疑惑は与党総会屋や指定暴力団への利益供与。こんな人物が球団のオーナーとはおっかない。
2013年4月にフランスの世界的な食品会社「ダノングループ」との戦略的提携契約の解消を発表した乳酸菌飲料最大手「ヤクルト本社」。発行済みの同社株の20.61%を保有する筆頭株主のダノン側から買収に向けた目立った動きは見られず、17年の長きにわたって君臨を続ける会長兼CEO(最高経営責任者)の堀澄也(78)は相変わらずトップの座に居座っている。
ところが堀は今、毎日気が気ではない。というのも堀は今年夏、側近のヤクルト本社幹部数人や、「ヤクルトの裏社会との窓口」を自称する資産管理会社「松尚」会長の新國洋暉(にいくにひろあき)ニューバランス スニーカー
(67)らとともに警視庁に呼び出され、事情聴取を受けたのである。容疑はズバリ、本誌が12年から追及を続けている、与党総会屋や指定暴力団住吉会系小林会に対する利益供与だ。
球団納会を早々に退席
11月26日午後5時。東京ヤクルトスワローズの本拠地、明治神宮球場に程近い明治記念館を会場に恒例のスワローズの納会が始まった。首位巨人に28・5ゲームの大差をつけられて最下位に沈んだスワローズだが、納会は参加者約600人と大盛況。その中にはヤクルト本社の系列販売会社や取引先などの社長の姿もあり、オーナーの堀が冒頭の挨拶に立った。
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何と、13年大ヒットしたドラマ『半沢直樹』の決まり文句を持ち出して怪気炎を上げる堀。ヤクルトにとって、グループのシンボルであるスワローズの納会は年に一度の大イベントであり、ホスト側の代表でもある堀は毎年最後まで残って、招待客を回って1年間の支援を感謝する。ニューバランス レディース
ところが今年は、選手の表彰など冒頭のイベントが終わると、会場にいるマスコミの目を避けるように10分ほどでそそくさと姿を消した。常連客の間では「いつも最後までいるのに、今年はなぜあんなに早く帰ったんだ?」と訝る声が広がったという。しかし、堀には何としても人前に出たくない理由があったのだ。
本誌は12年8月号で「ヤクルト本社はカリスマ社長の松園尚巳(故人)の秘書役を長年務めた松尚社長(現会長)の新國をキーマンに、大口取引先である果実加工品卸会社『サンヨーフーズ』を経由して与党総会屋の松本勝雄や小林会に対する利益供与を今も続けている」と指摘したが、警視庁の組織犯罪対策部が今年7月末からこの問題の内偵捜査に乗り出し、堀自身も複数回にわたって事情聴取に呼び出されたのである。
最も頻繁に呼び出されたのは、この問題のすべてを知る新國。8月に入ると連日のように東京・港区の警視庁愛宕警察署で聴取された。松尚会長の新國が行き先も言わないまま外出して帰ってこないため、社内では「会長は毎日いったいどこに行っているのだろう?」と詮索する声が聞かれた。10月中旬に自宅前である記者の直撃取材を受けた新國は、聴取について尋ねられると驚いた表情を浮かべて目線を浮かせ、訳の分からないことを話し始めた。新國はその翌日に慌てて堀を訪ね、マスコミが嗅ぎつけていることを報告したという。
堀や新國以外にも、サンヨーフーズ創業者の長谷公治(はせこうじ)や、「堀の側近中の側近」といわれている元幹部、さらにはヤクルト本社で取引先の業者を仕切る立場にある現役の幹部らが聴取され、彼らはその度に、本社近くの割烹料亭などで対策を鳩首協議して口裏を合わせていた。