人の悩みは様々な色があると思う
幼少期の家庭環境はその後の人生に大きく左右される
望む望まない幸せを感じる度合いも人によって温度差がある
これは僕が学生の時に経験したドキュメンタリーです
時は学生
中学校をまともに通わず気が向いたら授業中でも帰宅してしまう自由な学生生活を過ごし
中間・期末テストの日も学校に行かず繁華街のゲームセンターで遊ぶなどしていた為
当然まとな高校へ通う事は出来ませんでした
不良とは少し違うかな
見た目が不良とかそうゆう感じでは無く「自由」ってなんだろ?と疑問を抱き
自分が興味ある事好きな事だけを追求してた中学生でした
中学校卒業すると周りは卒業旅行などで春休みに向けて賑やかにしてたが
僕はつまらない理由から隣の中学校同級生と揉め喧嘩になり
相手は8人居ましたが、僕が先に手を出し引くに引けなくなり結果約3時間に及ぶ集団リンチ
中学校卒業後の春休みは14日間に及ぶ入院生活でした
高校受験は散々で中学校担任からは「お前が行ける高校など無い!早退が多すぎる!」と言われてた為
僕自身高校に興味は無かった
そんな中、他中学の友達が誘ってくれた偏差値最低の高校へ一緒に受験する事になり
合格発表の日は入院先でした
全身打撲・左目を裂傷・鼻骨骨折でしたが手術無く左目視力も回復し大事を取って全治2週間の入院
合格発表当日、父親と友人が僕の代わりに見に行きお見舞いに来た時「受かってたぞ」と教えてくれた
嬉しさは無くとりあえず退院して友達と遊びたい気持ちが大きかった
無事怪我も癒えて退院し、僕は飲食店でアルバイトをする事になる
気まぐれで過ぎた事は特に気にしない性格
そして高校入学式当日
僕は電車に乗り学校へ向かわず新宿へ向かった
入院している時、外の景色が恋しく電車に乗り何も考えず景色を眺め続けた
新宿で下車し壮大なビルに人の多さ、都会の景色に圧倒された
両親は居る、2つ年上の兄も居た
父親は毎日酒に溺れる酒乱、母親は短気でヒステリック怒ると皿などを投げる
僕が物心付いた頃から両親はお金の事で毎日のように喧嘩
母親が家のお金を全て使い果たしてしまう
兄は口数少ない静かな性格だが母親同様短気
兄とは毎日殴り合いの喧嘩をする家庭環境だった
ご飯を食べてると突然後ろから兄に殴られるなど日常の出来事
その度に「テメー!」と殴り合いになり両親は止める事なく「やれやれ!」と罵声を浴びせてくる
兄には勝てずいつもやられ、頭を縫う大怪我に包丁を突き立てられ頭を蹴られ気絶した事もあった
助けて欲しいと思う事無くこれが僕の運命かと思い現実と日々戦っていた
そんな日常を過ごし僕にとって家には居場所が無かった
だから入学式にj興味は無く行きたい場所へ行こうと思い都会へ向かった
春休みにアルバイトで稼いだ8万¥を握りしめて
何もかもどうでも良かった
高校入学早々に先生方から入学式を欠席し目をつけられたと言うか
驚くほど親身に心配され
高校へ通うと毎日2者面談になり
「体大丈夫か?何か食べたい物あるか?」と声をかけられ出前を取ってくれた事もあった
初めて他人の優しさを知った
その頃になると
深夜コンビにへ向かいパトカーとすれ違うと「〇〇!!何してんだ!」と拡声器で叫ばれるようになり
「お腹が空いたからご飯を買いに行くんです」と答えるとおまわりさんも優しく、お弁当を買ってくれた事もあった
友達からも「家泊まりに来いよ!」と誘いが日に日に増えて行き、充実し学校も楽しいと感じれるようになっていった
飲食店のアルバイトも慣れ稼いだお金で原付バイクを買おうと決め、学校にバイト友達と毎日が楽しくなり
そして・・・
高校1年の夏休みに初めて女性と付き合う事になる
高校の先輩方が車の免許を取り毎晩のように「遊ぼうぜ!」と誘ってくれて
ドライブなど遊びに出かけていた
そんなある日、先輩から「女来るからお前も来い」とほぼ命令口調で言われ
