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【ネタバレ注意】大妄想ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

今回の予告で僕の中のヱヴァンゲリヲンQが完成しましたのでお知らせします。

昨晩日テレ金曜ロードショーにて放送されたヱヴァQの予告については、ネジ一本に至るまでフルモデリングされたピアノがワイヤーフレームで虹色のハーモニクスを輝かせながら、新曲のピアノソロ曲が流れるというある意味裏切りを仕掛けられた予告でした。

この予告による裏切りは、何かを思い出させます。

そう、エヴァTV版放送当時、終局が近づくにつれ予告がラッシュになり、線画になり、ついには台本になっていった「なんののよ、コレ」と思いつつも「逆にかっこいい」「むしろかっこいい」となり、ヱヴァ信者増殖の一端を担ったあの予告に抱いた感情が帰ってきたのです。
予告によって裏切られた心。
その裏切りが期待に代わり、時を経て映像と邂逅したときの喜び。

ヱヴァヲタ諸氏であれば、すでにWALT9にて公開されたヱヴァQ予告ですでにテンションは最高潮に達していたと思います。私もそうです。現場に居たら一緒に感性を上げていたことでしょう。当然です。
モニターの前でアスカ登場から公開日発表まで同じどよめきを家で再現することに難なく成功していました。
今回の予告から我々は何を読み取ればよいのでしょうか。
さてヱヴァ新劇場版Qの予告は劇場公開時から数えて4本目となります。

1本目:DVD収録版(パンフも同じなので劇場版と同じと思われる)
2本目:2011/8/26放送金曜ロードショーでの予告
3本目:2012/7/1バルト9での予告
4本目:2012/7/13放送金曜ロードショーでの予告

それでは、それぞれの予告を振り返り、さらにその情報から11月に放送されるであろうヱヴァQを予想してみましょう。

1本目:DVD収録版(パンフも同じなので劇場版と同じと思われる)


この予告は絵とナレーションと一瞬映る英文テキストが1セットになって7つのシーンを伝えています。この7つの情景ははたしてどのような意味を我々にもたらすのか。

①ロンギヌスの槍に貫かれ眼光の消えた初号機
ナレ:レイとシンジを取り込んだまま凍結されるエヴァ初号機
テキスト:KEEP OUT/EVA-01 RESTRICTED AREA NO ENTRY BEYOND THIS POINT

②双子山をバックに瓦礫の山と化した第3新東京市
ナレ:廃棄される要塞都市
テキスト:KEEP OUT/TOKYO-III NEAR THIRD IMPACT GROUND ZERO

③オスプレイ複数機が空母へ着艦
ナレ:幽閉されるネルフ関係者
テキスト:KEEP OUT/NEAR THIRD IMPACT EYEWITNESS DEBRIEFING IN PROGRESS
NO ENTRY WITHOUT AUTHORITY

④セントラルドグマを浮遊して下降するヱヴァ6号機
ナレ:ドグマへと投下されるヱヴァ6号機
テキスト:KEEP OUT/LILITH PRESERVATION SITE ACCESS STRICTLY RESTRICTED

⑤水面?から光とともに浮かび上がる8号機
ナレ:胎動するエヴァ8号機とそのパイロット
テキスト:KEEP OUT/EVA-08 CONSTRUCTION AREA NO UNAUTHORIZED ENTRY ALLOWED

⑥赤い床の部屋に招集された4人の子供たち
ナレ:ついに集う、運命を仕組まれた子供達
テキスト:KEEP OUT/SEELE CHILDREN'S ASSEMBLY IN SESSION DO NOT ENTER

⑦苦悩するミサト、拳銃を構える加持、謎の登山隊、制服のレイと小さなレイ(複数)、メガネをはずす真木波(全裸)
ナレ:果たして、生きることを望む人々の物語は何処へ続くのか
テキスト:KEEP OUT/PRIVATE CONFERENCE BETWEEN MARI MAKINAMI ILLUSTRIOUS & ### DO NOT ENTER

