2アウト1塁。


最後の打者が打った打球はあと少しでライト前というところで相手のグラブの中に収まり


試合終了が宣告された。




3-23


今回は点数こそ取れたが強敵の前に記録的大敗を喫した。



そしてまたもや自分の打席の前で試合が終わった。



2年前に始まった寮のソフトボールチームは形を変えて


俺が留学に行っている間にソフトボールサークルになっていた。


メンバーもパワーアップした分、人数も増えて


1軍と2軍に分けるという結果になった。



自分に与えられた役割は2軍のキャプテン



このチームがどうやったら勝てるのか


とても難しい課題だった。


夏休みは週に一度1日練習というのを行ってチーム力アップを目指した。


体育の授業にもぐったりもした。



2年前3-0で敗れた悔しさがあった。


絶対に点数を取りたい


ホームベースを踏んで喜びたいと


それに俺は2年前はノーヒットだった。


今回は何が何でもヒットを打ってやる





しかし、1、2打席は敵の好守にも阻まれて凡退。


そして周ってきた第三打席


今日最後の打席だと思った。


もう勝ち目はなかった


自分のスイングをしようと決めてきた。




高めに入ってきたボールを思い切り振り抜いた。



インパクトの瞬間今までとは違う感触があった。



一瞬打球を見失う、



しかしそれはきれいな弾道で左中間へ転がっていた。



打った



ついに結果をだすことが出来た。


こんなに気持ちのいいものだとは思わなかった。





テニスは何回もクリアヒットできるが


野球はひと振りにかかる重みが大きい。


しかし、その分の喜びも大きい。


こうした喜びをひとつひとつ積み上げることで


人生は豊かになっていくのだと思う。