「?」と思いましたが、高1からの高3は随分と大人に感じ
言われるがまま出掛ける事になる
深夜0時、先輩が車で僕の家まで迎えに来てくれた(国道沿いのアパート)
車に乗ると学校内で何度か見かけたことのある高3の女子生徒が2人居た
1人の女子が僕の横に座り「ねぇねぇ、いつも誰と遊んでるの?好きな子いるの?」などたわいも無い質問攻めに合い
正直「うるせぇ女だなぁ」と感じてた
その女子の名前はS
学校・バイト・家出とそんな日々を送ってた僕に恋愛など考える余裕が無く
その頃には原付バイク買って、好きな時間に行きたい場所へ行くしか頭に無かった
第1印象は女の人って顔小さいんだなぁと良い匂いがする程度
車は走り何処へ向かってるんだろと思い30分ほど走った場所で止まった
そこは別荘地域のマンション、人生で入るのは初めてだ
すると隣に座ってたSが「私のお父さんの別荘だよ、鍵盗んで来た」と微笑んだ
ふーん・・・僕とは住んでる人種が違うなぁと感じた
Sが僕に「君可愛い顔してるよねw 学校で何度か見かけたことあるんだよ」と言われ
「可愛い」って言われるのがイラっとするキーワードだった僕は不機嫌になってた
「なんだこいつ」と心中で感じ
そんな中、マンションの1室に入り目に飛び込んで来たのは
部屋のリビングから見えるパノラマで海を一望出来る景色
海の向こう岸にオレンジ色で光る海岸線の街明かり
ずっと見ていたい景色だった
先輩・僕にSとその友達の4人で
お酒の買出しに行く事になり
目に入る夜景全てが綺麗でこんな場所あるんだなぁと
しかし何で僕を誘ってくれたんだろ?と疑問はあったけど
先輩がそっと僕の肩に手を回し「お前は俺の弟だ、いろいろあるけど楽しもう」と声をかけてくれた
この先輩はいつも僕の事を気にしてくれて、ご飯をご馳走してくれ毎日遊びに連れてってくれる先輩
高1で家を飛び出し彼女と2人で同姓しながら学校へ通ってる先輩
別荘住宅地をくだらない会話しながら笑い歩く未成年の4人
マンションに戻る前に花火して騒ぎ
こうゆう遊び一度経験してみたかったと優越感に浸り
マンションへ戻り慣れないお酒飲をみながら4人で語った
深夜2時過ぎ頃酔いつぶれて寝てしまった先輩とSの友達
するとSが僕の手を握って奥の部屋へ引っ張り
「起きてるの私達だけだ」と笑い
その笑顔がとても綺麗で可愛かった
自然とキスをし抱き合った
初めて女の愛しさを知った瞬間だった
時間が過ぎて行く中僕は「このまま時間が止まればいいのに」と思った
その後シャワーを浴びお風呂から出るとSが奥の部屋で泣いてた
何で泣いてるんだろ?と不思議に感じ
「どしたの?」と聞くと「ごめんね、ごめんね」しか言わず数十分が過ぎた
何だこの嫌な空気はと感じいてもたってもいられず
どうして良いかわからず時間が過ぎるのを待った
するとSが「ねぇどんな事があってもずっと横に居てくれる?」と嗚咽しながら囁いた
僕は「うん」と答えた
Sが「私彼氏居るんだけど、別れるから一緒に居て」と泣きながら言ってきた
「なんだよそれ・・・」と思い一瞬頭が真っ白になったけど「うん」と答えた
はぁ何かめんどくさくなりそうだなぁ・・・と感じた
その日、家に帰り眠れなかった
Sの事好きになってしまったから
1日家でゲームして気を紛らわせたけど、心中複雑の状態で週明けの学校へ行く事になった
学校へ着くと先輩、友達達が「どうだった?やったの?」と聞いてきた
「ん?あぁ・・・」と答えると「もっと喜べよ」と言ってきたけど
そんな気分にならなかった・・・Sは学校を休んでたから
携帯電話も持ってなく自宅の電話番号のみ教えてくれたS
この日の学校は楽しくなかった
帰り際にゲタ箱で友達や先輩が何やら騒いでる「どしたの?」と聞くなり
1人の友達が僕の腕を掴み「こっち来い」とゲタ箱から遠ざけた
「なんだよ!どしたんだよ!!」と言うと
