前回は、大規模で戦略的なアウトソーシングの実現を阻害する心情的とも言える要因2点に関して述べました。そして、本日は如何にして2つの要因を乗り越えるべきかに関して述べたいと思います。
一つ目の要因として、業務の担当者や管理者が自らの業務に関して高い価値を保有していることだと述べました。しかし、よく考えてみますと、この意識は、いつまでもこのままでよいとの安定志向や保守志向を生みがちです。また所属している企業も高度成長時代ほど安定と言うわけにはいかないと思います。したがって、担当者一人一人がいかに一つの企業の一つの専門分野に関して価値を見出していても世の中全体で、それが評価されるとは限りません。その中で、一人一人も業務に誇りを持ちながらも向上心を持ち続けることが肝要と思います。
また、一企業だけでなく、給与計算や経理業務などの多くの企業の業務の受託しているアウトソーサーの方が、専門分野を幅広く磨けるだけでなく、企業として安定するかもしれません。これから、間接業務で働く一人一人はこのような意識に転換する必要があると思います。
次に、二つ目の要因として、実務経験が乏しいと戦略的な業務も遂行できないとの意見です。しかし、永らく経理の実務経験がある私より、業務経験がないのに経理的な物の見方や判断ができる何人にも出会いました。逆に細かい実務的な経験がないことで、広い視野で判断できるのだとさえ思った程でした。
仮に、それでも実務経験が必要だと考えるのなら、企業内に留まらず専門分野のアウトソーサーに対して、担当者の一定期間出向を要請することも考えたらどうでしょうか。キャリア形成を一企業だけに留まらず考えることも方法だと思います。海外の中には、自らのキャリア形成を考え、よりよい働き場所を求めてジョブホッピングをする人も多いとも聞いています。既に日本でも、そのような動きも一部あるように思いますが。企業側でも企業の枠を越えて能力開発を実行することも重要だと思います。
日本企業を取り巻く状況は、グローバル競争が激化しています。そのような中で、強い個人を作ることが何よりも大事です。そのためには、アウトソーシングの実現の観点に関わらず、一人一人の意識転換が強く求められていると思います。