痛風、あるいは痛みがなくても高尿酸血症の患者さんは上海でもとても多いです。

 

うちのクリニックにもほぼ毎日、この病気で受診する患者さんがみえます。圧倒的に駐在員のお父さんが多い。

 

血中の尿酸は中年以降の男性と閉経以降の女性で上がりやすい。また肥満、飲酒過多、脱水傾向で悪くなりやすい。尿酸の高さは遺伝的要素も関係します。

 

この写真は今年の「ランセット」という有名な医学雑誌に掲載された症例報告から引用上海の瑞金病院のドクターがみた患者さんの写真です。ひどい痛風結節ができていて手の関節の変形が著しい。

写真は上記論文から。ちなみにこの患者さんは治療を拒否して受診しなくなったそうです。

 

日本人でここまで関節変形をきたす人はいませんが、痛風発作(関節の痛み)で受診する人は珍しくありません。典型的には足の親指の付け根が痛くなり、激痛で歩けなくなります。痛む関節はひざなど他の場所のこともあります。

 

下の写真は腫れて痛む足の親指。関節には右の顕微鏡写真のような尿酸結晶が析出していることがある。

写真はこちらから引用。

 

この病気は普段からの予防が大事です。日常生活の節制が重要です。ちなみに、治療では痛みが出た時の治療薬、予防では尿酸を体から排泄させる薬あるいは尿酸の体内産生を減らす薬、と患者さんの状況で薬を使い分けます。

 

血中の尿酸の値が高いままだと腎機能が悪化することもあります。また、他の病気があるために尿酸値が上がることもあります。

 

心配な方は内科でご相談ください。病気についての情報は痛風財団のHPがよくまとまっています。

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