「お前やばいから裏から帰れ」と言われた
Sの彼氏E(2つ年上)が僕とSの関係を知り激怒し僕を探しに学校へ来たと聞き
「あぁ・・・やっぱそうなったか・・」と
僕は友達に「逃げても俺が出るまで来るんだから、やられても良いから行くよ」と話し
ゲタ箱へ向かい友達・先輩達にも同じ事を話しSの彼氏Eの所へ話し合いに向かった
友達、先輩達は「お前がやられたら行くから」と言い話し合いの数メートル後方で隠れてた
僕はみんなに「そうゆうのもめんどくさいから2人にしてくれ」とお願いし友達達を遠ざけた
すると学校休んでたはずのSがゲタ箱に居る
僕はSに「どゆこと?」と聞くと何か様子が可笑しく「2人とも喧嘩だめぇ~」とヘラヘラ笑ってる
Sの彼氏Eと対面
「君かな?」と聞かれ「はい」と答え僕は「ここじゃ話しにくいと思うので人気の無い所行きましょう」と言い
プールの裏へ案内した
「僕の事殴りに来たならすきにどうぞ、僕は彼氏居ると知らなかったし謝る気も無いです」と話した
するとEは、怒る所か僕にこう言った
「Sの事どこまで知ってる?」と
「?」と思い「どうゆう事ですか?」
と聞き返すと「いや何でもないんだ、でも君にSは無理だと思う」と言われた
「でも僕の事殴りに学校へ来たのでは?」と聞くと
Eはこう言った「いや違うよ、どこまでSの事知ってるのかと本気で付き合う気あるのか話してみたくなった」と
目の前でSが「2人共仲良し~」と笑ってる
すぐに理解できた
あー・・・ドラッグやってるんだと・・・
アホ臭くなりEに「ホントに殴りたければどうぞ、別にやられるの構いません」と言った
するとEは「君地元〇〇で〇〇の後輩でしょ?全部調べてるし、話した感じ殴る気無いよ。騒がせてごめんな」と言われた
話し合いが終わり心配して集まってくれてる友達と先輩の所へ行き「もう大丈夫」と話し
ちょと1人にして欲しいとお願いした
1人でとぼとぼ歩いてるとSが来て「ねぇ喧嘩しないのね!私奪い取ってみろよ!」と言ってきた
むかつくと言うより嫌な気持ちになった
僕はSに「わりぃ俺喧嘩しないからさ1つ聞かして欲しい、なんで俺とやった?」と聞くと
Sは僕に「Eに浮気されたから」と答えた
「そっか・・・」とSに言いまた1人で歩いて帰る事にした
ムカついたけど一瞬でも楽しかった思い出や別荘のマンションから見た景色を思い出し
誰も居ない所で涙を流した
家につくといつものように兄が僕に「邪魔だどけ!」と突き飛ばし髪の毛を掴んで来た
今日は喧嘩する気も無く無言で自分の部屋に入りゲームを始めた
すると深夜1時頃誰かが僕の部屋の窓を叩いてる
アパートの2F通路側が僕の部屋だ
窓を開けるとSが泣きながら立ちすくんでた
「ごめんね」と言ってきたのはいいが
どうやって僕の家きたのか?Eと喧嘩して自転車で僕の家来たんだと
Sには話したい事が山のようにあるが、突然家に来てくれた嬉しさとムカつき両方の感情が入り乱れた
するとSはバッグからドラッグを出し「これ辞めれない・・・ごめんね」と泣き崩れた
好きな人が出来たと思ったら彼氏付きでヤク中で助けてくれって・・・
高1の僕には何をどう整理して良いかわからなかったけど
Sに対して好きって気持ちが強く「わかった」と小さい声で返事した
Eが僕に言った「君にはSは無理」ってドラッグの事か・・と理解した
その日はSを家に泊めた
翌朝母親が部屋に入ってきてSを見るなり「うちはホテルじゃない!出て行け!」と発狂してきた
僕はSに家庭環境の事を打ち明けた
するとSは「わかったじゃあ、私の家おいで」と言ってくれた
居場所の無い僕にはSに彼氏が居ようがドラッグやってようが、一緒に居る時間が幸せだった
初めて行くSの家はとても大きく想像を超えた
Sの母親は優しく、Sの父親は体の大きい方で無言、お兄さんは気さくで沢山僕に話しかけてくれた
