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しゃふの活動期-アーティスト・キャンプ・ボランティアに参加して②

この3カ月ほど、少し身の回りがあわただしく、

ブログをご遠慮させていただいてました。


今日から再開!

いずれ自分の作品集(文章+造形)となるべく、紡いでまいりたいと思います。



*****


さてさて、

前回の記事 でご紹介した、アーティスト・キャンプについてのお話です。


作業は昨年10月、展示は12月をもって終了しているため、

ものすごい遠くの出来事のように感じますが、

書くと言った以上、書くw



大巻信嗣さんの「ECHOES-INFINITY: Miyazaki」制作において、

ボランティアが果たした役割は、主に以下の4つです。



①花型づくり

 会場内での彩色に用いる花型は、大巻さんも多くを準備されていたんですが、

 宮崎にまつわる花々は、私たちボランティアが制作しました。

 大巻さんの型はアクリル板でできていますが、

 ボランティアの作る型は、なんと紙!

 厚紙などのじょうぶな紙を、切り絵の要領で切り抜きました。

 型の原画となる絵の一部も、ボランティアが描いたものだったり。

 私の描いた花も3つほど採用されました。えへえへw


②彩色時の作業補助

 これがメインのお仕事でした。

 基本的に、会場内で大巻さんやアシスタントの田中さんの補助をするグループと

 会場の外で型の清掃をする係とにわかれました。

 どちらも白い床面に顔料をこぼしてはならない・繊細な花型を壊してはならない等

 つねに緊張感がただよっていました。

 ボランティア同士で話し合って、作業内容を改善していったのが楽しかったなぁ!


③「TIME OF ECHOES」制作

 「TIME OF ECHOESとは、作業工程(主に型の清掃)で出た

 「ゴミ」となった顔料を、

 シャンパングラスに蓄積していくことで、色の層を作り出し、

 作業中の時間の経過を視覚化する作品です。

 この顔料をシャンパングラスに蓄積する作業は、ボランティアが行いました。

 グラスは結局14本(だったかな?)できあがり、環状に並べられ、

 「ECHOES-INFINITY」に付随する形で展示されました。

 これもグラスを倒さないように、慎重な作業が続きました。

 最後にはグラス1本1本に、そこから連想するタイトルをボランティアが付けました。


④宮崎の情報提供

 大巻さんが取り組んでいるインスタレーションという分野の作品は、

 永久には残らない一過性のものであり、

 空間を用いた芸術であることから、その空間の意味だったり、

 土地の独自性(Site Specificity)が重要となります。

 そこで必要となるのは、その土地に根差す人々の力。

 手前味噌のようでもありますが、私たちボランティアはここで役に立ちました。

 大巻さんに宮崎の情報を提示するというだけではなく、

 (ex. 使用した顔料には「チーズ饅頭」「海亀」「高千穂」など、

 宮崎独自のネーミングを、ボランティア・学芸員・大巻さんが相談してつけました)

 宮崎に住む私たちがこの作品に携わるということ自体が、

 「ECHOES-INFINITY: Miyazaki」のSite Specificityにつながりました。


他にも、こまごまとした作業はあったんですが、

大体ボランティアの役割は以上のように大別できると思います。



作品制作にボランティアが多く関わったこの「ECHOES-INFINITY: Miyazaki」でしたが、

大巻さんから 「ボランティアが加わるから、作品に支障がでてもしょうがない」という姿勢は、一寸も感じられませんでした。
大巻さんも、アシスタントの田中さんも、とても朗らかで優しいんですが、
制作に関して「ボランティアだから」という甘えは一切なかったように感じます。
そして私たちも、実際に何か言われたわけではなかったのですが、 彼らの真剣さを自然と感じとり、
一つ一つの作業を丁寧に、責任をもってこなせたのだと思います。
結果、ボランティアが原因となる大きな失敗もなく、無事作品は完成しました。


作品へのボランティアの関わりや役割が大きかった一方で、 

ボランティアと大巻さんとの「絶対的差」のようなものも感じました。

それは、鑑賞者への責任、だったと思います。

私を含めボランティアはどうしても、制作に参加したことを

「楽しかった」「いい勉強になった」という自己充足につなぎがちなのですが、

大巻さんは常に作品の向こうに鑑賞者がいることを意識していました。


もちろん、アイディアの起源である大巻さんと、

その手伝いをするボランティアとの間には、大きな立場の違いがあります。

けれど、ボランティアに大巻さんと同じような

鑑賞者に向けての視線が存在していれば、

作品へのボランティアの関わり方も、また違うものになったのかな?という気もします。


ボランティアが鑑賞者への視線を持つことで、作品はどのように変わるのか?

またそのような視線は、どうすればボランティア間で共有することができるのか?


