今日は朝から曇りだった。
前日の夜から降り始めた雨はかろうじて止んでいた。
しかしいつ降ってきてもおかしくない予断を許さない状況には変わりない。
今日は北海道の山本さんたちがアレンジしてくれた観光づくしだ。
しかし、はじめの観光場所はまさかのJA美瑛だった。
山本さんは農協関連の役員をやっているらしくて顔が利くらしい。
ここのトマトの仕分けはかなり印象的だった。
ベルトコンベアにひたすらトマトが流れてきてそれをおばちゃんたちが仕分けしていくのだ。
1分間に何千個というトマトが箱として仕上げられていく。
これだけのトマトがあればいったい何人の人を笑顔にできるのだろうとほほえましく思った。
ちなみにトマトは青いまま出荷される。
その理由は消費地に到着する間に熟すからである。
だから一瞬トマトと分からずにりんごが流れてきているのかと思った。
ゼミのメンバーもこんな作業場を見たことはなく、みんな興味津々に見入っていた。
説明してくれたおじさんも久しぶり?の若い女の子達に非常に張り切って説明していたようだ。
トマトの次はお花畑である。
お花畑というのがなんともビッキーゼミらしい。
もし男だけでお花畑に行っても何も面白くない。
曇っていたのが残念だったが、花自体は綺麗だった。
花畑をバックに華々しい女子学生の写真を撮ったならばこれはリア充合宿間違いなしだ。
ここでは全員集まってジャンプするといういかにも留学リア充アピールフォト的なのを撮った。
そう、写真を見る限りでは多分ビッキーゼミは国教1のリア充ゼミに違いない。
実際は?うん、仲は悪くないよ。
そんな素敵なお花畑であったが、一方で私の体調は急降下中であった。
前日飲みすぎたうえにインドから蓄積されていきた疲れがいよいよ体を苦しめてきた。
仕方ないからみんながラベンダーアイスを食べる中、一人リポビタンDを飲んで残りの観光に備えたのであった。
ここから長めのドライブとなる。
北海道は全国で一番広いので移動するにも区間によっては時間がかかってしまうのだ。
しかし、眺めはいいから移動していて飽きない(少なくとも晴れの日はね)。
私は助手席に乗っておじさんと話していた。
山本さんもけっこう旅行好きでヨーロッパやニュージーランドに行った話しで盛り上がった。
やはり旅行トークができるのはいいものだ。
私と山本さんが盛り上がる中、後ろは睡眠状態。
みんな夜が遅かったから疲れているのだろう。
車はその間にも富良野へ入った。
富良野といえば本州でも十分に有名な町だ。
しかし、何が有名なのかと思い出そうとしても思い出せない。
俺が何故富良野を覚えているかといえば昔トミックスの鉄道模型に凝っていた時期があってそのときに「特急富良野号」の模型だけが他のに比べて格段に安かったからおぼえているだけだ。
しかし、富良野に入っても全然普通だった。
そして、約1時間のドライブの後、車は通称チーズ工場に到着した。
いや、チーズ工房の間違いだった。
ここではチーズもしくはアイスクリームを作る体験ができる。
まずどちらがいいかと聞かれてなぜか非常に迷ったが結局チーズにした。
理由は・・・ここが「チーズ工房(仮称)」だからである。
チーズ造りまでは時間があったのでレストランで昼食を食べることにした。
メニューを見るとピザしかない。
しかもインド帰りの俺にとってはとてつもなく高く感じる。
しかし、腹が減っていたので泣く泣く食べることに。
そして何より出てくるのが遅い!!
しかも冷凍ピザin UKのほうがうまい!!
何てことだ。
コーラの量が多かったのがせめてもの救い。
マジでイタリアンにうるさい俺から言わせるとあの店が六本木に進出しても3日で客足が止まるだろう。
レストランを出てケータイをチェックすると内定先から電話が・・・何かと思ってかけてみると、「豊永君、君内定式の出欠出してないよね、まだ君だけだよ出してないの」と怒られてしまった。
すかさず「大変申し訳ありません、今ピザ じゃなくって、昨日までインドに研修に行っておりまして、、出すのが遅れて大変申し訳ありません」と謝罪した。
ふ~、危機一髪。あわや内定取り消しという悲劇が待っていたところだった。
よし、気分を入れ替えてチーズ造りだイエイ。
工房に入るとそこは女性ばかり!しかも都市圏からの若い人がいっぱい。
ここは留学先で鍛えた俺の料理の腕を見せるときが来たかとエプロンに着替える。
う~ん、実に家庭的な雰囲気でさまになってるなあ ←どこがや!