Sの部屋は4畳半の僕の部屋と違い、3倍ほどの広さだ
Sの母親は僕を上から下まで見て「ちょっとこっちへ」と僕と2人きりにした
Sの母親に「E君の事とドラッグの事は聞いてる?」と聞かれ
「はい・・」と細い声で答えた
Sの母親に「うちの娘がちゃんと高校卒業するようにしてね」と言われ
するとご飯を作ってくれた
ここでも僕は親切にされた
Sは眠いと言い深い眠りについた
ドラッグの後遺症なのか、一度寝ると24時間は寝てしまう
Sの家は22:30になると僕に帰りなさいと門限があった
この頃ようやくアルバイトで貯めたお金で原付バイクを購入した
僕の家は門限は無い
22:30になり寝てるSを見て家へ向かうが、気分が乗らず公園で野宿しようと思い
帰りの途中コンビにへ寄りご飯を買おうとしたら友達Kに会った
この友達Kは高校も同じで学校に来たEの一件以来ずっと僕を探してたらしく
Kは僕を見るなり「お前今すぐあの女と別れろ!縁切れと」言ってきた
僕はKに「たしかにそれが良いかもしれないけど、俺には出来ないよ」と答えると
Kは「そっか・・・でもずっと心配してんだそ。学校のみんなも全員」と言ってくれた
心配かけるつもりは無かったんだけど、素直に嬉しかった
Kも家庭環境が複雑で同じく寝所を探していた
するとKが「なぁ先輩達が集まってるからそこ行こうぜ」と
僕は「行こうか」と笑顔で答えた
Kと遊んでる時間は凄く楽しくて心から笑う事が出来たから
僕はKのバイクの後ろに乗り先輩達が集まってる場所へ向かった
15人ほど集まってた
そこに居る先輩達もみんな片親や両親が里親など家庭に何かしら事情ある人達だった
似たもの同士類は友を呼ぶ感覚で自然と集っていた
深夜0時・1人の先輩が「走り行くか!!」と
僕が初めて暴走行為をした瞬間だった
バイクに乗れない僕は先輩の後ろに乗った
約10台のバイクが一斉にエンジンをかけると耳を塞ぎたくなるような物凄い排気音
バイクの後ろはジェットコースターに乗ってるような感覚で
Sの事、家の事から一瞬開放されバイクから眺める景色は不思議な感じだった
テールランプの明かりにリズムに乗せた排気音
スピードを上げると顔に風圧が来て排気ガス独特の匂いが混ざってる
途中バイクを止めみんなで夜の海を眺め吸いなれてないタバコを吹かし笑う
また走りだす
深夜2時を過ぎた頃だった
バイクの群れにクラクションを鳴らしながら1台の車が反対車線を逆走し前に出た
バイクが走る道を塞ぐように「キー!!」と急ブレーキをかけ車から一斉に4人の怖いお兄さん達が降りてきた
「止まれガキ共!」と怒鳴り手にはゴルフパッドを握っていた
僕を乗せた先輩は「しっかり捕まってろ!!」と叫びスピードを上げた
僕は歯を食い縛りバイクの後ろで震えてた
無事みんな逃げ深夜3時過ぎに解散した
僕はKと一緒に友達Mの家へ行ってMを叩き起こし泊めて貰う事になった
次の日学校はKと一緒に休み
正午過ぎ家に帰り、誰も居ないのを確認して久々の湯船に浸かり家の布団で眠りについた
夜19時頃母親に起こされ「ご飯食べなさい」と言われた
家のご飯を食べるのは1ヶ月ぶりくらいだった
父親、母親、兄もとても静かな1日だった
僕はこんな静かな日常を望んでたのかもしれない
窓を開けると車の通る「ブオー」と言う音に風の音
静かになるとSの事が気になり自宅へ電話してみた
Sの母親が出て「まだ寝てるよー」と
なにか不安な気持ちが取れない
暴走行為をし怖い思いをしてSに会いたいと思った
その日は大人しく家に居る事にして明日学校へ行く準備をした
次の日学校へ着き教室へ向かう途中Sを見つけた
Sは僕の方へ歩いて来て僕は声をかけようとしたら
「バチン!!」思いっきりビンタされた
Sは僕に「お前一昨日、私が寝た後集会行ったろ?」と言ってきた
僕は「それが何か?」と言い返すとまたビンタされた
