記録に残らない旅行は、旅行ではない。


これは私の自論である。


だから旅行にきたらいつも写真、旅行記、おみやげの3つは欠かさないのだ。




今回の北海道旅行はインドの直後の直後ということもあってモチベーションもそれほど上がらなかったし、疲れもでたので私にとってベストの旅行とは言いがたい。


さらに天気があまり味方してくれなかったのは厳しい。


雨こそあまり降らなかったが、スカっと晴れたのは最終日(半日)だけだった。


旭川の景色はやはり青空が似合うと思う。


雲ひとつない空に緑や黄色の丘が映えている。


さらにその中に点在する農家やロッジ。


そんな牧歌的な風景こそ私が楽しみにしていたものだったし、写真などを見てイメージを膨らませていたものだったのだ。





インドから帰国したその日はウォーリック飲みに行って、寝たのが24時で12時間寝た。


しかし、ゼミ合宿当日は6時間ほどしいか寝ていない。


朝、重たい体を引きずって羽田空港まで向かった。


20分集合だったので10分前を意識していったのだが誰もいなかった。


インドへ行ったときに成田に全員集合していたときとは大違いだ。


フライトまではお土産を買ったり、お弁当を探したりして時間をすごした。




国際線によく乗っていると飛行機の中で食事をする楽しさに慣れてしまうので何も食べるものがないことは非常につまらないのだ。


私は鯖の棒寿司を買って乗り込んだ。



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飛行機の中は各自思い思いに過ごす。




今日の機材はMD-90だった。


JALはこの飛行機を所有していなかったので旧JASから引き継いだ機材の一つなのだろう。


MD-90は小さい飛行機だが乗り込んだときの見晴らしのよさは旅客機の中でも群を抜いている。


中央部にギャレーがなく、飲み物などを収納するスペースも飛行機の前後に一箇所ずつあるだけだ。


それに少し興奮した。


席の並びは完全に運任せであった。


大学でチケットを買った順番は全く反映されていない。


私は通路側でゆきとちかこと同じ列だった。




離陸してしばらくすると飲み物のサービスが始まる。


揺れも台風もなく極めて順調な飛行だ。


全日空がANA MY CHOICEという方針を打ち出してからどうJALはどう影響されたのかと気になったが、国際線とはまったく違う内容だった。


コーラやビールなどの炭酸は一切なくて価格が安めのソフトドリンクが並んでいた。


私は寿司を食べていたこともあった緑茶をリクエストした。


国際線のCAは比較的年齢の高い人が多かったのだが、国内線も同じく年齢層の高い人が多かった。


若いCAはいったいどこにいるのだろうか。


さすがに国内線とあって、北海道という一番遠い目的地であるものの、国際線に慣れている私にとっては一瞬のうちに着いたという感覚しかない。


上空に上がって飲み物を飲んでちょっとしゃべったら着陸態勢。 





旭川上空に近づくとそこには美しい田園風景が広がっていた。


ルフトハンザでドイツのミュンヘンにアプローチするときの田園風景を思い出す。


田畑は黄色や青に色づいて、その中にほどよい間隔で民家が点在している様子は平和そのものでこの世で戦争や集団病が起こっていることなど考えすら出来ない。




中国の汚い風景とは対照的だ。


北海道はそういった意味でヨーロッパ的な要素があるのだと思う。


緯度も同じくらいだし。そして、いつも私が楽しみにしている瞬間がある。


それは、熱いところから涼しいところに移動するときに、機内からタラップへと降りるその瞬間である。


また、ターミナルから外にでる瞬間である。


旭川のときもその涼しい空気を感じることが出来た。


一瞬からだがひやっとするあの感じ。


自律神経失調症にかかったときにこの涼しさは私の病気を治してくれた。


ロンドンヒースローに降り立ったときのあの涼しさにはテンションが上がり、心地よさをおぼえたものだ。





旭川空港は2500メートルの滑走路を持つがとても小さい空港だった。


荷物受け取りの場所もひとつしかない。


出口へ向かうとビッキーがお出迎えに来てくれていた。


週3で会っていたゼミの教授に久しぶりに会うというのも不思議な感じだ。


空港から宿まではビッキーの夫の兄弟が送ってくれた。




中国から東京、インドから北海道。


激変する環境に私の体はついていけるだろうか。







案内された宿は「ポテトの丘」というペンションだった。


ゼミで一つのペンションを借り切るので男女2つの部屋に分かれるのだが部屋の大きさは同じなので女子には少々狭い配置になってしまった。


しかし、宿のオーナーが少々やっかいな人物だった。


今年66歳になるじいさんは元JALの事務系総合職だったらしく、自分には自信をもっている様子が見受けられる。


そして話のほとんどが説教か自慢。


特にJAL時代の自慢話はいろいろしていた。


そんなことをやっていたからJALが倒産したんだと思うような話もしていた。


そして何より話が長い。