ってことで電気ポットを改造した装置みたいなので牛乳と変な粉を混ぜて作りました。
う~ん、全然おいしそうじゃないね、これ。
見た目は完全に豆腐がぐちゃぐちゃになったやつである。
これをチーズと言っても誰も信じないだろう。ってことでめちゃくちゃ楽しそうにチーズ作りしてる俺の写真がFBにあがってるけど、、、実際はそうでもなかったという話です。
そんなまずそうなチーズを持って外にでて次に向かった先は、チーズのお供、ワイン工場!なんか今日やたらと工場系多いなあ。
しかし、ワイン工場は陸の要塞らしくその場所が極めて分かりにくかったようで地元のオッチャンドライバーが3回も道を間違えるというまさかの事態となった。
そしてたどり着いたワイン工場はこれまた工場ではなかった。
ただワインの試飲コーナーと工場跡地があるだけのシンプルな建物だった。
というか試飲してて思った。
今まで飲み会のときにワイン浴びるほど飲んできたけど、まだまだ飲み足りねえ!てかワインのおいしさが分かる年頃じゃないってこと。
高いワインを試飲してもおいしいとは思えず、横にあるお子様用のぶどうじゅーすを飲んだらおいしく感じるというまさかの失態を演じる結果となった。
これじゃえいかのこと笑えないわww。
帰り道はいよいよ疲労のピークだった。
途中でメロンを食べにファーム豊田というところへ寄ったのだが車酔いで気持ち悪くてまさかのメロンを食べられないということになってしまった。
しかし、車酔いをしたということが知られると恥ずかしいと思ったのであえて「俺は今日の夕食が楽しみで楽しみでそれに向けて準備してるのさ」と言っておいた、ビッキーに。
でも実際夕食が楽しみなのは事実だった。
ビッキーの旦那さんの友人が料理長を務める海戦料理店に行くことになっていたからだ。
帰ってから1時間ほど寝て若干疲れを取ってレストランへと向かった。
雨も強くなってきて気分は暗くなったが、レストランの食事は私たちを満足させるのに十分だった。
まず挨拶代わりにたらばがにのボイルが出てきた。
今まで見たことのないほど実がぎっしりとつまっていてとてもおいしくいただいた。
普通は酢をつけて食べるのだが、酢をつけなくても蟹本来の味がしっかりとしていたので満足だった。
その次に私たちを驚かせたのは巨大なほっけの開きである。
ほっけというといつも魚民などの居酒屋に行った時に食べるのだがそれはけたが違って大きかった。
だいたい50センチ以上はあったと思う。
味も非常に新鮮で改めて魚のおいしさに気付かされた。
食べても食べても減らないほっけが夢の食べ物に見えた。
続いて寿司が来てとてもおいしかったのだが、寿司の印象が残らないほどかにとほっけが偉大だった。
この2つは北海道ではないと食べられないメニューである。
やはりジンギスカンでなくこちらの寿司を選んでよかったなと思った。
だがこのレストランは我々を飽きさせなかった。
寿司のあとは衣がさくさくでフィッシュアンドチップスを思わせる鳥のから揚げや味噌汁が続いた。
結局ビッキーはビールを3杯飲んで横になっていた。
しかし何といっても私はインド帰りで体力がほとんど残っていない。
食事の最後のほうはいよいよ疲れが出てきてあまりしゃべることもできずにただただ時間が過ぎるのを待っていた。
宿に帰ったのが10時過ぎだったがオーナーは風呂に入れてくれた。
こういう小さな宿だとそういった融通が利くのでありがたい。
今日は個人的には飲み会がしたくなかったがみんながやる気だったので一応部屋は明け渡して談話室でインドの旅行記を書いていた。
するとオーナーがやってきて卒論の話などをした。
オーナーにはポテトの丘で働いてみないか(短期)と言われたが、あのオーナーはけっこううるさそうで話が長かったのでここで働くことになればストレスが溜まるのではないかと思って全力で丁寧に辞退した。
もし年末年始働くとしても他のところを探そう。
するとしばらくしてひろうみがやってきた。
彼は飲み会の話題についていけなかったらしい。
しばらく2人で話していたが2時くらいになったので部屋に行って半ば強制的に飲み会を終わらせてみんなを隣の部屋に追いやって寝た。
多少強引だったかなあと思うが俺の体力にそんなことを考える余裕は残っていなかったのだ。
もし気分悪くしたらごめんねリアルに。