Sは「お前もう友達と遊ばせないからな!!」と言い3年生の教室へ向かって行った
もぉ・・・なんなんだよーと思いつつ年上の女怖いと感じた
授業が終わり教室を出るとSが僕を待ってた
Sは僕に「今日バイト終わったら電話して」と言い帰って行った
バイトが終わり夜22時にSの自宅へ電話すると
Sが出て「深夜1時に私の家来て!部屋の窓の鍵開けとくから忍び込んで来て!」と言い電話を切った
僕はSに会えると思い嬉しくなり深夜0:30に家を出て原付バイクでSの家へ向かった
Sの家から数メートル離れた所に原付バイクを止めて忍び込む為Sの家の周囲を見回した
塀が高く2メートルほどある
更に塀の上には2メートルほどのフェンスもある
これを物音出さずに登るのは中々難しい・・・
僕はSに会いたい気持ちで静かに登った
窓は大きく部屋の明かりが見えて窓を開けるとSが僕に「やほー」と微笑んで「静かに・・・シー」と囁く
僕はSの部屋に着いた
するとSは僕に抱きついて「私が寝たら静かに帰ってね」と笑顔で言う
Sの笑顔が凄く可愛く胸が高鳴り、やっと会えた2人の時間が嬉しかった
深夜1時~早朝4時までの3時間が僕には幸せだった
早朝4時にSが寝てるのを確認しそっとキスをして部屋を出た
帰り原付に乗り
こんな日がずっと続くよう願いを込めた
次の日学校でずっと寝てた
日差しが暖かく先生もクラスメートもそっとしといてくれた
季節も暑くなり高1初めての夏休みを迎えようとしてた時期
7月・Sがある日僕に「別荘で夏休み一緒に住もうよ」と話したのがキッカケになり
僕はSの別荘のマンションで一緒に住む事になる
24時間Sと一緒に生活する幸せ過ぎる時間が僕に訪れた
一緒に買い物に行き料理を作り
日常のひとコマが全て新鮮で幸せに感じる
そんな日常だったが2つの問題を解決しなければならない
1つは彼氏Eとの関係
もう1つはドラッグとの関係
同姓して1ヵ月後に僕はEとの関係を聞いた
Sは僕に「こんだけ一緒に居るんだからわかるでしょ」と少し怒った口調で言う
次の問題ドラッグ・・・これが僕の想像を遥かに上回る存在だった
むりやり取り上げるとSは約40度近い高熱を出し寝込んでしまった
使用して1年ほど経過してると聞いた
高熱を出した状態で病院へ連れて行く事が出来ず
夜通しで僕は看病したが・・・
数日後Sは何も無かったように元気になり
僕はSに「あれやった?」と聞くと「うん」と答え
僕の目の前でドラッグを使用し始めた
Sは僕に「ねぇ一緒にやろ」と笑顔で言い
僕は断る事無く「うん」と答え一緒に使用した
その日初めてSが僕に「大好きだよ」と言ってくれた
Sと出会って3ヶ月後の出来事だった
僕はドラッグを使用した最初特に何も変化は無かったが
その日の夜後悔する事になる・・・
夜18時頃、晩御飯の支度をする為準備をしていると
キッチンの水垢汚れが気になり拭き掃除を始めた
Sが僕に「何してるの?」と言い
僕はようやく「ハッ!」と気づいた
時間を見たら21時を過ぎていた
僕は30分ほどの感覚であったが3時間も掃除をしていた
怖くなってトイレに行き嘔吐した
その後体の震えが止まらずガタガタと真夏に震えた
するとSがずっと僕の体を抱きしめて「大丈夫・・・大丈夫だよぉ」と囁いてくれた
僕は「これはダメだよ!」と言いドラッグの怖さを知った
その日から丸2日間全く眠れず
僕は心の中でこれは絶対に辞めさせないとSが死んでしまうと直感した
どうやって辞めさせるのが良いのか高1の僕なりに一生懸命考え
1つ答えを出す事になる
警察に捕まる可能性もあり病院はNG
施設などに預ける事もNG
僕に出きる事、大好きなSを救ってあげたい
僕はSと一緒にドラッグを使用し一緒に辞める道を選んだ
僕はSが使用する度に「さっき使ったからもう少し後にしよう」と言い
回数を減らすようにした
