シリアを変える13歳少年の死 | shellvalleyのブログ

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シリアの反体制運動では、千人以上の市民が亡くなり、
逮捕者、負傷者が続出している。
情報規制のため、外国メディアはシリア国内の取材ができず、
その実態はあまり知られていない。

そして、13歳の少年がシリア政府により拷問を受け、殺害されるという事件がおき、
その追悼デモが国を動かす大きな力になるようだ。

チュニジア革命で投身自殺をし、のちに革命の象徴的な存在となった
モハメド・ブアジジ青年や、エジプト警察の不正を暴いて、無残にも殺害された
ハレッド・サイト青年のように、13歳のハムザ・アルカティーブ君は
シリア革命の象徴となるのかもしれない。

それにしても痛ましい事件だ。

shellvalleyのブログ-ハムザ君

CNN
2011年4月29日の反政府集会で行方不明になった13歳のハムザ・アルハティーブ君が、
家族の元に戻ってきた。シリアの治安部隊に拘束されていたのだ。
しかし遺体となって・・・

シリア政府は両親に「この遺体のことは誰にも話さない」という念書にサインさせる。
ところが、子供の遺体をみて、両親は驚いた。
全身にタバコを押し付けられた痕、頭は腫上がり、内蔵も飛び出ている。


ハムザ君は、普通の13歳の男の子だった。
そしてこれが家族の元に帰ってきたハムザ君。
※非常に残酷な映像なので注意してください。




このハムザ君の出来事をきっかけに、シリアでは週末に大規模抗議デモが開催された。
拷問が珍しくないシリアでも子供に対するここまで酷い仕打ちに人々は怒りを新たにしている。
政府の検死官は「腐敗が原因」と発表するがタバコの傷については説明なし。

このハムザ君追悼デモには、大人だけでなく多くの子供たちがアサド君の写真を掲げて参加した。
実はアサド政府の子供への攻撃はこれが初めてではない。
以前も治安部隊がスクールバスを襲撃し、一人の子供が犠牲となっている。

反政府運動発祥の地、ダルアではこんな小さな少女が犠牲になったのだ。



メモリアルデーのニュースを飛ばし、CNNこのハムザ君事件をトップで報道。
「アサド大統領親子は、こんな行為を何十年も繰り返してきた。特に驚くことではない。
この事件を引き起こしたハムザ君の家族が拘束されたという情報もある。」
と報じている。

また、シリア政府は反体制派に「子供であろうと容赦はしない」という警告を送るために
ハムザ君の遺体をわざと両親に戻したのではないか?
しかしそれが逆に「ハムザ君の血を無駄にはしない。最後まで運動をやりとげる」
という決意を反体制派が持つことになった。
反体制運動は、さらに勢いは増すことになるだろう。

中東情勢に詳しいアジャミ教授は、
「チュニジア革命のきっかけになった焼身自殺の青年のように、
ハムザ君はシリア反体制運動の象徴となるのでは。
問題は国際社会は反体制派を十分に支持していないこと。
特にアラブ連盟はリビアのカダフィ大佐は非難するが、
アサド大統領を怖れて口をつぐんでいる」とコメントした。