私の部屋の改装が終わったので、昨日から実家に戻って暮らしています。

父の日には、一昨日買ったコーヒーカップとソーサーをプレゼントしました。
二子玉川にあるコホロという陶器などを展示即売しているお店のものです。
私はこのお店が大好きで、私の展示のDMも置かせて貰ったりして、お世話になっています。
人の手の温かさを感じるお皿やコップが売っているお店です。
この間書いた「不思議なお花屋さん」の向かいにあります。



〈家の仕事と女の詩〉

夕方の重い静けさを
ゆっくりと過ごして待っている
くらやみの中でも
そのうちに影が見えてくる
家中のものが私を支えるようにして
私は頼りない王様のよう
寝息のような唄をうたっている



言葉に見る音で好きなものに「くらやみ」があります。
4文字の音の並びが柔らかく、重すぎず軽すぎず、深みのある大きさをもって浮いているような言葉です。

聞く言葉の音では「クラック オ バタ」が好きです。
クラックはナッツが砕けるように発音します。
「バターを砕く」という意味です。
氷のような肌のバターをかちん、と砕くと、油分が小さなバターの破片の角を丸め始める、そんな印象の言葉です。


080611_2159~01001.jpg
火曜日。
時々、どうしようもない日だとか、どうしようもない週が巡ってきます。
最近そんな匂いを感じていて落ち込み気味ですが、仕方のないことですから、「なすがままに」と心を決めて過ごしています。

この日は思い立って町田に出掛けました。
都会に育ったからでしょうか、渋谷の喧騒の中に居ると安心する性分です。
本当はその辺りに行きたかったのでしょうが、地元まで行くと帰りが辛いので自制します。

町田でインディアンの雑貨などを売っているお店を見つけました。
インディアンが作ったお皿と、アンクレットと、「糸ごよみ」という冊子を購入。
冊子について紹介します。



「糸ごよみ」(一部抜粋)

結びこぶ

北風がピューと、アシのくぼ地で鳴る。
呪術師が水晶を三つぶ落とす、
三回落とし、
嵐をしずめるために歌う。


白いより糸

小屋が二つ、うずまき風につかまって裂かれる。
燻製の山羊とシャケが、足元に落ちているのを見つける。
そのとき、鼓動を感じる、
はじめて感じるの痛みの矢、
赤んぼうが押し出てくるよう。

著 ポール・ブルック
訳 だいこくかずえ
発行 WebPress葉っぱの坑夫
http://www.happano.org/

上記ウェブサイトで冊子の本文を読むことができるそうですので、興味のある方は是非どうぞ。
女性の強さと生命の有り様を感じる文章です。

月曜日の午前中は授業がないので、ベッドの上でぐったり過ごします。

長引く風邪に少し負け気味です。


お昼頃、橋本の辺りを散策しました。

雨は降っていませんが、曇り空で空気はしっとりとしています。

朝は雨が降っていたのでしょうか。

道端に赤い傘が落ちています。

湿った布が哀しそうにうなだれて、アスファルトに小さな水溜りを作っています。

私は何だか可哀想になって、つい拾ってしまいました。

開いてみると、てっぺんに西瓜の種ほどの穴が開いていて、日に透かすと小さな染みがいくつか見えます。

長いこと落ちていたのか、枯れ葉のくずがぺったり貼りついていました。

ですが、まだちゃんと使える可愛い傘です。

柄は木肌柄のプラスチックなので高い物ではないでしょう。

無地の赤色が曇り空によく映えます。

無法者の私はその傘を貰うことにしました。

交番に持っていっても持ち主が現れるとは思えませんでしたし、何よりも私はその傘を大切にしてあげたかったのです。

汚れを払ってちゃんと畳んだ傘を見ると、なんだか幸せな気持ちになれるのでした。


その後間もなく雨が降り出します。

私は自慢げに傘を差します。

とても気の合う友達のようです。


午後からは制作の時間です。

今日はほとんど乾燥待ちだったため、構内を長く散歩していました。

学校は八王子の山の中です。

うすい霧のなかに透き通るような深い緑の山があり、学校は山に隠されてひっそりとしています。

特にこんな雨の日の学校は、雨に輪郭を溶かされて、山に白い滲みを作るだけの絵の具になってしまいます。

私の絵を描くときの格好は、薄い水色のジャンパースカートに濃いグレーの羽織りものです。

今日は赤い傘を差して、湿度の高い緑の中を歩いていました。