おひさしぶりです。
シェルボーイです。
最近の趣味は「大学に行くこと」です。
5年間通った学び舎とも、別れの時が近づいているようです。
思えば私が早稲田と出会ったのは2007年の春です。
その時は教育学部の学生として入学しました。
今からは信じられないほど日々が憂鬱でした。
私は日々興味のない授業に耐え、友達もできずに大学へ行くのが嫌になり登校拒否になりました。
途方に暮れ、町を彷徨い歩いたことさえあります。
しかし、私をもう一度正しき道に戻してくれたのは国際教養学部です。
特に2年生の春に11号館が完成してからは、学校に行くのが楽しみで仕方がありませんでした。
そして、留学から帰った3年生の秋。
私は1年ぶりに早稲田大学を訪れました。
その時感じたキャンパスの美しさは今でも忘れません。
近代的な建物の中にしみ込んだ威厳と伝統。
新と旧が見事にマッチした素晴らしいキャンパスだと思いました。
これはイギリスにはない新たな時代の風格なのです。
特に私は11号館の壁の色と大隈銅像から眺めた11号館のとがりつつも丸みを帯びた側面が好きです。
そして、私がいつも季節を感じるのは早稲田です。
秋になると銀杏の葉が黄色になり、冬になると澄んだ青空のもとに木々の先が細かく揺れている光景。
春の訪れは多くの学生でにぎわったキャンパスが教えてくれ、夏は空いっぱいに深緑の葉が広がります。
私は留学にこそ行きましたが、それでも4年間こうした日常を愛しながら、自分の大学を本当に誇りに思いながら生きてきたのです。
自分がこれほどまで単一の存在を愛したことは今までありませんでした。
でも、自分の大学を愛することができるということはとても幸せなのだとも思います。
そして、今日は私が大学で最後のプレゼンをする日でした。
授業はゼミです。
思えば私が最初に大学でプレゼンをしたのは、ビッキー先生の演習でした。
たしかグループプレゼンで、私は世界の都市環境について発表したと思います。
そして今日、私は日中台の英語教育比較について書いた卒論を発表しました。
後からビッキー先生に聞くと、私が1年生の時に行ったプレゼンの内容を覚えてくれていたのです!
私はとてもうれしかったです。
たしか、あの時は先生は私にAをくれました。
他がほぼ全員BかCだったのに、純ジャパの自分がAをもらえたなんて・・・
それから私は「自分はプレゼンが得意だ」と思うようになりました。
先生の評価があってこそなのです。
今日にいたるまで多くのプレゼンをこなしてきました。
そして今日、いよいよ学生生活最後となるプレゼンをするときがやってきました。
私は壇上に上がりました。
そこには見慣れた光景が広がっています。
白い机に肌色の椅子。
半分眠りかけている学生、メモをとって集中する学生。
そしていつも一番前にはうなづきながら聞いてくれるビッキー先生がいます。
これが、今まで自分を育ててくれた環境なのです。
まがりなりにもプレゼンを向上させることができたのは、この人たちのおかげなのです。
初めてのプレゼンの時、友人のまいけるは一番後ろで寝ていました。
そして、私が話し終えるのと同時に起きました。
その時は、まさか彼とインドネシアに一緒に旅行することになるとは夢にも思わなかったです。
一瞬そんな記憶が脳裏をかすめました。
そして、私は自分の世界に入りました。
誰よりもうまいプレゼンをやってやるんだ、俺ならできる、もっとできるはずだ。
前へ前へ伝えようとするあの感じ。
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気付くと私は最後のスライドまで話し終えていました。
みんなが大きな拍手をしてくれました。
涙が出てもいいはずの瞬間です。
今まで自分がほとんど唯一頑張ってきたといえるプレゼンが、最後のプレゼンが成功したのです。
私は壇上から降りました。
いつものように一番後ろを通って席に戻ります。
途中一瞬熱いものがこみ上げてきました。
しかし、それは途中で止まりました。
自分は2番目、まだあとに2人控えているのです。
自分には「しっかり聞く」という相手のプレゼンを素晴らしいものにする仕事が残されているのです。
私は笑顔で席に戻りプレゼンを聴きました。
プレゼンテーション、それは、相手に聞いてもらう場。
相手を楽しませる場。
自分をアピールする場。
これからもプレゼンテーションは続きます。