駅前広場。

欧米人は、雨に降られても感じないから、ぽつぽついる。

中国人も、傘をささずに、集団で動いている。

中国人は、相変わらず声が大きい。それが悪いと言っているのではない。むしろ、明瞭で凛としているので、よろしい。

日本人は、雨のせいで、あるいは、天気予報による、豪雨が来るという脅しのせいで、外に出てこない。

ここはどこの国かと思う。


私は、散歩コースのひとつの、深夜の西友に入る。

煌々たる照明。夜中のうちに商品の入れ換えをする従業員。ほとんど空っぽになった惣菜コーナーが彼らを待っている。

あまり上等でない拡声器から聴こえてくるラテン系の女歌手の、愛の失敗を唄う、物憂い調べにうっとりしながら、そぞろ歩く。


売れ残りの、はちきれんばかりの、巨大な鰹の生。どうして皆さん避けたのかな。おまけに半値だ。買ってしまった。


レジには誰もいない。ベルを押す。お疲れ気味のねえちゃんが、それでも、走ってやってくる。ごくろうさまです!


振り返ると、場内に、買い物客はいなかった。私一人のツアーだった。