これらの問題は、「ECHOES-INFINITY」のボランティア活動から持ち帰った、私の宿題です。


この宿題に答えを出すためにも、

今後もボランティアをはじめ、美術の現場に潜り込んで、

多く経験を積んでいきたいです!



なんだかバタバタとまとめてしまいましたが、

とりあえず、アーティスト・キャンプ・ボランティアについてのレポートを

一旦終えさせていただきます。

また気がついたことがあれば、追記するかも!?



次回は、私の近況について書く予定です。

ブログの内容ももうちょっと整理しなきゃですねあせる


長々と読んでいただき、ありがとうございました。

しゃふの活動記-アーティスト・キャンプ・ボランティアに参加して①

あわわわ。

もう1カ月以上更新していませんでしたあせる

「1週間に1更新」という目標は3回もたたずに挫折してしまいましたー。

ダメなわたくしです。


これからは、マイペースな更新になるとは思いますが、

もうちょっと頻度多く書いていきたいものです。

アウトプットしたいこと、結構いっぱいあるのです。


*****************


さてさて、

私は10/5~10/30の間、
宮崎県立美術館で行われた「アーティスト・キャンプ」なるものに、
ボランティアで参加してきました。


内容は大巻信嗣さんという作家による、
「ECHOES-INFINITY:Miyazaki」という作品の公開制作のお手伝いです。

大巻さんはインスタレーションを中心に制作活動をされている方なのですが、
今回の「ECHOES-INFINYTY」シリーズは、
岩絵の具(顔料)と型を使って、真っ白な床一面に花を描いていくものです。
直近だと、東京都現代美術館の「こどものにわ」展でも出品されています。

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 大巻信嗣さんのホームページに、
 (今回のではないですが)「ECHOES-INFINITY」の写真があります。
 キレイですので、ちょっと覗いてみてください↓
 http://www.shinjiohmaki.net/index.html
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制作手順としては、床(白いカーペット)の上に花型を置いて、
そこに岩絵の具を振りかけ、
ステンシルのように花の形を浮かびあがらせていきます。

それで、ここからが作品の重要な部分なんですが、
床一面の花々は、砂状の岩絵の具がのってるだけの状態で描かれています。
普通日本画で岩絵の具を用いるときは、
膠(にかわ)というものでペースト状?液状?にして固定するのですが、
この「ECHOES-INFINITY」では膠を用いず、花々は床に固定されていません。

もっとわかりやすく言えば、
例えば床の花にふーっと息を吹きかけると、岩絵の具が舞って花が散ってしまうということです。

そして私たちはこの床一面に花が描かれている空間に、踏み入ることができます。
床上の花は人々に踏みしだかれて崩れていき、
岩絵の具どうしは混ざり合って、空間はどんどん変容していきます。

ものすごく乱暴に言いますが、
この「時間の移ろいやすさ」こそが、「ECHOES-INFINITY」の意味なのです。
(いや、本当はもっともっと複雑な思考を経て成立している作品なのですよ。
 大巻さんは「踏み絵を意識した」とも言っていましたし。)


崩れてしまう運命にある、この「ECHOES-INFINITY」ですが、

完成までの過程、そして完成の瞬間に見た花いっぱいの風景は、筆舌に尽くしがたい美しさでした。

大巻さんのHPをぜひご覧いただきたいのですが、色彩の洪水です。

最近、私の追究している「美しいもの」とアートは相入れないんじゃないか、と非常に思い悩んでいたのですが、

美しい空間と論理性が並立しているこの作品に、

個人的には勇気をいただきました。

同時にその果てしなさに眩暈も感じたのですが…。


「ECHOES-INFINITY:miyazaki」は、10/30に完成、10/31にオープニングを迎え、
現在~12/12の期間中、宮崎県立美術館の彫刻展示室にて公開中です。

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 宮崎県立美術館HP↓
 http://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/box/koukai.html
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宮崎の人は見に行ってください☆
(早めがいいよ!なるだけきれいなうちに!)

作品にまつわる画像や写真もちょこっとだけあるのですが、
著作権の関係で載せられなーーい、のです。ご了承を。
きれいだし、実際に見てもらったほうがわかりやすいんですがね。
ま、こればかりはしょうがないのです。

それで実際どんな作業をしたか、といいますと……。


これがまたまた長くなりますので、この活動記、2回に分けていただきます。

次回をお待ちくだされー。

(果たして待つ人はいるのか!?w)


*ちょいと一言*


美しいものとある日々

お気に入りの大島紬と、博多織の半幅帯です。

先月水害に見舞われた奄美大島は、この大島紬の産地です。

水害により工房・工場の被害に加え、泥染に用いる泥にも不順物が混ざるなど影響があるそうです。

なかなか高価な大島紬を買うことはできませんが、

身につけることで、奄美の一日も早い復興を祈らせてもらいます。