Sは僕も一緒に使用する事により僕の言う事を聞いてくれるようになっていった
1日1回が2日に1回になり3日に1回となり
徐々にドラッグを使用する回数が減っていった
夏休みが終わる頃僕の体重は47キロまで落ちてやせ細っていった・・・
Sは高熱を出し寝込み、2人で話しSは家に戻る事にした
そしてSの両親に同姓していた事が発覚し
僕達の同姓生活は終わった
Sの母親に呼び出されきっと怒られる覚悟で会いにSの家へ向かった
僕を見るなりSの母親は「どうしたの!」と驚き僕を抱きしめてくれた
元々痩せていたけど僕はその頃もっと痩せてしまっていたから
久々に友達Kに会った時も「おま・・・大丈夫?」と言われご飯を無理やり食べさせられた
苦しくても「頑張って食え」と言われ食べたけど
自宅に帰ると全部嘔吐した
僕は自宅で倒れ病院へ担ぎ込まれた
気がつくと病室で点滴を打っていた
担当の主治医が僕の所へ来て「どうしたんだい?何があったか話してごらんなさい」と僕が寝てるベッドの隣に座った
好きな人を救ってあげたくてと一部の同姓生活を主治医に話した
すると主治医は「君ね本当に死んじゃうよ、今の会話は誰にも言わない」と言い僕の手を握ってくれた
僕は自分がそうなってもSの事が心配で早く退院したかった
3日間に及ぶ入院生活
また病室から眺める景色
この数ヶ月で起きた出来事を振り返る
母親、父親もお見舞いに来て怒る事無く「何か食べたい物あるか?」と聞いてきた
友達も毎日お見舞いに来てくれた
それでも僕はSの事が心配で病室から毎日電話したんだ
Sは「熱が下がらず苦しい、会いたい」と言ってくれた
僕も「会いたい」と答えた
3日間の入院生活が終わり僕はすぐにSの家へ会いに行った
Sの母親、父親、お兄さんに僕はただ頭を下げ謝る事しかできなかった
幸い警察沙汰にならず僕もSも捕まる事は無かったけど
この日、僕はSの母親に「絶対辞めさせますから、もう少しだけ時間を下さい」と頭を下げお願いした
Sの母親は僕に「女の子はね体強くないのよ、君がしっかりしなきゃダメなのよ」と涙ながら話してくれた
僕がした行動は間違ってるのかもしれない
けどSの気持ちは僕にしっかり向ける事が出来た
そしてSの母親は僕に「そしたらこれから毎日学校へ行く前うちの娘迎えにこれる?」と言い
僕は「はい」と答えた
Sは1ヶ月寝込み休校届けを出し留年する道を選んだ
僕は学校が終わると毎日Sの家へ通った
冷えピタを交換しパジャマの着替えにおかゆを食べさせ
「元気なったらどこ行きたい?」と会話し
季節は秋が終わりすっかり寒くなっていた
Sの体調もすっかり良くなり僕達はSが寝込んでる時に行きたい場所お台場へ
クリスマスイヴの日出掛けた
Sと出会って半年が経ち初デートの日だ
周りから見れば普通のカップル
それだけで十分
やっとSと普通の高校生らしい交際が出来たんだ
寒い時期と一緒に嫌な出来事はゆっくりと近づいて来ていた
僕はまた学校・バイト・Sの家へ夜中忍び込む生活が続いていた
いつものように深夜1時Sの家へ向かうと携帯が鳴り出ると
Sは僕に「ごめんちょっと待ってて、親起きてるから」と言い
僕はコンビニで時間を潰す事にした
すると偶然友達のKとMと数人にばったり会った
何してんだよーと笑みがこぼれ遊ぼうぜーと誘いを受けるが
「ごめんちょと今無理だ・・・」と事情を説明する
友達達は今度なーと言いみんな何処かへ向かって行った
楽しそうだなぁ・・・いいなぁ・・・と感じた
その日Sから連絡は無く僕は家に帰った
次の日S自宅へ電話すると出かけてると
もう毎日×2深夜Sの家へ行くのに疲れを感じてた僕は
友達と遊ぶ事にした
次の日Sの家へ電話するとSの母親が「一緒じゃないの?今日も帰ってきてないわよ」と・・・
さすがに心配になり僕は原付バイクでSの行きそうな場所へ走りだした
外にいるわけないかと思い、連絡来るまで家に居ようと自宅へ戻った
