亡くなった俳優の池部良が書いている。

兵隊としてボルネオ島に行った。

現地人が、オランウータンの一家を紹介するという。

ついて行くと、草で作った二階家がある。

亭主のオランウータンが出てきて挨拶した。

亭主は、女房を、しきりにひっぱたいた。

二階には鶏たちが住んでいる。

二階から一階にかけて、建物の外壁に沿って細い廊下というか樋のようなものがしつらえてある。

鶏舎には、だれかいるのだろう。

雌鳥が鳴いて、その斜めの樋を伝って、鶏卵が転がり落ちてくる。

オランウータンの女房は、それを両手で受け取り、池部にさしだした。

温かい卵だったそうな。