終わるかのように見えてまた繰り返す、違う話題が出てくるなんてことが2~3回あった後にやっと終わるのだ。


しかし、そういった人は自分に満足して生きていられるのである意味とても幸せだ。






初日はほぼ移動だけで終わった。


晴れていたら周辺を散歩しようという気でも起きたかもしれないが天気はガチ曇り。


午前中は晴れていたらしいのだが、午後になって天気は下り坂で夜から雨が降り始めるという。




食事はいかにもペンションというおいしいものだった。


中でも焼き豚を大きくしたような豚肉に少々の野菜がロールされているあの料理はなかなか日常生活で味わうことのできないものだった。


鮭も大ぶりの身にトマトソースがかけてあるという一工夫ある味付けだった。


しかし、身が少々固くて女の子達にはうけが悪かったようだ。


量がそこそこあったので女子のほとんどは残していた。


やはりこういうところに男女差は現れる。




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ゼミの男子




夕食は久しぶりに話すので、若干緊張する雰囲気だった。


というのも、ゼミはゼミだがめちゃくちゃ仲がよいというわけではないし、めちゃくちゃ盛り上げるのがうまい奴がいるわけではない。


しかしこの落ち着いた雰囲気も悪くない。




思えばこのメンバーが出会ったのは一年前だ。


当時は男女仲良くなれるのかといろいろ心配したのだが、今ではその心配は半分解消された。





夕食を終えたら風呂の時間となった。


大浴場とは言っていたものの、実際にあった風呂はふつうの民家にあるような風呂を一段階グレードアップさせました的な簡素なものだった。


しかもシャワーの水流が弱かった。


女子達は長い髪の毛を洗うのに大変だろうなあと推測しつつ入浴を済ませた。


北海道のよいところは「夏でも長風呂ができる」というところにも見られる。


例えば実家で夏に風呂に入ってしまうと体を冷ますのに長い時間がかかってしまうが北海道だと外に出て10分も涼んでいれば自然と汗も引くのだ。






外で涼んでいると外灯に大きなガが集まっているを見つけた。


しかも半端は大きさではなく、手のひらくらいの大きさがある。


朝外へ出てみるとこれら殺虫灯にやられてほとんどが地面に落ちていた。


なかなか飛ぶのがうまくないらしく地面で羽をばたつかせている様子はなんとも気味の悪いものだった。


だいたい20匹くらいは地面に落ちていた。



ビッキーゼミの魅力はこの美女群!



 
夜になって大学生がやること、それは1つである。


そう、飲み会だ。


ビッキーゼミは真面目な人が多いといわれているが飲み会に真面目も不真面目もない。


飲み会に備えては宿に来るときに途中のセイコーマートという北海道独自のコンビニに立ち寄ってサワーやワインを買った。


ここでビール1ケースとならないところも女子が多いゼミならではだろう。


だいたいサークルでもそうだが、大学生の飲み会は遅く始まって早く終わる。


この早くというのは朝早くのことだ。


だから今回も例外ではなく、10時くらいに始まったのだ。



ビッキーゼミの人は今までそれほど飲まなかったので今回は何とかみんなに飲ませようとオリーブの文化を少し持ち込んだ。


それはゲームである。


しかし、オリーブでやっているようなバカけた乗りゲーは通用しないので無難にトランプに頼ることにした。



それも計算してトランプを持ってきておいたのだ。


大富豪をやったがそれほど盛り上がらなかったので困っているとはるなか誰かが新しいゲームを提案してくれた。


それは、順番にカードをめくっていって連続で同じ絵柄がでたらカードのところに手を載せて一番遅かった人が飲むというゲームである。



しかし、これは私を貶めるためのゲームになった。


私はえいかが負けたら飲むという「代打」の約束をしていた。


えいかはこのゲームにとても弱く負け続け、私の酔いが回ってきて判断力が鈍って結局白ワインを10回以上イッキする結果となった。


多分このゲーム中3分の2以上は私が飲んでいた計算になるだろう。


そして、いったん外に出た。


まさかゼミの飲み会で吐きそうなくらい気持ち悪くなるなんて夢にも思わなかったしかもゲームで。


これはみんなを飲ませようとはじめたのに結局自分が負けて飲むという自業自得である。






でもまあ酔っ払うのは悪くない。


私はテンションも上がってきて、自分をさらに追い詰めるゲームを提案してしまった。


それはメイクダイスゲーム。


寮で誕生日のときにやって盛り上がったゲームを再現したのだ。


しかしまたこれもなぜか私の目が出たときだけ真剣に追求され私は留学中と就職活動中の恋愛について語らなければいけなくなった。




みんなは「開が話したそうにしていた」というがそれは30パーセントくらいはあたっていると思う。


どうやらシェルボーイ+酒=オープンボーイ(本来の開の意味)になるらしい。



一人で妙に納得したときにはすでに2時30分になってみんな眠そうにしていたので会はお開きとなった。