口笛を吹きながら、シンクにたまりかけていた鍋と食器を洗った。

終わったので居間に向かおうと、すのこから降りたとたん、ピチャリ、水の中に右足を突っ込んでしまった。

昔、南洋の或る島で、バンブーハウスを借りて、砂浜でしばらく過ごそうとたくらんだ。

その第一夜、床が不気味な音を立てる。ピチャリピチャリ。恐るおそる外へ出て階段を降りかけたとたん、満ちていた海水に右足を突っ込んでしまった。

その思い出から我が台所にもどってきて、何が起きているのか考えた。

下水管が詰まって、洗うのに使った水が、すべて台所に溢れたのだ。

フィルターを掛けないで洗い物や料理などしたことないんだがなあ。

倉庫に行って、ゴムロープを見つけ、それを穴に押し込む。

どんどん入っていく。

幼児の時にあるところにストローを入れたところ、どんどん入っていったのを思い出す。

これ以上入ったらうれしくない、と思ったところで何かに突き当たった。

どうしても突破できない。

別の何かを思い出してしまう。

奮闘努力の甲斐もなく撤退。

明日午前十時に業者が来る。

サッカーを観るので、十時だと、まだ寝てるんじゃないか? まあ、しょうがない。