かなり重要な要素とともに胎動を意味するQuickeningの大きな要素としての8号機とそのパイロットが突如フィーチャーされたこの予告。なんといっても眼帯アスカの一瞬の登場は、絶望が希望に代わる瞬間として劇場鑑賞時は万雷の拍手が巻き起こったほど。

この後、
・式波凍結のための棺
・左目に眼帯をつけたアスカ
が登場し、サービスサービスで度肝を抜かれていまこういう気分でいるわけです。

さて、その高まった期待がさらに加速されたのが2011/8/26金曜ロードショーでのヱヴァQ重大発表です。


2本目:2011/8/26放送金曜ロードショーでの予告


・宇宙空間で華麗に宙を舞い、月を背景にポジトロンライフルを乱射する2号機。
・おそらく撃破してヘルメット外しながら威嚇する眼帯アスカ


ナレ:
碇シンジは目覚める。傍らに立つ見知らぬ少年。そして、彼を待つ新たな世界。
次回、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q


眼帯アスカに高まりつくした心をさらに加速したこの予告。
アスカの背後に半透明的に[ACTIVE]と書かれた円と矢印がアスカの動きに連動して包み込むように動いている所も見逃せません。フォーカス甘目のメカ描写で宇宙空間で武器を取回している姿はまさにZを思わせる動き。エウーゴの新しいMSかと思った人も続出です。


3本目:2012/7/1バルト9での予告


序・破のPLAY BACKとともに大歓声で迎えられたQの予告。

映像は
・赤色の球体使徒らしきもの(背後に航空機らしきもの?)
・宇宙空間からのポジトロンライフルによる攻撃
・ATフィールドとともに大気圏突入する何か
・2機の宇宙船とともに地球上空を漂う2号機
・沸騰するLCLとアスカ
・ベイルアウトするアスカ
・触手型ビーム
・放電する何か
・高速に落下する2号機
・西暦2012年
・11月17日

基本的に2本目に公開された眼帯アスカ大活躍の予告続編。宇宙空間でアスカが大活躍!やったー!という点でうれしさ倍増、アクションシーンもガンガン動いてて映像的な期待度はMAXです。

すでにMAXですので、これ以上高められたらやばい。

でも、ストーリーはどうなるの?という所への疑問が今回4本目の予告に込められています。


4本目:2012/7/13放送金曜ロードショーでの予告

ガッカリ人間続出の本予告。
ほぼQの内容のすべてがこのピアノに入っているといっても過言ではない予告です。(過言です)

さて、本予告ではピアノが大きくフィーチャーされています。
そもそもTV版エヴァでシンジ君はチェロを演奏していました。
TV版で演奏しているのは無伴奏チェロでしたが、春エヴァでチルドレンの4名が弦楽四重奏を奏でることで、お互いがお互いに独立した存在であり、それぞれが互いを補完する事を意味しています。無伴奏からカルテットへ。Death編、つまりTV版1話から24話を通じて、シンジ君が経てきた心の成長を美しく表現した名演出と言えます。
そして、ピアノです。
ピアノのもつ音域・強弱はオーケストラと匹敵する表現力を持つといわれていますが、単独の楽器としてすべての音域をカバーするピアノはオーケストラの一部となることはありません。
個の特性を持った群体であるオーケストラという存在を人類補完計画における補完前の人類としてみた場合、単体で完璧な音楽特性を備えたピアノは補完された人類が目指した姿そのものと言えます。

互いに個性をもちカバーできない範囲を持ちながら「できそこないの群体」として響きあう音を奏できた人類が行き詰り、「完全な単体としての生物」へと人工進化させるための補完計画。
このピアノが虹色に輝く映像が「特報」として視聴者というかエヴァヲタに伝えた事は、つまりヱヴァ:Qにおいて人類補完計画が発動するということが考えられます。

