とある日の午後

この前THE FIRST SLAM DUNK応援上映に連れて行ってくれた友達から

とあるイベントに誘われました


その友達は自分のことを「オタク」と言うけど

その呼び方はなんとなくしっくり来なかった


友達はアニメや漫画などのサブカルチャーだけでなく

「様々なカルチャーを愛しまくってる人」

という印象でした



そんな様々なカルチャーを愛しまくってる友達が誘ってくれたのが

変態イベント「デパートメントH」でした










「デパートメントH」とは

鶯谷の東京キネマ倶楽部にて

毎月第1土曜に行われる夜会で

DQ(ドラァグクイーン)の方たちが取り仕切る変態イベントのことです



今回は5月6日ゴムの日にちなんで

世界各国からラバーマニアたちが集う

「大ゴム祭」となっていました






何度か行ったことのある友達から

「5月6日はゴム祭でめっちゃ盛り上がるからおすすめだよ〜」


と言われて

何が何だかわからないけどとりあえず参加させていただきました






人生で一度もクラブに行ったことない自分が

初めて行くのが東京キネマ倶楽部のデパートメントH


レベル1でいきなり魔王は飛び級し過ぎなんじゃないかと思いましたが

隣に歴戦の勇者がいるのでワクワクして行ってきました












5月6日23時 天気は曇り

降りたこともない鶯谷の駅で降りて

テクテク歩いて1分で着きました

老舗のクラブ

東京キネマ倶楽部



(写真は翌日の朝撮りました)




変態たちが起きる時間

24時ごろスタートとのことでしたが

友達は

「オープニングのDQの顔見せは絶対見た方がいい!」

と言っていたので早めの23時に集合しました





その時間はまだ並んでる人も2.30人しかいなくて

(そんなに人多くないなー)と思っていたら

続々と人が増えて駅に続く歩道橋の上まで

どこまで並んでるのか見えなくなるほどでした



(2時ごろMCの方が

まだ入場待ちしてる人がいる

とおっしゃっていました

早めに行って正解でした)





列に並んでる時に周りを見ると

もう既に全身ラバーに包まれた猫耳の人やエヴァのプラグスーツのようなラバーガールズたちがいました




コミケなどのコスプレイベントにも行ったことがないので


(なんだかすごいところに来てしまったっぽいぞ!)と


強敵を前にした悟空ばりにワクワクしてきました








24時を過ぎてもまだ並んでいて、どうやら開場時間が押してるらしい

それでも変態たちは大人しく並んで待っていて

(なんて紳士的な変態たちなんだ!)

と感動しました




途中で

「車通るよ〜道あけて〜」

と運営のDQの方が誘導していました


こういうクラブとかって怖いSPみたいなお兄さんが仕切ってるイメージがあったので少し意外でした



でもDQの方は「強く生きてきた証」というのか

なんとも言えない覇気みたいなのがあって

すごく統率が取れていました




デパートメントHが長年愛されて続いているのも

DQの方たちの覇気と努力の賜物なんじゃないかと思います












30分ほど押して24:30ごろ

ついに東京キネマ倶楽部に足を踏み入れました






入り口で顔写真付きの身分証明書を必ず注意深く確認していて

セキュリティもしっかりしてるな〜と感心しました


奇抜な格好をして行くと割引があるみたいで

みんな思い思いの変態カーニバルで参加されていました

でも上裸や局部の露出はNGみたいで注意されていました





香月はラバーマニアでもなければDQでもないので


(中途半端なコスプレは失礼に当たる!)


