参りました~

明日、あさってと卒業式連続です。

制服の手直しも

やっと終わりました

自分の手直しもしなくちゃって(笑)


予定では、うーんと前には、痩せて何でも着れるはずだったのに~

予定は未定・・・未完成に終わりです。


PTAやら、なんやらの総会の準備も

卒業式後の「謝恩会」の準備も同時進行でする

子どもの数だけ、役員です(アハハ)

面倒臭がりなので、おしりに火が点かないとやらないから

こんなにシンドかったのね~

(毎年反省)


でも、よ~~く考えたら、あと3年後、W卒業が、またやってくるのね・・・

わ!!その前に今年4月・・・W入学だった・・・
マキさんお手が、私の頬を挟んだ。

ズキンと胸が痛む。

そのまま、マキさんの唇が私に重なる。


ふわっと持ち上げられ、マキさんの部屋に運ばれる。

「ヤダ・・マキさん」

首にしがみつきながらも、体が緊張していくのがわかる。

マキさんは無言だった。


少し怖い。

このまま進むのの怖い。

でも・・・それを口にするのも怖い・・・


そっとベッドに横たえられ、黙って髪をなでている。

また、私の額に、そして唇にキスを重ねる。


ドキンドキンと鼓動がマキさんにまでも聞こえるほどに

音をたてている・・・怖い。

何か言って

何か話して・・・


首の下に腕を入れられ、そっと横たわったまま抱きしめられる。


マキさんのいつもの香りに包まれ、ドクドクと鼓動が聞こえる。


足の先が攣りそうになるくらい緊張している私。

でも、鼓動と香りに包まれて、次第に緩んで行くのもわかる。


「このままでいいから、少し眠ろう・・いいかい?」

コクンと頷く。

その方がいい・・


鼓動を聞きながら薬の効果もあるのか、次第に睡魔が襲って来た。


目を開けると、カーテン越しにオレンジの光り

夕方なのだろうか・・

そういえば、こんな夕日、いつか見た事があった。

こんな風に・・・「終わり」を迎えた事が。

涙が流れて行く。


隣のマキさんは、軽い寝息をたてていた。

片方の腕を自分の額にあてている。

起さないように、そっと身体の向きをかえマキさんに寄り添う。


終わりの日。あの時もこうして圭介の寝顔を見ていた。

でも、その圭介の顔が、慎一さんに重なる。

圭介の顔が、思い出せなくなっていることにショックを受けた。


そして気づいた。

圭介以来、私は横で寝入る人の姿を見た事がない。

そしてこうして、二人、ただ黙って横たわって日を過ごした事がなかった事に。



「マキさん」

そっと呟いて、彼の唇に自分の唇を重ねる。

ポタポタと涙が、落ちていく。

「マキさん」


ゆっくりと目を開けたマキさんの驚いた顔

「どうした?怖い夢でも見たか?」

そういって私を自分の身体の上に乗せ、ギュと抱きしめる。


癒される事ばかり考えていて

誰かを癒してあげる事を考えた事はあったのだろうか。

「ごめんなさい。マキさん」


マキさんは静かに私の背をなでていた。


彼の鼓動が私の鼓動に重なる。

私はおもむろに身体を起し、そっとマキさんのシャツのボタンを外しだした。

「菜穂ちゃん!!」

彼の胸に唇を当てる。

何度も、何度も。

マキさんの首にも頬にも、唇にもキスを続ける。

むき出しになった彼の胸は温かい。

キスをしながら、私は自分のブラウスのボタンを外していく。

「菜穂ちゃん・・」

意図に気づいたマキさんが、私の手を掴む。


じっと私を見つめている。

「無理しちゃいけない。」

首を横にふる私。


そうして彼の首に抱きついた。

「お願い・・してもいいんだよね・・」

耳元で小さく呟く。


マキさんが身を起し、私の上の覆いかぶさった。


流れるような仕草で、私をむき出しにしていく。

自分で呼吸が荒くなっていくのが判る。

恥ずかしいけれど、今はこの本流に流されて居たい。


彼の指が、私にそっと触れる。

ビクンと背が弓なりになって行く。


彼の舌が、私を優しく登らせて行く。

足の指先に力がはいる。


声を出さないように、堪えていても思わず喘いでしまう。


「菜穂ちゃん・・・」

足をそっと立たされ、マキさんが割り込んで来るのが判る。


「菜穂ちゃん、熱いよ」

耳朶を噛みながらマキさんがささやく。


動かないで・・・でも、動いて・・

波に飲まれた木の葉は、もはや意思を失っていた。


「このまま・・お願い・・このまま・・」

マキさんの熱い吐息が、耳なかかる。


小さな高波は、次第に嵐のようにうねり

木の葉はきりもみ状態で、登り、落ち、また登り・・・


そして・・・キラキラとした星屑のように

バラバラになって波間に落ちていった。



「菜穂ちゃん」

マキさんの胸に顔をうずめながら、眠りに吸い込まれそうになっている私に

彼は、そっと声をかけた


「一緒に行こうか」


返事をするより前に、私は眠りに落ちて行った。



「離さないからね・・」遠くでマキさんの声が聞こえた。





今、私は青空の下にいる。


暗闇のあることも知っている。

日の下にいても、一歩、影に入れば過去の亡霊が押し寄せてくるのも判る。

封印してしまいたい過去も思い出も・・取り出せば恐怖に襲われる。


それでも、暗闇は怖いけど怖くない。


過去は消えない。


小さな童が、空の下で私に手を振る。


いつかこの子も大人になる


彼が私の肩に手を置いた。


「あっ・・おかえり」


「ただ今」


日にさえぎられて彼の顔が黒く見える。

くしゃくしゃっと笑って、子どものに手を振り呼ぶ。


危なっかしい走り方で、父親の胸に飛び込んだ。

「ただいま・・・いい子にしてたか?」




亡くなった父に、この情景を見せて上げたかった。


過去という暗闇には

必ず「後悔」が付いて来る。

でも、その過去には、少なくとも「愛情」もあるとも知っている。


「そろそろ帰りましょ。」


そういってどことなく圭介に似て来た子の手を取った。




                         ・・・・・終