カイロからバスでひた走ること5時間。


砂漠の大地のなかに豊かな緑が広がっているのが見えてくる。


その瞬間長旅を続けてきたことが救われるきがする。


バスは5時間の移動を400円くらいで連れてってくれるが、それは囚人の護送車のようだ


外国人は一番後ろのエンジンの熱が伝わって暑い席に追いやられ


エアコンもない、トイレ休憩もない中、窓を開けて時速100キロで飛ばしていく


眠ることはできない。


暑さとものすごい風圧と席の狭さでただただ座って耐えるしかないのだ。



これは拷問ではなくて何だろう、2度と忘れららない経験となった。



そもそもなぜこんな思いをしてまで?


それはオアシスと砂漠ツアーが目的だ。


エジプトには奇岩が多く、全体が白く見える白砂漠とプリンのような山々が連なる黒砂漠がある。


砂漠で1泊するこのツアーは早大生にも人気が高いらしい。




一晩をオアシスのホステルで過ごし


いざ砂漠ツアーに出発した


昨日の曇りとはうってかわって快晴! (砂漠でも曇ることがあるんだ)


はるか遠くには蜃気楼も出ていた。


途中からツアーのジープはオフロードに入り


砂漠のデコボコの中をあらぶりながら進んでいく。


また砂が平らになったところではまるでクルーザーになったかのように


砂の上を滑るように進んでいく


こちらも100キロは出ていた気がする。


ところどころ観光ポイントがあって


そこではジープを降りて砂漠を歩くことができる。


高低差があるところで延々と続く砂の坂を寝転がって転がり落ちたのは


爽快だった


砂の上はジリジリ焼けるように暑い。


はだしになって歩くとそれが伝わってくる。




砂漠を1日かけて走りまわった後は白砂漠でキャンプだ!


ジープの上に積んであったテントやら机やらが活躍する時がきた。



「砂漠のど真ん中に寝転がると


見渡す限りの砂地が続いている。


聞こえるのは風の音だけだ。


俺は地球の本当の美しさに久々に出会ったかもしれない。


この爽快感はここでしか味わえないものだろう。


日が沈んだ方向はピンク色に近い色だ。


むらさき色、肌色そして黄色、白、水色となり


反対方向に行くにつれてだんだんと深い青になっていく。


空というものはこれほど様々に変化するものだったんだと


今更ながら気づかされる。


いつも見ているのに、今1番見たいと思うもの。


同じものでも見る場所によって全く表情を変えるのだ。




そして、一瞬理解できなくなる。


何故こんなに砂があるのだろう、


なんでこんなに静かなんだろうと。」 (旅行記より)



さあ、いよいよ日が暮れる。


サハラはどんな星空を見せてくれるのか


それは俺も知っている星空ではないかもしれない。