知っているよ、お前はバカだけど誰よりも仕事に一生懸命な人間だと。幸せ之助さん、リナさん、確かにハニ丸は頭の悪いバカだ。どのくらいバカかと言うと、25にもなって九九もまだ言えない!それどころか足し算だって手足の指を使って20までしか足せない。」
お化けではなくマスターだと分かって平静を取り戻した幸せ之助さんが口を挟んだ。
幸せ之助「足の指も1本1本動かせるってこと?ハニ丸くん、スゴイ!!」
リナ「ノスケくん、今マスターが大事なお話してるから静かにしてようね。」
幸せ之助「は〜い。」
16歳で拾われて10年もの間一緒にいて1度も見た事の無い情熱的なマスターの姿にボクは釘付けになって、それまで聞いた事の無いマスターの魂の叫びにボクは聞き入っていた。
マスター「本当にバカだけど、根は真面目で一生懸命やれる良い子なんです。どうかこの子を弟子にしてやってもらえませんか?ただし、私も盗み聞きするつもりで盗み聞きしてたのでお2人の今の考えも理解しています。」
幸せ之助「マスターって正直な人だね。」
リナ「ノスケくん!」
マスター「そこで、こういうのはどうでしょう?これまでお2人がやってきたお2人のお店のやり方を教えるのではなく、ハニ丸くんはハニ丸くんで自分のお店を始め、お2人にはハニ丸くんのお店のアドバイスをしてやっていただくというのは。もちろん、お2人のお店の仕事に影響の無い範囲で構いません。いかがでしょうか?」
涙もろいと言っていたリナさんは目をウルウルさせながら幸せ之助さんの方を見た。
そして、幸せ之助さんの答えはこうだった。
幸せ之助「もうお弟子さんは取らないって言ったけど、ハニ丸くんをお弟子さんに取らないとこの本のお話が進まないからいいよ。ハニ丸くん、チミは今からボクたちのお弟子さんだ!」
この物語の世界観をぶち壊すような理由で、ボクは幸せ之助さん夫婦のお弟子さんになりましたとさ。
4、正直なマスターの想い
この物語は無事に進み始めたが、ここでまた幸せ之助さんが口を開いた。
幸せ之助「でもさぁ、ハニ丸くん辞めちゃったらマスター人手が足りなくなっちゃって大変じゃないの?ボク的には代わりのバイトが入ってお仕事を任せられるようになるまでとか、ハニ丸くんもマスターに恩を感じてるみたいだしそこらへんの責任は果たしたいのかなぁって思うんだけど。かと言って、ボクたちがこの町にいるのも残り1ヶ月くらいしかないしさぁ。」
リナ「確かにそれはそうね。でも、ハニ丸くんも事業を始めるとなれば、そんなにすぐって訳にもいかないんじゃない?ハニ丸くんはいつ頃からって考えてるの?」
ハニ丸「ボクもまだハッキリとは決められないんですけど、幸せ之助さんの言うように代わりの人ができてからとかは考えてます。あと、資金的な面もあるのでキッチンカーを買うにしてもあと1年はかかるかなぁと。どうしたらいいんでしょう?」
幸せ之助「まぁキッチンカーはローンも組めるから一括で買えなくても手に入るし、使ってないボクのお気に入りのキッチンカーが1台あるから貸してあげるよ。事業始めるなら運転資金こそなるべく手持ちで持ってた方が良いから、貯めたお金は運転資金に回しなよ。気持ちは分からんでもないんだけど、みんな不必要な所にまで開業資金使い過ぎなのが、飲食店とかキッチンカーが廃棄率高い理由の1つだとボクは思うんだよね。」
リナ「え?ちょっと待って。もしかして、ノスケくんが一目惚れしてど〜しても欲しいって買ったアレ?確かにみんなカワイイって言うし目立つけど、ノスケくんがいつか新しいクレープ屋さんやる時が来たら使いたいって言ってたのに貸しちゃっていいの?」
ハニ丸「ええ〜!?そんな大事そうなキッチンカー貸してもらえるんですかぁ!?今のお話聞く限り、絶対に良いキッチンカーですよね?師匠が気に入って買って使いたかったキッチンカーなら間違いないですし。師匠、お願いしたいです!」
