針を止めていた
今にも音が 割り込みしそう
しっかり両手で 押さえていよう
優しくなれる 好きと言える
がっかりさせない 笑顔でいる
ものの２分 話せるなら
初めてのこと？ それより この先
覚えていて欲しいことを…
あなたから見えるのが
背中だけなら、本当は いい
だって、独りで歩けてる証拠
だから…
だから今、
許された時間を使い果たし
思い残すことなく二人
抱き合うしかないと
思った。
つらさをすぐに 声に出せば
幸せさえも 押し戻してしまう
どんな二人で 居られた、かは
互いの瞳に 映る自分を見ればいい
いつの日にも 手は伸ばすよ
膨(ふく)らみかけた 蕾がやがて
空をも掴んで離さぬように
余白にて遊び回る
色とりどりの思い出たちも
さすがに勝手に
飛び出しては行かないから
ありがちなキスをして
終わらせ(〆)たくはないと、
欲張りになった私のことを、
どうか恨(うら)まずにいてね
時はいつも不敵に
意地悪な面(つら)で流れる
愛を、針で、切り刻んでゆく
音の１秒
その集合体、
喧騒が二人に
割って入ろうとしてる
透けていて くれていたのにも…
これからも よろしくね…
ひとまず、お別れだって
こんなふうに
他人事(ひとごと)そぶる私のことを、
どうか恨まずにいてね
なので今、
許された時間を使い果たし
思い残すことなく二人
抱き合うしかないと
思ったんだ。
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