次にピアノのとなりに存在する木について。
エヴァに登場する植物として一番馴染みの深い物はスイカに次いでイチジクです。
旧約聖書では知恵の実に手を付けたアダムとイブが、知恵を手に入れる代わりに自分と他人の存在の違いを知り、体を隠したのがイチジクの葉っぱであったことから、原罪を背負った人類の知恵の象徴としてのイチジクの葉がNERVのシンボルとして使われています。
そのいちじくの木がピアノの横に白い背景とともに据えられています。
つまり、知恵の実とともに生命の実を手に入れ人類を神へと進化させることを願う碇ゲンドウ、そして神への贖罪を行い人類を知恵の実以前の状態に戻すことを祈願するゼーレ。その対立が、ピアノという単体として完成した楽器の横に据えられていることで、静かに、静かながらもどちらの願いが叶うのかを予言しているかのようです。

これだけでご飯5杯程度は妄想可能なシチュエーションです。

さて、ここまでに公開された4本の予告を元に新劇場版ヱヴァンゲリヲン:Qの妄想を立てたいと思います。

■大妄想(その1)惣流・アスカ・ラングレーの復活
よく言われる新劇ループ説に私は賛成です。
式波となって登場したアスカですが、徐々に名前の意味が明らかになりつつあると思われます。
TV版までの女性の登場人物は綾波を除いてすべて「空母」に由来しています。この意味は「子供を産むことができる」メタファーであったことを考えると、今回の新劇シリーズでは露骨な形でその意味合いを使ってきています。

葛城(空母)ミサト
赤木(空母・赤城)リツコ
伊吹(空母)マヤ
綾波(戦艦)レイ
式波(戦艦・敷波)・アスカ・ラングレー(空母)
真希波(戦艦・巻波)・マリ・イラストリアス(空母)

綾波がTV版で人の手によって作られた存在であったように、破以降突然劇中に登場してくる式波・真希波は現時点で正体不明か何者かによって作られた可能性が非常に高い存在であるといえるでしょう。

1本目~3本目の予告では4号機事件で使徒に侵食されたまま封印された式波の棺はそのままに、これでもかと描かれる眼帯アスカの登場と宇宙空間での2号機での活躍は、まさに惣流・アスカ・ラングレーの復活を予告しているのではないでしょうか。
「今日の日はさようなら、また逢う日まで」でお別れしたけど、次はまた会える!
EoE最終シーンで右手の包帯、左目の眼帯という姿でシンジが選んだ世界に登場したアスカ。
「気持ち悪い」
の一言で拒絶という分離によって、新たな居場所を得たシンジ君の世界の続きの始まりです。

カヲル君が目覚めた月面タブハベースに並んだ棺は、旧世界のチルドレンが復活の時を待つ箱舟だとして、目覚めるほかのチルドレンが気になるところです。

■大妄想(その2)前半はカヲル・アスカ大活躍。レイ・シンジ活躍なし。
初号機に取り込まれたままのレイとシンジ。突如復活する眼帯アスカ。サードインパクト寸前でMark.06により投げられたロンギヌスの槍につらぬかれた初号機をこのまま神の憑代とすべく、第3新東京市を舞台としたゼーレとネルフによる初号機・ロンギヌスの槍の争奪戦が今、始まる!といったところ。
ゼーレの思惑をしりつつ、シンジを救うべく飛来したカヲルと、ネルフ随一のパイロットである気概を武器に覚醒した惣流・アスカ・ラングレーが、初号機とシンジを奪うべくどこからか飛来した8号機と激しい戦いを繰り広げる。遠隔攻撃で敵を翻弄するカヲルと近接戦闘に火力十分なアスカが次々と攻撃を8号機に浴びせ、戦いはクライマックスへ。
戦いの最中、エントリープラグが排出され中から出てきたのは…(すみません。ネタバレになるので書けません)
しかし、エントリープラグが無くても動く8号機。内蔵のダミーシステムはまだ生きていたのです。