幸せ之助「いいよぉ。実はそのキッチンカーを使う事とお店の名前もボクが決めるのをお弟子さんにする条件に入れようと思ってたんだぁ。」
ハニ丸「え?お店の名前もですか!?」
幸せ之助「うん。大丈夫、ふざけて変な名前にはしないから。集客と経営の勉強にはもってこいの良い名前がある。師匠を信じたまえ、お弟子ちゃん。」
リナ「ノスケくんのその最後の呼び方は怪しいわね。でもまぁ、とりあえずキッチンカーの件はクリアとして、後は代わりの人がいつ現れるかが問題ね。」
マスター「ちょっと待ったぁー!」
その時、マスターがボクたちの話に割って入るように口を開いた。
マスター「みんなの気持ちはよく分かった。こんな私のことまで気遣ってくれて感謝している。しかし、心配は御無用。あと半年もしないうちに東京の大学に通っている長女が帰ってくる。実は長女がお店を手伝いたいと言ってくれている。」
ハニ丸「ボクも初耳ですけど、娘さんお店手伝ってくれるんですか!?娘さんなら高校生の頃お店の手伝いよくしてたし、じゃあ半年すれば人手の問題も。」
マスターはうなづいて、キリッとした表情で話し始めた。
マスター「さっきも正直に言ったように、私はキミたちの話を盗み聞きしていた。そして、お2人の話を聞いて私は心を打たれた。商売とは何たるものか、誰の為に商売をするべきなのか。そして、私もお店を始めた頃の初心に帰り、あの頃の気持ちでお客様1人1人とちゃんと向き合おうと思った。」
ボクたち3人は真剣な眼差しで話すマスターの言葉に聞き入っていた。
マスター「だから、初心に帰った私の胸の内を正直に明かそう。最近、待てど暮らせど夜のお客様が来ない。お2人が来てくれてギリギリやっていけている状況だ。ハニ丸くんのお給料だって、カミさんに従うしかない立場の弱いこの私のお小遣いが減らされて捻出されている。ハニ丸くんがうちに来る前に何年もかけて貯めた私のヘソクリもいよいよ底をつく。資金が貯まるのが1年先だの娘が帰るまで半年だの、そんな悠長な事を言ってる場合じゃないんだよ、ハニ丸くん!いいかい、キミは今こうしてやりたい事を見つけ、師匠との出会いを果たし、商売を始める為のキッチンカーまで用意が整い、夢を掴み取るチャンスに直面しているんだよ!そして、私も満額のお小遣いを掴み取るチャンスに直面しているんだよ。私に遠慮なんてしなくていい。むしろ、遠慮しないで欲しい。私はずっとハニ丸くんが自分の道を歩み始める日が来るのを楽しみにしていたんだよ。満額のお小遣いをもらえる日が来るのも楽しみにしていたんだよ。だから、やっちゃおうよ!」
マスターのまさかのカミングアウトに喜んでいいのか何なのか自分が今どんな感情なのかも分からず困惑したが、どうやらボクにとってはキッチンカーを始めるまでの問題が全て解消されたようだ。
ハニ丸「なんか、何て言っていいのか分からないですけど、マスターありがとうございます。幸せ之助さん、リナさん、これからよろしくお願いします。」
リナ「本当、途中までマスターとハニ丸くんのお互いの想いに感動して泣いちゃいそうな場面もあったけど、涙はこらえといて良かったわ。こちらこそよろしくね、ハニ丸くん。」
幸せ之助「マスター正直過ぎて、おもしろ〜い!あ、そういえば、なんかズズズッて聞こえたのマスターの鼻水すする音だったのか。ハニ丸くんがお父さんみたいに思ってるって聞こえて感動して泣いちゃったの?」
面白がってからかうように聞いた幸せ之助さんの質問に、マスターはバツが悪そうに正直に答えた。
マスター「いや、ハニ丸くんが弟子入りしたいって言い出したからお小遣い増えるチャンスが来たと思って期待して、お2人がお弟子さんを取らない理由を聞いたところから悲しくなってきて、ハニ丸くんが納得しちゃったから絶望感で悲しみが止まらなくなっちゃって、ハニ丸くんの口からハッキリと諦めたって聞こえてきた時に居ても立っても居られなくなって、気づいたら扉をバーンって開けて叫んでしまっていたんだよ。ダメ元で当たって砕けろ、諦めるな自分!って思って・・・」
