藏原潔司の映画道。「今やらずして、いつできる!?」 -499ページ目

小さな大道芸人。大きな勇気

7月17日、第二回目の上映&舞台挨拶のため、

川口駅に降りた時の事。


駅の外に出てすぐに目が止まり、足を止めた。

黄色いつなぎを着ている少年と、友達らしき少年の二人組。

しゃがみ込んで何か準備している。


つなぎの少年が振り返って立ち上がる姿にハッとした。

道化の仮面をつけている。


いそいそと大勢の通行人が駅を出入りしていく中、

少年は地べたに横になる。

何か始める気だ。僕は釘づけになって見ていた。

誰かに踏まれるんじゃないかってぐらい、人の数が多い。

少年は仰向けの状態から手を使わずに起き上がると、
通行人などお構いなしにパントマイムを黙々と始めた。

小学生の大道芸人を初めて見た。


どうやら自主的に大道芸を行っているようで、
その心意気と駅前で堂々とやってのける勇気に
興味を持った僕は、少年の目の前に立って見ていた。

通行人は相変わらず立ち止まらない。
少年を見かけても止まらず過ぎていく。

少年の前や後ろを人がどんどん気にせず通って行く中、
パントマイムを続ける根性はすごいなぁと思いながらも、

サングラスをかけた怪しい男が腕を組んで
目の前でじっと見ているのも
緊張させちゃうのかなと勝手に妄想しつつ、

僕は目の前でじっと少年の演技を見ていた。


そしたら、この演技にはストーリーがある事に気付いた。


寝ていた少年は目を覚まし、立ち上がろうとするが

力が入らず立つ事ができない。

そばに見つけた花を手にし、今度は立ち上がる事ができた。

周りは壁に囲まれている。

出口を探していた少年はノブを発見し、ドアを開けるようにして
外に出る。

そして、まっすぐ、ゆっくりと

じっと見ていた僕に向かって歩いてくる。

僕は驚きつつも、面白いと思い、じっと待った。

仮面をかぶった少年は目の前で止まると、

手にしていた花を差し出す。

僕が受け取ると、少年は元の位置に戻っていき、

ゆっくりと仰向けになって動かなくなる。




この起承転結を少年が考えたのか?意味を意識しているのか?
すごいなぁ。

久々に100万ボルトをもらった気がしました。

唯一の観客だった僕は心からの拍手を送り、

少年とその友達にチップを渡し、

時計を見たら舞台挨拶の時間まで
超ギリギリな状態だったので
惜しくもその場を去らなければいけませんでした。

また会いたいな。
多分どこかでまた会えるはず。
そんな気がする。

彼ならできる。自信を持って続けてほしい。



$遠藤 潔司の映画道。 「今やらずして、いつできる!?」
2番目の演目。中国ゴマも良かった。
最後まで見たかった。

$遠藤 潔司の映画道。 「今やらずして、いつできる!?」

名前も知らないけど、応援してるぜ!