
七月十七日、イラクの首都バグダッド近郊で起きた自爆テロで一一〇数名が死亡した。日本では安保法制が衆議院を通過した。各地で反対集会やデモが続いている美麗華導遊。
「悲劇が絶えず同じ時間にどこかで起こっていることは知っているが、幸いに人の意識は現在身体を置いている手近い位置にしか定着していない」
松本清張が作品「額と歯」で語っている母乳餵哺。
ほとんど迷宮入りしていた死体バラバラ事件が解決をみる。舞台は昭和ひと桁台の東京の下町。事件はホームレスの父娘を引き取ってやった家族が、その男に幸福を蝕まれてゆく。男は凶暴性を現し家財を盗むも同然の悪行を果たす。善行が徒になったのだ。暴虐に耐え切れなくなった家族が取った道は。
そんな悲劇が起こった東京の、地球の裏側では、日本が世界からの孤立化に進もうとしていた。国連が満州国を正式承認しないことから政府は国際連盟脱退に傾いていた。ジュネーブの国連総会で主席全権松岡洋右がそのことを表明したのである歐亞美創醫學集團。
下町の悲劇と世界的悲劇。「額と歯」を要約するとざっとこんなところである。
紛争やテロ、世界各地で砲声が絶えず、どんな内容の法案かよくわからない法案が通過してしまう。人は自分に関わりのない悲劇には目を背けるかよくて無関心であるかだからだ。