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10階と1階

近いけど遠い距離。でも昔より近い距離。

彼女から来たメールは、俺たちがお台場に行ったことを茶化すような内容だった。

最初はそんな感じで普通にメールをしていたのだと思う。


メールをしている時に、一緒にお台場行った女の子のことを相談した。

純粋に俺は年上としてその女の子のことで心配なことがあったから、その女の子と彼女が一番仲が良いので相談しただけ。


でも、彼女の反応がちょっと変だった。

一緒に考えてくれると思ったのにちょっと不機嫌そうに投げやりな返事が来た。

俺がその女の子のことを心配していることが嫌そうな感じだった。

最初は俺はあれ?って思ったくらいで、何も気づかなかった。


その後も朝までメールをしていた。

でも、普通の話とは違う内容だった。

彼女は俺のことを好きなのかもしれない。

そんな風にも取れることを色々彼女に言われた。

でも、そんなことがあるわけないと俺は思っていた。

いろいろふざけてひどい事言ったりしてたし、彼女にはカレシさんがいるし。。。


でも、もしも好きでいてくれたなら。。。

まさか、好きでいてくれるなんて。。。


俺には彼女の発言の真意がわからなくて、混乱した。


メダパニをかけられたって、そのときは表現したね。

ドライブから帰ってきて、バイト先に顔を出した。

俺は彼女の顔を見たかっただけ。

本当なら彼女のバイトが終わるのを待って一緒に帰りたかったけれど、彼女は一緒に帰りたくないかもしれないと思い、待たなかった。


ほんとうは、次の日もまだレンタカーを借りているから、一緒にドライブに行こうと誘いたかった。

二人だけで遊びたかった。


また、あの夜みたいに二人だけの時間を持ちたかった。


そんな中、彼女のバイト後にメールが来た。

彼女の誕生日のちょっと前のこと。


彼女は自分の誕生日にバイトのみんなで遊びたいといっていたので、お誕生日会が催されることが決定していた。

俺はそこに参加できることが嬉しかった。

それを嬉しいと思うことで満足しなきゃだった。


彼女の誕生日プレゼントを買うために、レンタカーを借りてバイトの女の子と一緒にお台場に行った。

彼女とその友達は仲が良かったし、ちょうどお互い暇をしていたし一緒に誕生日プレゼントを買うのに最適だと思ったから。


そのとき、俺はちょっとでも彼女と会話がしたくて、知っているのにAT車の運転の仕方を聞くために彼女に電話した。

彼女に電話するきっかけが欲しかっただけ。

でも、すごく緊張した。

電話かかってきたら迷惑なんじゃないか、と。


でも、普通に会話してくれて、普通に教えてくれた。



でも、彼女はどこかとげとげしかった。

その日を境に、俺の気持ちは止まらなくなった。


もちろん彼女にはカレシさんがいる。俺にもカノジョがいる。

何も始められないことは分かっている。


ただただ、相変わらずバルビレッジで話すだけ。

今までよりも長い時間、二人で話している。

俺はただただ会話が終わらない事を願っていた。


もう頭の中には彼女しかいなかった。

誘ってみたら彼女が来てくれた。

さすがは10階と1階。あっという間に現れた。

すごくうれしかった。

また彼女に会えた。

会いたいと思ったときに会えた。


彼女は俺の作った料理をおいしそうに食べてくれた。

結構あっという間に食べ終えた気がする。

ご飯を食べにおいでという口実で誘ったので、その口実がもう終わってしまった。

ただただ、俺のご飯を食べに来ただけなのだから、もう帰ってしまうのかなと思っていた。

だから、俺は必死で会話を終わらせないようにと思っていた。

でも、ほかの友達も誘っていたこともあり、彼女はまだ家にいてくれた。

二人の時間がまだ続く。

それがうれしかった。


自分の気持ちを見せることもない。

ただただ、普通の会話。でも、二人だけで直接会ってしてる会話。

彼女が俺の前にいて、一緒に時間をすごしている。

これ以上に何も望めないのはわかっている。

幸せだけれど、もどかしい。


でも、最初で最後かもしれないけれど、ただの友達としてだけれど、二人で過ごしていることが幸せでたまらなかった。

永遠に二人でこうやって話せていられたらと思った。


でも、ほかの友達も来たからそんな長くは続かなかったけどね。


二人だけで過ごした初めての時間は一生忘れないくらい幸せな時間だった。

春の始まり、両親が旅行中で弟が友達の家に泊まりに行くということで、珍しく家にひとりという状況になった。

最初はたまには一人で気楽にすごそうと思っていたのだけれど、やっぱり一人はなんだか寂しかった。

そんな一人で家にいるときに、彼女とバルビレッジで会話をしていた。

そのころには彼女のことを好きだと自分で気づいていた。

でも、彼女にはカレシさんがいるし、バルビレッジで会話するくらいで自分の気持ちを抑えなきゃと思っていた。

ただ、その夜、俺は彼女に家に来てほしいと思った。

何をする気はないし、二人で遊びにいこうと誘うこともできないけど、友達としてでいいから、彼女と少しでも一緒にすごしたかった。

その夜は自分で夕飯を作っていたし、彼女にも俺は料理上手と以前話したことがあったので、それを口実に家に誘ってみた。

料理の腕前を見せたいわけでもない。

ただ、寂しい夜に彼女に会いたかった。それだけの理由。

もちろんそんな気持ちを伝えても、届かぬ思いだと思っていたから彼女にはいえなかったけどね。

彼女と話したいからバイトの遊びに参加するようになっていた。

もちろん他のみんなと話をするのも楽しいのだけれどね。

でも、彼女がいないときはいまいち盛り上がれず、楽しめない自分がいた。


いつの間にか、彼女と一緒に過ごす時間が自分にとって、とても幸せな時間になっていた。

時期は忘れたけれど、その日もバイトのみんなでカラオケ居酒屋に行くことになった。

確か、最初は彼女も一緒に行くんだったんだけど、彼氏さんに怒られたんだか喧嘩したんだかで行けないことになった。

でも、何でかは忘れたけれど、彼女の自転車でオレと彼女で二人乗りしてその居酒屋までは行ったんだよね。


で、その二人乗りしているときに彼女は、その彼氏さんとのことを俺に話してくれた。

相談してくれるのは嬉しかったけど、ちょっと寂しい気持ちもあったんだ。

もう、そのときには。。。

だんだんバイトの人と仲良くなってきて、彼女も含めてバイトの人たちと時々カラオケ居酒屋に行くようになりだした。


バイトのみんなの中でも、彼女が俺は一番話しやすかったし、話していて面白かった。

惚れたとかは抜きにして、人として、友達として、彼女のことは好きだった。

彼女の面白さは俺のツボど真ん中だったし。


でもね、俺には長く付き合っているカノジョがいて、彼女にも長いお付き合いのカレシがいたの。


だから、一緒にいる時間を楽しめても、それ以上にはなれないし、なろうとも思わなかった。

今思うと、思わなかったんじゃなくて、思えなかったのかな。

バイトの人に誘われて、というか、その時誘ってくれたのは彼女だったと思うのだけど、初めてバイトの人とカラオケ居酒屋に行った。

もちろんみんなの歌声を聞くのは初めて。

彼女の歌声を聞いてびっくり。

かわいかった。ほんとに。

あの歌声にはやられたね。


そういえば、その時に彼女とバイトの男性人のうちの一人が仲良さげにしてるの見て若干嫉妬した。

俺も彼女と仲良くしたかったんだな、その頃には。