駅のホームのベンチに座って
あ~なんだか日々感謝だなあと思いながら
いつもいるハトを見ていたら

「靴ひもがほどけてるわよ」
優しい声で、素敵なおばあちゃまに
声をかけられた。

明るい色のジャケットを着て、
かわいいイヤリングもつけた
お洒落で上品な女性。

わたしは、嬉しくなって
満面の笑み(だったと思う)で
「ありがとうございます♡」と
返した。

 

「ほどけた紐でケガしちゃった

ことがあるのよ、だからね」

とおばあちゃま。

 

こういう何気ないやり取り大好き。

そこで、ふと、
忘れかけていた思いがどっと蘇ってきた。

そうだ、私がなぜ、この土地にこだわって
住んでいるかって、
便利だから、気が合う、からだけじゃなかった。

幸せそうで上品でおしゃれで素敵な香りにつつまれた
可愛いおばあちゃんにずっとあこがれていて、
自分もそうなるって決めていたからだ。

今住んでいる場所はそんな理想の女性が多かった。

だから、一度都心に転居しても

ここに戻ってきたのだった。

 

そういえば、転入届を出したとき

区役所のお姉さんに、

「おかえりなさい」ってなぜか

言われたっけ。

 

思い出した~。
ここにいる一番の意味。

理想のおばあちゃんになれるように

頑張ろうお願い