先日のブログで、日本の海の魚から検出されるマイクロプラスチックの話題を載せました(【環境汚染】魚の内臓のプラスチック)。

 

大きさが五ミリ以下の微細プラスチックをマイクロプラスチックといいます。海洋汚染で問題になっています。

 

その後気になったので、中国でのマイクロプラスチックの研究論文をみていたら、なんと中国産の食卓塩(15ブランド)にマイクロプラスチックが含まれていたとの報告がありました(Yang D, et al. Environ Sci Technol 2015;49:13622)。

 

上記論文から。左の写真は上から海→塩→食べ物の写真。右は上からポリエチレンテレフタラート、ポリエチレン、セロファン。micro-FT-IRという方法で検出される波形も示されている

 

この研究では、中国国内で販売される15種(海水、湖、岩塩から作ったもの各5ブランド)の食卓塩の中ににマイクロプラスチックが含まれているかを調べました。その結果、一部の岩塩由来のものを除いて、ほとんどの塩にマイクロプラスチックが含まれていました

 

下のグラフは作られた場所ごとにわけて、塩1kgに含まれたマイクロプラスチックの平均個数を示したものです。予想通り、海水からの塩が最も多くマイクロプラスチックを含んでいました。

 

上図は論文から当方で作成。縦線は標準偏差を示す。

 

検出されたマイクロプラスチックは破砕状あるいは繊維状のものが多く、55%は0.2mm程度の微細なもので、多くはポリエチレンテレフタラート(ペットボトルに使われるプラスチック)だそうです。マイクロプラスチックは人間の廃棄物からでていると考えられます。

 

マイクロプラスチックが含まれる塩を調理に使ったからといって、直ちに健康被害がでるとは思えません。しかし、調理の熱で溶けたプラスチック成分を長期間摂取した場合に、どのような悪影響があるのかは誰にもわかりません。

 

中国産の塩を買うときは、海水から作ったものは避けた方がいいかもしれませんね。

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