と思い

ユニクロの黒スキニーパンツと

ユニクロのワッフル生地白Tシャツ

という最強に無難な服装で参加させていただきました



実際、来てた方たちみんな凄いクオリティの衣装でした

かなりお金もかかってると思います

ゴムへの本気の愛が感じられてカッコよかったです









東京キネマ倶楽部は内装もすごくオシャレでした

昔の洋館みたいなハイカラな感じで

大正ロマン溢れる異世界空間でした




2階はこんな感じです

吹き抜けになっていて左の椅子に座ってフロアとステージを見下ろすことができます




開場30分後には通路までギチギチに人がいて

動員率400%くらいになっていました



僕らは1時間半前から並んでたので右手のソファー席に座れてなんとかゆったりできました

飲食持ち込みOKなのでみんなでポタポタ焼きを食べながら百鬼夜行を眺めていました











ゴム祭ではみんな一体どんなコスプレをしているのか

イメージしづらいと思います



わかりやすく言うとバットマンに出てくるキャットウーマンみたいな感じです

黒のラバースーツの方が多かった気がします




体はみなさんラバーに包まれていて

頭は丸出し、猫耳、ドーベルマン、ガスマスク、ガゼルなど様々でした



全身ラバーの方が多かったので露出は控えめでしたが

局部しか隠れてないラバースーツや

全裸で局部にゴムだけ装着の丸出しさんもいて

ちゃんと変態でした





私服で来てる人ももちろんいましたが

私服もみなさん凄くおしゃれで香月はかなり浮いてたと思います

まさか上下ユニクロで浮くことがあるとは思いませんでした……








街中でセーラー服を着たおじさんを見かけたらやっぱりビックリします

でもデパートメントHではそれが当たり前

むしろ割引されたり歓迎されます


そんな日常に抑圧された個性を解放できる

変態たちのシェルター

それがデパートメントHなんだと思いました




だから街中で変な格好して白い目で見られてしまってる人は

みんなデパートメントHに行ったらいいと思います

そこなら同じ個性を持った同志にも出会えることでしょう






クラブといったらナンパやワンナイト

そんな良くないイメージを持っていたのですが

デパートメントHは

ナンパの場、というよりお披露目会

といった雰囲気でした


1階フロアではみなさん思い思いのコスプレをして

写真を撮りあったり

お互いのラバーを褒めあったりしていて

すごく純粋な空間に感じました





おそらく、ナンパ目的や冷やかし野郎は一人もいなかったでしょう

というか、ナンパ目的で来てもラバーマニアたちに圧倒されて縮こまってしまうんじゃないでしょうか


それに、そんなニワカ野郎はデパートメントHには辿り着けないと思います




大きく宣伝もしてないアングライベントなので

僕の友達のようにカルチャーを愛し過ぎた人のみが辿り着けるラピュタのような場所だと思っています









実際僕もラバーマニアじゃないしLGBTQでもない

一介の雑魚芸人が参加してもいいのか不安でした


でも友達が「見てるだけでも大丈夫」

と言ってくれたので

とにかくイベント中は拍手して盛り上げて

観客に徹しました


スマホ弄ったりするのも失礼かと思い

イベントのメモを書くのもこっそりやりました








僕は真顔だとかなり目つきが悪いので

ガン飛ばしてると勘違いされないようになるべくニコニコしながらみんなを眺めていました


そしたらコスプレした方たちは目が合うと手を振ってくれたりしてすごく優しかったです





他にも

1階のステージを近くで見ようと歩いていたら

ネプチューンマンみたいな方が

「前どうぞ」

と譲ってくれたり

みなさんの配慮に感動しました




やっぱり自分の個性を解放できる大切な場所を守るために

それぞれがマナーを守り

みんなで築き上げているんだなー

と感心しました


迷惑かける撮り鉄とかに見習ってほしいと思いました








段々イベントに慣れてきた香月は

「せっかくだから誰かと写真撮りたい!」

と調子乗ったことを思い始めました



みなさんの衣装が本当にクオリティ高くて

ラバーマニアでない僕でもカッコいいと思う人が多くて

ディズニーでドナルドと写真撮ってもらうような気持ちでラバースーツの方に声をかけさせていただきました





「すみませ〜ん

よかったら写真撮ってもらってもいいですか?」








正直

「お前私服やんけ!雑魚は話しかけんな!」


と殴られるかとビクビクしていたのですが


「いいですよ〜」

と快く承諾してくれました


それがこちら





サービスで肩まで組んでくれてめちゃくちゃ嬉しかったです

近づいたらしっかりゴムの匂いがしました

当たり前なんだけどなんか面白かったです








この際だから思い切って

「ブログやってて写真載せてもいいですか?」


と聞いてみたら


「ぜひぜひ!なんて調べたら出てきますか?」


と丁寧に聞いてくださり本当に感謝です

緊張してちゃんとお伝えできなかったので

このブログを発見できるかわかりませんが

この方たちまで届くことを願っています












深夜2時ごろ

待望のDQの方たちの顔見せが始まりました

盛大なファンファーレと共にカーテンが開き

スポットライトに照らされて登場するドラァグクイーンは、煌びやかに輝いていました





衣装も豪華でカラフルで

音楽と会場の雰囲気も相まって

上質なオペラでも見ているかのような気持ちになりました


舞台上に並ぶ10人のDQの方たち

撮影OKだったので撮らせていただきました


アベンジャーズより豪華でした






実物はもっと迫力があって

ビックリするほど綺麗な方もいました










会場のボルテージも最高潮

そしていよいよメインのイベント

ラバーファッションショーが始まりました



選ばれしラバーマニアだけがステージの上でパフォーマンスをさせてもらえる

いわばマニアたちの甲子園


めんなめちゃくちゃ気合い入ってました





自作のラバースーツを着て花道を歩き

大歓声の前でポーズを決めて写真を撮る


たぶん世界一興奮するプレイだと思います







プロのモデルさんかと思うほどスタイルの良い方もいて

その長い手足がラバースーツで更に強調されていてアートのような美しさでした

ラバースーツの魅力が少しわかった気がしました







ラバースーツを着たバンドの演奏やポールダンスもあり

とにかく飽きることのない時間を過ごさせていただきました


ステージの上もさることながら

通路を歩いている方々の衣装もすごくて

ずっとエレクトリカルパレード見ているような気分でした








ラストにはラバー集団がステージ上に集合し

ものすごいゴム密度でした




舞台上にラバースーツ

それを見てる観客もラバースーツ

まさにカオスの空間でした










人混みと二酸化炭素とタバコの煙で

だんだんクラクラしてきて


ここで火事が起きたらものすごいダイオキシン発生しそうだなー

なんて余計なことを考えて笑っていました














予想以上に異次元の変態イベントで

お笑い芸人やってる自分が

おそらく一番一般人でした


でもその魅力を伝えていくのが自分の仕事だと思い、このブログを書きました


長くなりましたが

お付き合いいただきありがとうございました


もし興味が湧いたらぜひ

みんな優しくて怖くないので

気軽に参加してみてください


想像以上の体験が待ってると思います