最初に龍と出逢ったのは祖母のお葬式だった。
祖母はいつも龍神がいると話してくれていた。
祖母を火葬した後。
祖母の足元から鉛のような金属で出来た龍が出てきた。
龍の頭と尾の部分は焼けて分からなくなっているが、綺麗に鱗が掘られている。
大人達がざわめいていた。
だれも足元にはそんなものを入れていない。
いや、棺桶自体に入れていない。
ましてや鉛のような金属類は一切入れていない。
可能性があるとしたら眼鏡だけ。
子供心にも眼鏡がこの龍の形になるとは到底思えなかった。
私はその龍が欲しかった。
手にしてみても美しかった。
けれどお坊さんがこれは持っていてはいけないと話していた。
きっとあの龍は祖母を守っていてくれた龍神だろう。
祖母は火葬前に大粒の涙も流していた。
浄化された美しい涙だった。
この世の中で9割は目に見えないもの。
そして真実でもある。