その日の深夜1時くらいに知らない番号から携帯が鳴る
電話に出るとSだ「やほー、心配した?」と笑ってる
Sは更に「今E君の家に来てるんだ」と
さすがに頭にきて「もういいよ別れよう」と言った
E君と一生一緒に居れば良いと本気で思って心配した日を返せと思った
電話も僕から切った
すると10分もしない内にまた電話がかかってきた
今度は泣きながら「迎えに来て」と
頭にきた僕は向かいに行った
指定された場所へ着きSが座っていた
僕はまさかと思い「ドラッグやってE君やったろ?」と言った
Sは僕に「ドラッグはしたけどやってない」と言ったが信じる気は0だった
3日もお泊りして何も無いとか無理だから
僕はSを原付の後ろに乗せ家に送り「もう二度と俺の前に現るな消えろ!」と言い初めてSに怒った
胸に大きな穴が開いた感覚で
今までの何がダメだったのか自分を責めた
もう生きるのつまんないなぁ・・・と感じまた居場所無くなってしまったと
原付バイクに乗りどうでもよくなりボーっと運転してた
僕が向かってる先はT字の国道に差し掛かる信号
「ヤベぇぇ!」と気づいた時、僕は信号無視して国道に出ていた
右を向くと車のライトが目の前にあり
僕は宙を舞った
何メートル飛ばされたんだろ・・・・
薄れる意識の中対向車線の歩道に倒れてた
全身が痺れ動けない・・・
「救急車ー!!」と誰かが叫んでる
あぁ・・・俺事故ったのか・・・・やっと理解できた
周りに人が数人来て「大丈夫だからな!!がんばれ!!」と励ましてる
道路って冷たいなぁ・・・と感じ目を閉じた
「頑張れー!」と声が聞こえ目を開けると救急車の中だった
酸素マスクしてる・・・そしてまた目を閉じた・・・
気が付くと見慣れた天井の景色だ
僕は病院のベッドに横たわっていた
デジャブ?と思いつつ記憶が飛んでる・・・
何があったのか・・・ゆっくり思い出してみる・・・
そうだ事故ったんだ!!
ようやく意識を取り戻し、起き上がった
体は大丈夫なのかぺたぺた足や腕を触る
首に何か巻かれてる
ナースコールのボタンを押した
看護婦さんが来て僕に「わお!気がついたね、よかったねー奇跡だよ奇跡」と言う
何がなんだかわからない
相当な事故だったらしい・・・
僕が信号無視をして飛び出してしまった為
事故を起こし相手はタクシーで
時速60キロで走行しブレーキを踏む暇無くぶつかり
原付バイクはタクシーの下にめり込み乗り上げたタクシーのバンパーとフロントは大破
数メートル飛ばされた僕は鞭打ちだけで済んだと・・・
この時僕は別に死んでも良かったんだよなぁと思い生かされたのかぁ・・・
と痛感した
病室を出ると事故を起こしてしまったタクシーの運転手がずっと座ってたらしく僕を見るなり立ち上がった
時間は深夜3時
運転手さんは僕に「良かったー」と言い抱きしめてきた
死んだと思ったらしい
僕は「信号無視してすみません」と謝った
タクシー会社の代表さんも病院へ来ていて僕を見ると抱きしめてくれた
「事故は5部5部で良いから、自分の原付バイクだけ治しなさい」
と言ってくれた
そしてタクシーで家へ送ってくれた
自宅に戻るとSが家の前で座ってる
僕は「横に居て」とつぶやいた
Sは「うん」と返事した
僕はSに何も言わずゆっくり眠った
次の朝Sは僕に「私が彼女でごめん、もっと良い女の人いっぱい居るから」と言ったのが印象に残り
Sとは5年間交際し
ドラッグも断ち切る事が出来
最後は僕がSに対する気持ちが完全に無くなり
Sと話し合いし「Sに僕以外で好きな人ができるまで付き合う」と約束し
最後Sに好きな人が出きて僕は別れた
それから僕がSに会う事は一切無く
学生の頃、幾度となく生きるか死ぬかの狭間で出会い救ってくれた女性
僕の学生生活を一緒に過ごした大事な思い出です
Sには幸せな生活を送ってる事を願うだけです
僕が見た景色(学生編)終わり