>オリジナルフルアルバム
>タイトル:ウラシマノウタ
>アーティスト:フィルハーモユニーク
>リリース日:2009年 11月 25日
>記事作成日:2020年 10月 19日





久しぶりに聴きました!

音楽家・小林武史を知るぞ!シリーズ⑫。
知ってるようで知らないかもしれない、敬愛する小林Pの各種お仕事を、改めて聴いていくシリーズ。
このバンドは…今となってみると、何だったのかな…とはちょっと思う(笑) 当時は“ミスチル、レミオに次ぐ”みたいな感じで出てきたけど、早々に活動休止しちゃって(改名&メジャー進出前が結構長くやっていたみたいなので、メジャー進出後から活動休止までの速さが余計際立って見えました)。タイアップとかも沢山付いて、なんか、売れるコースを爆進してたのに。売れるばかりが価値では当然無いけど、売れる要素は揃ってたのにねぇ。

ちなみに、小林Pを知るぞ!シリーズですが、本作中で小林Pがプロデュースしてるのはシングル曲のみなんですよね。
まぁ、烏龍舎アーティストではあったので、全面的に影響は受けているんだと思いますが。



『君という光』
のっけから、王道な雰囲気のポップロックチューン。アコギのストロークが軽快に鳴り、エモーショナルなボーカルが伸びやかに響き渡る。ちょっと“お利口さん”過ぎる気もしないでもないけど、間違いなく王道。

『涙の足跡』
これもまた、王道感の強いロックバラード。ストリングスも重なって、涙腺を刺激してくるタイプのロックンロールですね。
でも、ぼくが一番好きなのはメロディ。特にサビ。恐ろしくキャッチー。

『優しい響き』
メジャーデビューシングルですね。このシングルが出る前に出したメジャーデビューミニアルバム『HarmoNium』が結構斜に構えた感じのゴツゴツした雰囲気だったので、その次に出たシングルがこんなに王道でキャッチーな雰囲気だった事に驚いた記憶があります。確かなんかすげータイアップも付いてた気がするし…この曲で「あ、売れて行く人たちなんだな」って確信した記憶があります(笑) まぁ、そういう空気とかにも、呑まれちゃったのかなぁ。
ちなみに、この曲は小林Pプロデュース。

『うたかたの僕等』
ラウドなリズム隊と、ヴィンテージ感のあるギター。そこに乗っかるのは爽やかさのあるボーカル。一曲の中に、なんか色んな要素が詰め込まれてる感じの曲。それをこれだけまとまりのある曲に出来ているのは凄いと思うけど、今改めて聴くと、もうちょっと何かを“引き算”しても良かったのかな?とも思う。

『クライ クレイ』
そういう意味では、サウンドとアレンジとボーカルと、更には歌詞の雰囲気とかも含めて方向性のまとまりが感じられる曲。サビでも、そんなに極端にポジティブに振り切らなくても良いのになと思わなくもないけど、聴き応えのある曲である事には間違いがない。

『レース』
アコギの音が、ズシンと重たく響く曲。ハードボイルドな曲ですね。ボーカル・五郎川さんの特徴的な歌声には、ハードボイルドな世界観のほうが似合っている気がします。

『みちしるべ』
映画主題歌でしたねぇ。それもあってか、他の曲ともかなり雰囲気の異なる曲。他の曲はもっと“カッコつけてる”感じがするのに(それが悪い事だとは全然思ってませんよ?)、この曲だけ、なんかもう全てさらけ出しているというか、さらけ出さざるを得なくなっているというか(笑) なんせ命について考えさせられる映画の主題歌でしたからね、それにガチでぶつかった結果なんだろうなって思います。
この曲も小林Pプロデュース。

『若草のとき』
ここまでには無い感じの爽やかさ。対象年齢が若いというか、瑞々しいというか。五郎川さんの声ってどうしてもハードボイルドに響きがちですが、この曲では若々しく聴こえます。

『コンコルド』
爽やか系のアップテンポ曲。サビで「Fly away♪」なんて歌ってますしね、爽やかで、程よく力強く、背中を押してくれる感じの曲です。

『真っ白な未来』
メロウなピアノから始まる、美しくも力強いバラード。ボーカルが、優しく沁みてきます。もちろんバンドサウンドにも違和感は無いんだけど、むしろピアノみたいな楽器に乗せたほうが、五郎川さんの武骨な歌声が映えるのかもしれないなぁなんて、前半を聴きながら思ったりもしました。

『エンドロール』
優しさが前面に出ている、聴いているとふにゃんとするようなサウンドの曲。歌詞的には切なさでいっぱいの曲なんだけれども、サウンドは物凄くあったかくて。音だけ聴いてれば元気を貰えて、歌詞の世界に飛び込めば辛くて苦しくなる(笑)

『ランドスケープ〜旅の終わりに〜』
素朴で親しみやすい音で構成されたこの曲で、ラスト。アコギのアルペジオとピアノとの可愛らしい音から始まって、“壮大”っていうよりは気さくなストリングスが重なって。リズム隊は、土台づくりに専念してる。ある意味で“ロックバンドの曲”っぽくはないのかもしれないけど、圧倒的にキャッチーではあります。



そんな、計12曲。

えらく久しぶりに聴きましたが、やっぱり、良い曲が多いですね。
一方で、若手が横綱相撲を取ろうとしたのかな?って感じは、ちょっとありました。自由人としてのバンド歴はそこそこ長かったように思うのですが、フィルハーモユニークとしては初のフルアルバム。まっさらな状態から好きな音を鳴らせるはずの時期に、ちょっと、「ミスチル、レミオに続かなきゃ」感を意識し過ぎているように聴こえました。それがご本人たちによるものなのか、周囲によるものなのか、もしくはまったくのぼくの見当外れなのかは知る由もありませんが。
…もしかしたら、アレンジャーとしてはかなり“真面目な仕上がり”にする印象のあるSUNNYさんがプロデュースした曲が多いからなのかな。

、、、という訳で、ミスチルのサポートキーボーディストのSUNNYさんがプロデュースしている曲も多かった本作。どちらかというと今回は“SUNNYさんを知るぞ!シリーズ”だったかもしれない。

あと、決定的な事と言えば…バンド名が読みにくい!書きにくい!! これは、これから世に出ていこうというバンドには結構致命的なような。それを察してか、本作なんかではさりげなくカタカナ表記になってますね。





お気に入りは、
#01 『君という光』
#02 『涙の足跡』
#03 『優しい響き』
#08 『若草のとき』
#12 『ランドスケープ〜旅の終わりに〜』





この作品が好きなら、
・『オーロラ』/NICO Touches the Walls
・『プルーストと花束』/SHE'S
・『ヘッドフォンミュージック』/ココロオークション
などもいかがでしょうか。





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