■大妄想(その3)人類の存亡をかけた戦いが今始まる
8号機の圧倒的な力を前に、敗北を期す二人。
初号機に取り込まれたシンジは、意識の中でいつもの病院の中にいた。
傍らに立っている少年。
見覚えはあるが、名前は覚えていない。
シンジ「君は?」
カヲル「僕は君のことを知っているよ。碇シンジ君。君は、この世界を作るために生まれてきたんだ」
シンジ「よくわからないや」
カヲル「行こう、碇シンジ君。悲しみに満ちた世界が君を必要としている」
絶望的な状況下のカヲル、アスカが動けなくなる中、槍に貫かれた初号機の体から光が走り、中からは新たな初号機と零号機が登場。
シンジ「ごめん、アスカ!そいつ(8号機)は僕にまかせて綾波の援護を頼む!」
アスカ「バカシンジ!」
8号機を圧倒的な力でねじ伏せる新・初号機。このあたりで劇場のテンションはMAX。

このあたりになるとTOHOシネマズで食べるキャラメルポップコーンも小さくて弾けてないやつしか残ってない。

■大妄想(その4)人類の補完の始まり、
そうこうするうちに(登山隊が宇宙空間で爆発する8号機の様子を目撃していたりする)第11の使徒が出現。透明なホログラムの人間ような巨大な使徒がセカンドインパクト爆心地近くから現れる。七色に輝くその体は自在に形を変えながら地球上を包み込み、すべての生命そのものを吸い上げていく。
ゼーレの仕掛けた人類補完計画が発動したことを察知したカヲルは、この使徒が人工的に進化した人類そのものであることに気が付く。群体から使徒を憑代として単体への生命として進化しはじめた人類は、その進化を拒むヱヴァンゲリヲンの存在に気が付き、レイ・アスカ・シンジ・カヲルの前に出現する。

巨大なピアノの形に変化した使徒は七色に輝く光を放ちながら、チルドレンの精神を直接攻撃する第11の使徒。反撃をしたくてもそれが人間だとわかっているからこそ攻撃できないシンジ達。
あまりの巨大さに逃げることすらできず、このまま精神汚染されヱヴァごと取り込まれてしまうのか!?

しかし!その時それぞれのヱヴァが手にしていたロンギヌスの槍のコピー突然チェロやバイオリンに変形。突如としてピアノvs弦楽四重奏による音楽バトルが始まるのであった。けいおん!を意識した展開に劇場は唖然とするが、「ああ、予告通りだったんだ」と一人納得する者もちらほら。
画面が突然真っ暗になると舞台は学校の中へ。
ヱヴァのまま音楽室でチェロやバイオリンを静かに引いている情景に、「ほら!やっぱりこれがヱヴァだよ!」と一部古ヲタは大絶賛するが大半が茫然。
ピアノと弦楽四重奏によるバトルのような協奏曲はどんどん盛り上がりを見せ、地球全体に広がってしまった第11使徒の内部のATフィールドがシンジ達の演奏に同調しはじめる。単体で均整のとれたピアノの調和された世界よりも、一人一人がお互いに異なりながらも支え合う弦楽の音色に一度は補完を希望した人々の心がATフィールドを放ちはじめたのだ。

ヱヴァが手にした光り輝く楽器はクライマックスを迎えると同時にロンギヌスに変形し、第11使徒のコアを貫く。瞬間、ホログラムの形がユイの形に変わる。
「シンジ…もう一度この手で抱いてあげたかった。でも大丈夫。あなたなら、大丈夫。太陽と月と地球さえあれば・・・」
と消えながらヱヴァ初号機の頬に手を差し伸べるユイ。

シンジは涙をこらえようと目をそらしてしまうが、二度みようとしたときにはユイの姿はなかった。
まぶしい光とともに静かに消えた使徒。

白い壁に囲まれた教室には1台の黒いピアノが置かれており、その横には若いイチヂクの木が生えているのであった。
ショパンの別れの曲が響きわたる中、エンドロールが流れはじめる。



新劇場版ヱヴァンゲリヲン:Q
つづく