ハニ丸「あ、あの登場シーンの諦めるなは、マスターからマスターへの叫びだったんですね・・・。」
リナ「なんか私の感動とウルウル返して欲しいかも・・・。」
幸せ之助「マスター、バカ正直過ぎるし、面白過ぎるぅ!」
その時、リナさんが何かを閃いたように声をあげた。
リナ「あ!そうか!だからお店の名前!」
幸せ之助「え?え?何?何?そいえば、ここのお店名前なんだっけ?なんか英語の名前でボク英語苦手だから分からないままだけど。」
マスター「TOO HONEST CAFE、日本語にすると正直過ぎるカフェ。私は開業する時に、お客様とちゃんと向き合って嘘や誤魔化しの無い正直な商売をしていこうと決め、このお店にこの名前を付けたんだよ。キミたちのお陰で、その時の気持ちを思い出したんだ。だから正直に本当の事を話そうと思えた。私のお小遣いが減らされ、ヘソクリさえも底をつきそうになり、ハニ丸くんが自分の道を歩み出しこのお店から巣立っていく事に希望を抱いたのは確かだ。でもね、この10年ハニ丸くんが仕事に一生懸命で私の事もいつも気に掛けてくれていたからこそ、私は夢に向かうキミの為にカフェ経営のいろいろを経験させてあげたいと思えたし、お小遣いを減らされようがキミが自分の足で踏み出すまで面倒を見たいと思えた。だから、結局のところ私がしたくてしていたんだよ。私は今までもこれからもハニ丸くんの第二のお父さんとしてハニ丸くんが夢を叶えるのを応援しているよ。この気持ちも、正直過ぎるカフェのマスターの本当の気持ちだ。」
ボクは涙が溢れて止められなかった。
マスターが拾ってくれてから10年も一緒に居て、どうしようもなくバカなボクをこんなにも想って見守り続けてくれていたなんて思いもよらなかった。
涙もろいリナさんも涙腺が崩壊している様子だった。
幸せ之助「ハニ丸くん、どう?」
ハニ丸「え?どうって何がですか?」
幸せ之助「今ハニ丸くんはマスターという人間を信じられる?」
ハニ丸「もちろんです!これまでも信じてましたけど、さっきの正直なマスターの想いを聞いて、この先も絶対この人を信じようって思いました!」
幸せ之助「なんで?」
ハニ丸「なんでって、正直にちゃんと話してくれたからです。」
幸せ之助「マスターはハニ丸くんに商売の大事な事を教えようとメッセージを込めているんだよ。上っ面じゃなく本当の意味で相手の事を考える。それはきっと伝わって、切っても切れない強いご縁として結ばれる。ちょっとやそっとじゃ裏切ったりしない信頼関係で結ばれるんだ。それって、お店とお客さんとの間でも同じ事だからね。カッコつけて俺は凄いんだぞぉーとか大きく見せようとするよりも、ありのままの自分をさらけ出してお客さんの為に自分ができる事を一生懸命やる方がお客さんも応援してくれるんだよ。それをマスターはハニ丸くんに伝えたかったのさ。ね、マスター?」
マスター「正直過ぎるカフェのマスターが正直に言うと、ただ正直に話しただけでそんな深い意味はないですよ。ただ、今日の私の株は上がって下がって上がったところですし、実はそういうメッセージを込めていた事にしてもらえると有難いというのが、正直なところです。」
マスターはそんな事を言っていたが、ボクの中ではもうこれ以上無いくらいにマスターの株は上がり切っていた。
5、師匠の教え
さてさて、そんなわけでボクは無事に弟子入りする事が決まり、マスターの切実な事情により急ピッチでキッチンカー開業準備に取りかかった。
幸せ之助さんの家に置いてあったキッチンカーは、幸せ之助さんのお父さんお母さんが旅行がてら乗って届けてくれる事となり、ボクの弟子入りが決まった次の日にご対面というなんとも頭が追いつかないくらいのハイペースで話が進んでいった。
