スガシカオ「THE LAST」を聴いています。これは子供は聴いてはいけないアルバムだ。

ジャケットはアマゾンから。ビクターエンタテインメント、2016年発売。ジャケットはインベカヲリ★氏の手による。

 

いきなり1曲目の「ふるえる手」で撃たれる。この曲の冒頭はこのように始まります。

 

いつもふるえていた/アル中の父さんの手/

ほくが決意をした日/“やれるだけやってみろ”って/その手が背中を押した

 

すごい歌詞です。日常に戻れなくなります。自身のアルコール中毒の父親のことを淡々と歌う。私的な内容なのに暗くならず、広い世界を想わせる曲構成になっている。

 

4曲目「海賊と黒い海までは割と安心して聴けますが、次の社会不適合者を唄った「おれ、やっぱり月に帰るわ」あたりからブラックなドロドロ観が強烈になる。7曲目「青春のホルマリン漬け」は心地悪さを湛えていてダメな人は無理かも。この曲の最後はこんな歌詞で終わります。でもこのアルバムを聴き続けるのを止められない。

 

青春のホルマリン漬け ずっと腐らないんでしょう?/青春のホルマリン漬け そーゆー感じの匂い/鼻の奥の方 その匂い ずっと残ったまま

 

楽しいファンクナンバー、「愛と幻想のレスポール」(9曲目)。どこか懐かしいホーンセクションでのりのりになる。でも歌詞はかなりきわどいよ(ここに書けない)。

 

最後のバラードは「アストライド(Album Mix)」。アストライドは造語で、明日、トライする、ライド、ストライドなどの意味をもたせているのだそうです(スガシカオ談、Inter-FM; Happy Hour!, 2014年5月21日放送。AZさんのHPから引用させていただきました)。この曲だけ2014年に先に発表されています。

 

何度だって やり直せばいい/何度だって 恥ずかしくはないよ/君が思う世界へ/まず君が 歩き出すんだ

 

曲はこの歌詞で終わりますが、ここからまた、父親が背中を押してくれた1曲目の世界に繋がっている。本盤中一番好きな作品です。

 

このアルバムは、認めたくないけど、スガシカオの最高傑作かもしれない。

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