禁煙したくてもできない人はたくさんいると思います。中国でのストレスの多い生活ではなおさらやめにくいですね。
禁煙には、一気に0本にして吸わないやり方と、喫煙本数を少しずつ減らしていくやり方があります。
世界の多くの禁煙ガイドラインでも、一気にやめることを推奨しています。しかしどちらのやめ方がいいかは、きちんとしたデータがありませんでした。
写真はこちらのサイトから引用
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今月のアメリカ内科学会誌に、どちらの禁煙の方法が効果的か(一気にやめるか徐々にやめるか)を比較した研究結果が掲載されていました。
この研究は、イギリスで行われました。禁煙を希望する方697人を対象に、本人の希望と関係なく、一気に禁煙するグループと、2週間かけて徐々に禁煙するグループに分け、禁煙開始日から4週間後と6カ月後の禁煙継続率を比べています。
禁煙補助剤としてニコチンパッチやニコチントローチ、ニコチンガムを併用しています。日本でよく使われるチャンピックス(錠剤)は用いていません。
結果として、禁煙開始日から4週間後の時点でも6カ月後の時点でも、完全に禁煙していた人の割合は一気に禁煙したグループのほうで多かったそうです。下にグラフを示します。
さらに、どちらのグループに入ったかとは別に、徐々にやめたいという考えを持っていた人ほど、禁煙が続かなかったそうです。
青の棒で示す、一気に禁煙したグループの方が、どちらの時点でも禁煙を継続できている人の割合が多い。
グラフは論文の数字から当方でエクセルで作成。
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当クリニックの禁煙外来受診者の方では、少しずつ減らすことを好む人が多い印象があります。
しかし少しずつの場合、禁煙に失敗し、すぐまた吸い始める方が多いです。上記論文と同じ結果ですね。
中国はただでさえ大気汚染が進んでいます。自分の健康や家族の方のためにも、一気に禁煙しましょう。