幸せ之助さんとリナさんがいつものように仕事帰りにカフェで食事をし、お店の閉店作業が終わった後で幸せ之助さんたちの泊まっているマンスリーマンションの駐車場へ向かった。
なぜかマスターがボク以上に「ウキウキワクワクが止まらな〜い!私も一緒に行きた〜い!行きたい!行きたい!行きた〜い!」と駄々っ子して、マスターの事が面白くて仕方ない幸せ之助さんも「ボクもマスターと一緒に行きた〜い!行きたい!行きたい!行きた〜い!」となり、4人で向かう事となった。
向かう車内でこんな話をした。
ハニ丸「師匠、そういえば師匠のお父さんお母さん、せっかく遠くから来てくれてるのにご一緒されなくていいんですか?」
幸せ之助「あ、今日は運転疲れたからホテルで休んでるって。ま、実家からボクの家までも2時間運転して、ボクの家からこっちまで3時間かかるし、お父さん1人で運転してきたんだから疲れただろうしね。明日からあちこち旅行して回るんだって楽しみそうにしてたよ。」
ハニ丸「あ、そんなに運転して届けてくれたんですか!?本当ボクの為に申し訳ないと言うか、ありがたいです。お帰りになる前に1度お会いして感謝の気持ちを伝えたいです。」
リナ「うん、何かしてもらった時にはちゃんと言葉にして感謝の気持ちを伝えるのって大事だと思う。何か見返りなんて期待してなくても、ありがとうって言葉が返ってきたら嬉しいし気持ち良いもんね。また何かあれば自然と何かしてあげたくなっちゃうし。」
幸せ之助「そうそう。それもお店とお客様の良い関係を築いて常連さんを増やしていく大切なコツでもある。」
ハニ丸「まぁ確かに、気持ち良くありがとうございますって言ってくれるお店は印象良いですもんね。」
幸せ之助「普通の感覚でもそのくらいは分かるよね。でももっと掘り下げてその事に触れてみると、人の心理として何か貰ったら何か返したいっていう気持ちが働くんだ。ご近所さんにお野菜とか貰ったりしたら何か返したくなるでしょ?それと同じで、本当のありがとうって気持ちを受け取った人は、その気持ちに対して何か返したくなっちゃうんだよ。」
マスター「ハニ丸くん。いつもキミは何かと言えば私にありがとうございますって言ってくれてるから、お小遣いを減らされても応援したいと思えたのも正直あるんだよ。私なりにキミの感謝の気持ちを受け取って、それをキミに返していただけとも言える。」
幸せ之助「いつもご飯食べに行っててボクたちも思ってたよ。ハニ丸くん、マスターに対してちょっとした事でもありがとうございますって言う子だなって。」
ハニ丸「なんか自分ではそんなに意識してなかったですけど、言われてみればとは思いますね。」
幸せ之助「じゃあ聞くけどさぁ、ハニ丸くんは家に帰ってからもマスターに対するのと同じように、お父さんお母さんがしてくれたちょっとした事にも感謝の言葉を伝えてる?」
ハニ丸「う〜ん、基本何かしてもらえばありがとうって言うようにはしてますけど、マスターに対するのと同じかと言うと・・・」
幸せ之助「じゃあ、もしマスターがハニ丸くんのパンツを洗濯してくれたとしたら、ありがとうございますって言う?」
ハニ丸「そりゃさすがに言いますよ。間違いなく言いますね。あっ!?」
リナ「じゃあ、お母さんがパンツを洗濯してくれてるたびに言ってる?」
ハニ丸「言ってないです。やっぱり産まれた時からずっとしてもらってるから当たり前になっちゃってましたけど、確かに他人にやってもらうとしたら絶対にありがとうございますって言う場面ですね。」
マスター「心配するな。私がハニ丸くんのパンツを洗う事はまずない!」
幸せ之助「ニャハハハハ、マスター、ボクそういう事を言いたいんじゃないです。」
ボクとリナさんも幸せ之助さんの意見に激しく同意した。
