今日はいつものように近郊の小金井公園にジョギングに行った。
そして、コースも終盤に差し掛かって、小道からグリーンロード(自転車、歩行者専用道路)に出るところがある。
その道に出ると後ろから誰かが走ってくる気配を感じた。
そして俺を抜かしていく。見ると父親と同じくらいか少し若いおっさんだった。
おっさんに抜かされて俺もだまっちゃいない。
おっさんはけっこうなスピードで走っていたが自分のギアをシフトして抜かした。
よし、このままこのおっさんに抜かれないように家まで走ってやろうと思い、少しスピードを上げて300mほど走った。
これで少し離れただろうと思って振り返るとすぐ後ろにおっさんの顔が!
くそ、この人速いなあと思ってさらにスピードを上げた。
そして500mほど走った。(この時点でだいたい自分のマックスのジョギング速度)
さすがについてこれまいと思ったがおっさんは7~8m後ろにぴったりと張り付いていた。
これはまるでマラソンじゃないか・。・
俺は今まで4年くらいここを走ってきてこんなふうに誰かと競い合って走ったことはなかったので色めきたった。
なかなかない機会だからもう少し走ってやろう。
そして、通常だと終了となる信号のところで赤で止まった。
そこでおっさんも止まって、見ると、明らかにこちらのことを意識している。
やるな、青年。 おっさんの目はそう言っていた。
何ぃぃぃ! これはこの勝負受けてやるぜと思って続行を決断した。
まさか父親くらいの男性とこんなバトルをすることになるとは・・・
今度はおっさんを先に行かせて追走することにした。
追われる立場のほうがつらいのだ。
するとおっさんはどんどんスピードを上げていく
すぐさま自分の限界速度近くまで来た。
しかも長いジョギングの後だったのでスタミナも少ない。
でも、ここまで続けてきた勝負をやめるわけにはいかない。
是が非でもおっさんの脱落までは走り続けようと思った。
そのまま約1キロ走った。
おっさんのスピードは一向に衰えない。
もう、だめだ・・・
次の信号の近くでユーターンした。
負けたと思われたくなかったので、あたかもいつもそうしているように毅然と方向転換し、おっさんが見えなくなるまで全力で走った。
見えなくなった途端、走れなくなった。
その後はずっと家まで歩いて帰った。
負けたと思った。
まさか父親くらいのおっさんに負けるなんて・・・
でも、なぜかすがすがしかった。
こんな風に人と競い合ったのはいつ以来だろう。
ありがとう、おっさん。