私が15歳の時アメリカへ行った。
学校やホームステイ先を調べるためだった。
その時知り合った大ちゃん。
スキー留学でユタ州にいたね。
コロラドのスキー場へみんなで遊びに行ったじゃない?
大ちゃんの練習コースはすごいハードコースで
降りれない私は泣いた。
大ちゃんは私を背負って私の板やストックも抱え
そのハードコースを難なく降りていったね。
さすがスキー留学してるだけあるよ!
とたんに15歳の私は恋してしまったの。
気持ちを伝えてもその時は断られてしまったね(T_T )
悲しかったけどめげずにアタックしたよね。
宮沢りえが好きだったからサイン色紙送ったりさ。
手紙もずっと書き続けたね。
大ちゃんから来た返事は2通だけ。
それでもすごく嬉しかったよ。
最期に話した電話で
「付き合おうか」
って言ってくれた。やっと念願叶った年。
ジョークの好きな大ちゃん。
筆不精な大ちゃん。
決してハンサムとは言えない大ちゃん。
(天国で怒らないでよ?)
スキーがとっても上手な大ちゃん。
日本で会う約束を果たさないまま逝ってしまった大ちゃん。
1度もデートしてないじゃないかぁ。
日本で再会できると思っていた年。
かかってきたのは大ちゃんからではなく
共通の友達。
「大ちゃんが死んじゃった」
私は何が起きたかわからなかった。
何のジョーク?って思ったよ。
全然話を飲み込めなかったけど耳に入ってきた話。
寝不足で運転していた大ちゃんはトンガ人を乗せて
ハイウェイを走っていた。
トンガ人は免許を持っていないから運転するのは
大ちゃんだけだった。
でも、大ちゃんが一瞬居眠り運転をした時に
事故がおき、大ちゃんはフロントガラスから
道路に投げ出されて即死だった。
4人乗っていたけど、死んでしまったのは
大ちゃん一人だということ。
アメリカで火葬して日本に帰ってくること。
私が最期に会えたのは15の時、
空港に見送りに来てくれた時だったんだね。
あの時私は、本当にもう会えない気がして
泣いていたんだよ。
それが「死」という形で会えなくなるなんて
思わなかったけど。
やっと「付き会おうか」って言ってくれたのに。
今度会えるときは日本で、そして恋人同士のはすだったのに。
先に逝ってしまうなんてズルイよ。
別れ話もできないじゃん!ケンカもデートもキスも出来ない。
思えば大ちゃんと実際に会えていたのは10日ちょっと。
それだけなのに、こんなに私の中で生きているんだね。
大ちゃんが生きていたら、私たちはどうなっていたんだろうね?
大喧嘩もしたかな?
それとも結婚したかな?(笑)
写真や手紙があまりにも幼くて、
今でもあの頃のままの大ちゃんの記憶しかない。
大事に取ってあるよ、手紙も写真も。
大ちゃんが生きていたらきっとすごいスキーの選手になっていただろうね。
大ちゃんの死は私の中でまだ認められずにいます。
あれから10年以上過ぎました。
お葬式に行かなくてごめんね。
言い訳に聞こえるかもしれないけど
生きてるって思っていたから葬式は認められなかった。
行ってしまったら大ちゃんの死をみとめてしまいそうで
怖かった。
大ちゃん、想い出の中で私はいつでもあの頃に戻り
恋してる。
それとは別に、現実の世界でしっかり歳も取っていき、
新しい恋もして、人を愛しています。
ねえ、応援してくれる?
そっちでは宮沢りえ似の女の子は見つかった?
自分勝手でごめん。
私は大ちゃんの分まで生きるって約束するよ。
大ちゃんが見るはずだったものを見ていくよ。
お土産話を持っていく。
今度はお茶位入れてよね!
そっちの世界を案内してよ。
できなかったデートも1回位しましょうよ。