幸せ之助「ボクが何を言いたいかと言うとね、お店をやっていく上で、当たり前と思っちゃいけない事と当たり前にしなきゃいけない事があるって事。」
リナ「確かにそうね。お店やってるとお客様に感謝する場面てたくさんあるの。まずお店に興味を持ってくれた事、時間を割いてお店に来てくれた事、メニューを見てくれた事、食べようって思ってくれた事、商品が出来上がるのを待ってくれた事、食べてくれる事、他にも世の中にたくさんお店がある中で自分たちのお店を選んでくれてしてくれている事の全部が当たり前のようで当たり前じゃない事。お店開けてればお客様が来るのが当たり前になっちゃうけど、当たり前と思っちゃったら感謝の気持ちも湧いてこない。当たり前と思ってしまってはいけない事ね。」
マスター「そういう1つ1つを当たり前と思わず、それに対して感謝する事を当たり前にしなくてはいけない。と言う事ですな。」
ハニ丸「なるほど。確かに最後ありがとうございますって言うお店は多いですけど、特に感じ良いお店はいろんな場面で言ってる気がしますね。」
幸せ之助「特に商売を始めて3年はよ〜く頭に刻んでおくといいと思うよ。3年間当たり前にしちゃいけない事と当たり前にしないといけない事をちゃんと意識していれば習慣になるからね。ただ、お店が長く続けば続くほど、人気が出れば人気が出るほど、気をつけてないと忘れちゃうから、結局はずっと気をつけてないとダメなんだけどね。」
ハニ丸「師匠、勉強になります!」
ボクはこの話をノートに書き留めた。
リナ「あら、ハニ丸くん、そのノートは?」
ハニ丸「あ、教わった事を書き留めていこうと思ってノートを作ったんです。名付けて【師匠の教え】。これまでのお話も忘れないようにちゃんとメモしておきました。」
リナ「偉い!後でそのノート見せてね。」
幸せ之助「ふむふむ、お弟子ちゃん、良い心構えだ。そしたら、コレも書き留めておきたまえ。さっきも言ったように、人間は貰ったら返したくなる心理が働く。ちょっとだけ貰うよりいっぱい貰った方が返したくなっちゃうでしょ?だから、さっきの当たり前にしちゃいけない事1つ1つにありがとうございますって伝えれた方が、お客様もお店に何か返したくなる。それは別に物とかお金じゃなくて、お店を応援する気持ち。その気持ちを返したいと思ってくれたお客様の中から何人か常連さんになってくれるよ。極論を言ってしまえば、よっぽど不味く無い限り、商品の良し悪し関係無く何人かは必ず常連さんになってくれるはずだよ。」
ハニ丸「お店始めて軌道に乗るまでのお客様が少ないうちは、その何人かでも貴重なありがたい存在ですもんね。料理の腕前は経験も必要ですけど、それなら自分次第でヒヨッ子のボクにもできそうですし。」
リナ「ノスケくんは心理学とか脳科学のお話好きだから、いろいろな本読んでるの。あとスピリチュアルとかも好きよね。」
しっかり者のリナさんならともかく、普段の自由奔放な師匠の意外な一面に驚きつつボクは早速ノートに書き留めておいた。
そうこうしているうちにボクたちを乗せた車は目的地である駐車場に着いたのだった。
6、師匠からの条件
駐車場に着いて車を降りたがキッチンカーらしき車が見当たらず、ボクは辺りをキョロキョロ見渡した。
リナ「ハニ丸くん、こっちこっち!」
リナさんが第2駐車場の看板を指差しながらボクを手招いていた。
みんなに遅れを取り小走りで追いつくと、そこにはボクの相棒となるキッチンカーが停められていた。
幸せ之助「ジャジャ〜ン!ボクのお気に入りのニャン丸くんで〜す!」
そう紹介して幸せ之助さんが駆け寄って顔をスリスリしているキッチンカーは、まるでアニメの世界から飛び出してきたような猫の形をしたデザインの軽のキッチンカーだった。
ハニ丸「な、なるほど。師匠が一目惚れしてど〜しても欲しがった理由が分かりました。確かにカワイイはカワイイですし、目立ちますね。ちょっと想像してたのとは違いますけど・・・」
