初めて編み物をしたのは小学六年生の時。
かぎ針編みで小物を入れる袋を作ったり、予餞会(すごい、いまサラッと予餞会って言葉が出てきたけど何十年ぶりに使うのこんな古語(笑))の演し物で劇をやるっつーて小道具におじいさんの頭巾を編んだり……
そんな独特過ぎるモチーフを作ってたせいか、中学に上がった頃には編み物熱はすっかり冷めていた。
いやいや、好きな子にマフラー編んだりとかいよいよここから盛り上がるべきでしょ!
……当時の私にそんなツッコミを入れる人もおらず、そこから結婚するまで16年間、自分が編み物が出来るんだということすら忘れていた。
誰も知り合いのいない関西で新婚生活を始めた28歳の冬。派遣会社の登録会に行ったら、同じ名前のおともだちが出来た。お互い、夫婦2人暮らし。求職中。年は私の方が3つ下。
彼女は大変に多才な人で、その数多ある才能の一つが編み物だった。
棒針もかぎ針も、大物も小物もプロはだしの出来映え。彼女の作品を拝見して、にわかに私の編み物熱が甦ってきた。私もやってみたい!新婚の夫にセーター編んで驚かせたい!
ひゃ~~恥ずかしい~~(笑)
と、いまは思うのだがあの頃私も若かった。
時間と若さの有り余る専業主婦、まず大きな手芸屋さんに糸買いに行くとこから師匠にご指導いただき、赤毛のアンみたいに「お針の会」とか言いながら楽しい編み物ライフが再開した。
以来、細く長く、私の編み物熱は続いている。
師匠の近くに住んでた頃は、分からないところがあってもすぐに教えてもらえるので棒針編みにも果敢に挑戦していたのだけど、転勤で引っ越しし、師匠と離れてからは自力でどうにか出来るかぎ針編みに終始している。
たまーに、何年か周期でとち狂って輪針とか買っちゃって、スヌードなぞ生産しているけれど、ここのところはもうすぐに編み終わるような小さいものばかり。
アクリルたわしやらシュシュやら…
どんどん根気がなくなってるね。
しかし、針を動かして物が出来ていく過程は本当に楽しい。毛糸一本がどーしてこうなるの?考えた人天才。
始まりは生きていく上での必需品作りだったのだろうけど、編み物は楽しい趣味。
