断片となりつつある、しかし鮮明な記憶。
最近フェイスブックを開くと参加したAYFに関するnotification やmessage が山のように来ていたが
それも峠を越えてまばらになりつつある。
しかし今度は夢に見るようになった。
アジアからの仲間たちと過ごした大切な日々。
「人生のうちで1週間だけ戻してやる」と誰かに言われたら私は間違いなくこの1週間を選ぶだろう。
ともすると留学よりも貴重は1週間だったかもしれない。
しかし、そこで感じたのは何も楽しさだけではない。
日本が明らかにアジア諸国に比べて劣っていると感じてしまったのだ。
それはその消極的姿勢である。
前へ向かっていこうという姿勢が日本人の生徒たちには見られなかった。
例えば、誰かが話をしていて質問はあるかとか、意見を求められたときに
自分が手を挙げて発表するとか、グループワークの時にリーダーシップを取るとかそういうことである。
他国からの学生はけっこうこれができる。
例えば戦争と平和についてディスカッションした時に先生が意見を求めても
発言するのはインドネシア、フィリピンなどの学生ばかり。
日本人はというと、ずっと黙って聞いているか、意見を言えたとしても英語力が足りなくて
他国からの学生に笑われるという始末である。
ちなみにインドネシアの公用語は英語ではない。
なのに彼らはふつうに話している、留学経験もないという。
彼らは自国民どうしで英語を使うことをためらわない。
一方の日本人は恥ずかしがっている。
2年前、留学を経験した時に、ヨーロッパとアジアの差を感じた。
ヨーロッパ人はディスカッションの時とかもためらわずに発言するし、
ディスコでもノリノリで踊っている。
一方イギリスでのアジア人は、固まって恥ずかしそうにしていた。
もう少しオープンになれたらいいなと思った。
そして、今回、アジア内でも同じような経験をした。
グローバル化が加速する時代、私たちは彼らと競争し、協力しなければならない。
そのためには、もっと自分たちのことを発信したり、発言する力が求められる。
プロダクティブはスキルである。
今回、あまりにも日本人が消極的だったので、
普段リーダーシップをあまりとることのない俺にも挑戦する機会が回ってきた。
国を代表して1人が5分間、各国の英語教育が抱える問題についてプレゼンを行う。
国をできる機会、そんな大役が目の前に転がってきたのだ。
今まで国を代表して何かやるなどという経験はなかった。
私は鳥肌が立つほどに興奮した。
同時になめられてたまるかという強い思いが沸き起こった。
自分が失敗すれば日本の評価自体が下がってしまうのだ。
前日、私は念入りに原稿を考え、ルームメイトが寝静まった後も一人パソコンに向かい
プレゼンの練習をした。
これほどまで燃えたのはいつ以来だろうか。
そして、迎えた翌日。
アジア各国から集まった教師と仲間の前でプレゼンをした。
服は「国を代表する衣装」とあったので、私は日本代表のサムライブルーユニフォームを選んだ。
そして、あらんかぎりの集中力を出して、プレゼンをした。
原稿を覚えて何とか逃げ切るのがプレゼンではないと分かった。
いかにその場の空気を支配して、自分の劇場を創るかが重要なのだ。
だから決して焦ってはいけない。
相手をしっかり見て、語りかけなければならない。
よく、「ピッチャーは試合のマウンド上で成長する」と野球では言うが
プレゼンターも発表の場で一番成長するのだと思う。
国対抗プレゼンテーション大会にて
左上から、タイ、台湾、韓国、日本、インドネシア
左下から、ロシア、フィリピン、ミャンマー