嫌なわけでは無かったが、幸せ之助さんとリナさんのキッチンカーのようなクラシックカーをイメージしていただけに、ボクは少し戸惑ってしまっていた。
幸せ之助「はい、こちらがハニ丸くんのお店の看板で〜す!」
幸せ之助さんはそう言うと、大きな看板を抱えてボクの方へ向けた。
ハニ丸「野良猫のクレープ!?」
リナ「ノスケくん、この車でこの名前のお店でやるつもりで、買ってすぐに看板ももう作ってたの。」
想像していたクラシックカーとのギャップはあるにせよ、特徴的なデザインではあるし子供ウケは間違いなく良さそうなのもあり、すぐにボクの中に愛着とワクワクする気持ちが込み上げてきた。
ハニ丸「師匠!リナさん!ありがとうございます!ボク、なんだかワクワクしてきました!」
マスター「正直、私もこのキッチンカーでいろんな所に行きたい気持ちです!」
幸せ之助「でしょ?でしょ?ニャン丸くんカワイイでしょ?あ、そうだ。ちょっと待ってて。」
そう言うと幸せ之助さんはキッチンカーの荷台に入っていき、すぐに何かを抱えて降りてきた。
幸せ之助「はい、コレ。猫の神様。ボクのお弟子さんとして経営のお勉強する条件として、この猫の神様の言う事をよ〜く聞くこと!そして、野良猫さんをリスペクトすること!」
そう言いながらパイナップルくらいの大きさの三毛猫が手招きしている置き物をボクに手渡した。
ハニ丸「ああ、招き猫って商売の神様って呼ばれてますもんね。大事に飾って大切にします。ありがとうございます。」
幸せ之助「違うよ。商売の神様じゃなくて、猫の神様だよ。ちゃんと猫の神様の言う事をよ〜く聞くこと!」
ハニ丸「あ、そうか師匠スピリチュアルも好きだし猫も好きだから、この置き物でゲン担ぎしろって事ですね。」
幸せ之助「違〜う!猫の神様は猫の神様なの!」
リナ「まぁまぁ、ノスケくん落ち着いて。きっとハニ丸くんもそのうち分かるわよ。」
リナさんの意味深な言い方も気にはなったが、ボクはひとまず幸せ之助さんに言われた条件をノートに書き留めた。
『猫の神様の言う事をよ〜く聞くこと、野良猫さんをリスペクトすること。』
ちょっとよく分からないままではあったが、そのうち分かるというリナさんの言葉が引っかかってそのまま書き留めておく事にした。
その後、幸せ之助さんからいくつかお弟子さんとしての条件を言い渡され、それもノートに書き留めてその日は解散となった。
ハニ丸くんのノート【師匠の教え】
料理のレシピはあるようで無い。
作る人によっての違いは個性になる可能性。
商売は人の真似より自分らしくが楽しい。
お客様1人1人とちゃんと向き合うのが楽しい。
商売はお金の為にする。
潰れてはいけない。
お金の為が最終目的ではなく、その先のみんなの幸せが最終目的。
お店・お客様・取引先みんなの幸せ。
お客様が喜んでお金を払ってくれるお店であり続ける。
お金の善悪は使う人の使い方次第。
開業資金はなるべく運転資金に回す。
カッコつけず、ありのままの今の自分にできる事を一生懸命やれば応援してもらえる。
感謝の気持ちを伝える事が大切。
人は貰ったら返したくなる心理が働く。
当たり前にしちゃいけない事と、当たり前にしなきゃいけない事がある。
始めの3年、長く続くほど、人気が出るほど、当たり前にしちゃいけない事・当たり前にしなきゃいけない事を意識する。
心からの「ありがとうございます」を受け取ってくれた何人かのお客様が常連さんになってくれる。
師匠からのお弟子さんとしての条件
猫の神様の言う事をよ〜く聞くこと!
野良猫さんをリスペクトすること!
1年目にやる事
商売の6つの基本を一生懸命やる
気持ちの良い笑顔と挨拶
綺麗で片付いた状態の維持
営業時間の厳守
毎日SNSにポジティブな投稿
心を込めた「ありがとうございます」
お客様の顔を覚える
第二章に続く
